日本が「神の国」だった時代
- サブタイトル
- 岩波新書 新赤版;764 国民学校の教科書をよむ
- 編著者名
- 入江 曜子 著
- 出版者
- 岩波書店
- 出版年月
- 2001年(平成13年)12月
- 大きさ(縦×横)cm
- 18×
- ページ
- iv,232p:挿図
- ISBN
- 9784004307648
- NDC(分類)
- 375.9
- 請求記号
- 375.9/I64
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 昭和館デジタルアーカイブ
はじめに―今なぜ戦時中の教科書か
第一章 国民学校の時代
国民学校令/骨子は「皇国民」錬成/国防に名を借りた国民精神への介入/「天皇機関説」にたいする攻撃/「国体明徴」/『国体の本義』―天皇教の教典/同盟国ドイツの制度をモデルに「国民科」を創設/植民地における先行実施/教師にも要求された精神の切替え/
国民学校の出発/朝鮮語教育の禁止と創氏改名/卒業証書の発行番号も切替える/「墨塗り」は文部省による自粛/占領軍の教育方針/天皇の「人間宣言」/暫定教科書と国民学校の終焉
第二章 教科書に日の丸があがるとき
「サクラ」から「アカイアサヒ」へ―大東亜共栄圏を視野に/日の丸の旗の授業/「青空タカク、日の丸アゲテ・・・・・・」/昔話にも日の丸/「紀元節」(建国記念日)と日の丸/「天長節」と最敬礼/いつでもどこでも日の丸を/繰り返して刷り込んでいく/東南アジアで
ひるがえる日の丸/日の丸と少国民としての自覚/開拓農民の「錬成」をめざして/先住の人々にたいする無関心/戦跡にひるがえる日の丸/「忠良ナル皇国臣民」の錬成/儀礼ではなく「思いやり」/咸臨丸にはためく日の丸
第三章 生命を捧げる光栄
「兵タイサン」への感情移入/軍人への憧れ/あるべき日本の母の姿/兵役への勧誘/朝鮮でも・・・・・・/軍犬利根の金鵄(きんし)勲章/公募された教材/靖国神社/親近感から荘厳感へ/忠霊塔/名誉ある戦死とは/加筆された「天皇陛下万歳」/音楽や習字でも/自発的に
「醜(しこ)の御楯(みたて)」に
第四章 日本が「神の国」であった理由
神社礼拝のマナーから/神棚の登場/「国引き」「国生み」神話のもつ意味/「神の山」となった富士山/「神の国」の登場/神話を集中的に/天皇は天照大神の子孫と強調/万世一系の天皇統治の説明/『神皇正統記(じんのうしょうとうき)』/祝祭日は宮中祭祀にもとづく/
なぜ天皇は「現人神」か/「神勅」/「古代国家の信念」という「史実」/「八紘一宇の大理想」/伊勢の皇大神宮/「外地」の天照大神/朝鮮では・・・・・・/地鎮祭/「十二月八日」
第五章 君が代と「天壌無窮の皇運」
天皇を荘厳化する装置/二重橋―見る対象から拝むものへ/儀式が刷り込む天皇崇拝/朝鮮総督府の指導書/天皇陛下/「皇国臣民の誓詞」/紀元節/神武天皇と金の鵄(とび)/「君が代」/日本語を「国語」として―台湾人少年の「美談」/四大節と式歌/教育勅語は
理解すべきものでなく「奉体」すべきもの/大元帥陛下としての天皇/命を捨てるのが忠臣/吉田松陰の「ほんとうの日本人」
第六章 母こそは命の泉
忠孝一本という思想/兵士を生み育てる母性の賛美/「水兵の母」/死を嘆かない母/死を祝福する母/泣けない母/一家一門の名誉/同志をささえる母性/昭和の教育勅語/「おかあさん」/「腹は借り物」の思想
第七章 広がるアジア、消えた西欧
武力による領土拡張を「国生み」と教える/御稜威のもと「往け、八紘を宇(いえ)となし」/戦争の大義名分/日本語をアジアの共通語に/教科書から消えた西欧世界/新しく登場した人々/「南進」への憧れを/附録の試み―日本軍占領地の紹介/中国の「親日少年」/太平洋戦争の
主戦地へ/身命をなげうって皇国のために
第八章 大日本青少年団と隣組
絶対服従につながる少国民像を求めて/大日本青少年団もドイツをモデルに/日常の訓練/子ども隣組/三つの柱/子ども常会/生活訓練と報国訓練/廃品回収/植民地では献金/慰安袋と傷病兵の慰問/学徒勤労動員に準じて/「心は一つの屋根の下」の実態
おわりに―アジアへの視点
あとがき
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