図書オオタ マサヒデ ガ トク オキナワセン ノ シンソウ000062763

大田昌秀が説く沖縄戦の深層

サブタイトル1~10
住民はいかにして戦争に巻き込まれたか
編著者名
大田 昌秀 著者
出版者
高文研
出版年月
2014年(平成26年)8月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
227p
ISBN
NDC(分類)
219.9
請求記号
219.9/O81
保管場所
閉架一般
内容注記
年表あり
和書
目次

はじめに―今こそ語り伝えておきたいこと

Ⅰ章 戦争への道のり
1 沖縄の軍事化の背景
 非武の島・沖縄へ日本の軍隊が常駐
 「非武の文化」と「威武の文化」
 日本、沖縄を組み込んで軍事大国へ驀進
2 皇民化教育の推進と徴兵令の施行
 薩摩の琉球侵略と、琉球の中の「日本化」志向
 日本化志向、「皇民化教育」に受け継がれる
 皇民化教育のありよう
 軍国主義精神の注入の仕方
 沖縄の指導者たちの「皇民化」への取り組み方
 沖縄インテリたちの深い焦燥
 徴兵令の施行に見る「国民的同化志向」
 一般民衆の徴兵忌避
 沖縄出身兵たちの宿命
3 いびつな皇民化教育の結果
 川上肇の舌禍事件と沖縄言論人
 方言撲滅運動と方言論争
 方言撲滅運動の真の問題点
4 皇民化運動の行きつくところ
 沖縄連隊区司令官の対沖縄人観
 「国防思想」の注入
 戦争に不向きな沖縄
5 軍国日本の中の沖縄
 時代の荒波は、辺境の地八重山まで波及
 まっしぐらに戦時体制へ
 強化されるファシズム体制
 日中、全面戦争へ
 「国家総動員法」が施行される
6 太平洋戦争の勃発と沖縄
 日米開戦の前夜
 日米開戦、強まるファッショ化
 沖縄県会も以上な戦時県会へ踏み出す

Ⅱ章 戦時体制への移行
1 文化施設の軍事目的化
 NHK沖縄放送局の開設と崩壊
2 国策への県民の対応
 満州への分村計画の推進
 巧妙を極めた「南進政策」と沖縄の現実
 深刻な物資の欠乏
 サイパン・テニアンの玉砕、県民に大ショックを与える
3 戦時下の県政の実態
 一〇・一〇空襲の悲惨
 日ましに募る生活難
 叱咤激励するだけの指導者たち
4 沖縄の人びとの尽忠報国の態様
 指導者たちの異常な言行
 混乱を極める沖縄社会

Ⅲ章 沖縄戦の経過
1 沖縄守備軍の作戦準備
 第三二軍(沖縄守備軍)の創設と初期の役割・兵力
 指揮系統の変更と現地と中央の相克
 戦略持久作戦へ
2 米軍の上陸作戦と沖縄決戦の実際
 米軍の沖縄本島上陸と急激に悪化する戦況
 陸・海、作戦での対立と本土決戦の準備
 沖縄守備軍、首里を撤退し南部へ
 沖縄方面根拠地隊が全滅
3 本土防衛のための「捨て石」作戦
 バックナー中将、牛島司令官に降伏勧告状を送る
 米軍の心理作戦の効果
 バックナー中将の戦死と守備軍首脳の最期

Ⅳ章 沖縄決戦下の住民
1 沖縄戦における米軍政要員と一般住民
 米軍の作戦をまったく読めなかった大本営
 米軍、徹底的に沖縄の情勢を分析
 対住民対策、日本軍と米軍の違い
2 行政当局の対住民施策
 軍部言いなりの行政当局
 悪化の一途をたどる食糧難
3 地元住民の「集団自決」と「スパイ事件」の要因
 食糧難と慶良間の「集団自決」
 守備軍の住民への不信感とスパイ疑惑
 沖縄人スパイ説はなぜ流布したか
 守備軍首脳たちの前歴と守備軍将兵のモラル
 県民の献身的な協力も報われず
4 沖縄戦の開始と終結
 沖縄戦の開始日は
 沖縄戦の終結日は
5 沖縄戦の特質とは何か
 無謀極まる戦闘
 住民、学生を戦場に投入
6 「捨て石」作戦の非情
 中央も現地も分かっていた沖縄の“玉砕”

Ⅴ章 沖縄戦の教訓
1 軍隊とは
 軍隊は軍隊を護る
 軍隊は非戦闘員を犠牲にする
 軍隊は住民を信じない
2 指導者は民衆の信頼を裏切る
 国士隊の結成とその役割
 国士隊もう一つの任務
 戦争は人間を人間でなくしてしまう
3 弱者が一番過酷な運命に陥る
 老人、子ども、女性は排除される
 戦場で犠牲になった子どもたちの実情
4 沖縄戦最大の教訓
 戦争は防がなければならない
5 民衆にとって軍備は無意味である
 軍備増強がもたらすもの
 過去の教訓をどのように生かしていくか

『沖縄戦の深層』関連=略年表