偽りの日米開戦
はじめに
第一章 謀略の満州
偽りの満州国/関東軍の謀略/庄内藩出身の参謀/石原莞爾の野望/偽電報/統帥権発動/沸きあがる世論/満州の歴史
第二章 偽りの満州支配
誤算/「正当化」/単純素朴な発想/「日本人は介入すべきにあらじ」/満州国制定原案/ラストエンペラー/天皇みずからが出迎え/溥儀毒殺説
第三章 国際情勢への無知
対ソ連工作/ヒットラーへの期待/日本人の狭い国際感覚/日本政府の総意として/「中国の戦争などすぐ終わる」/「東条は国を滅ぼす」/アメリカの「オレンジ作戦」/「米英を敵にできるか」/「やっちゃえ」
第四章 蔣介石・毛沢東を知らずして
蔣介石と日本/孫文がつくった日本での人脈/決裂した会談/蔣介石の絶望/中国の赤い星/不死身の毛沢東/スケールが違う男/日本軍の敗北を確信/毛沢東の裏面
第五章 藩閥軍隊の暴走
平頂山の虐殺/八路軍に勝てず/恐ろしい軍隊/維新の元勲がつくった統帥権/犬養首相暗殺/時代おくれの海兵教育/陸軍の内紛/軍務局長暗殺事件/大反乱、二・二六事件/四十八発の銃弾/駐日米国大使の日記/昭和天皇の激怒/南京の虐殺事件/中国で裁かれた日本兵
第六章 ソ連軍に大敗
ノモンハン事件の真相/惨敗を闇のなかに封印/日露戦争の装備と同じ/ノモンハンへの旅/「五万人が死んだ」/事件の発端/全滅/肉弾攻撃による玉砕/戦国時代の軍隊/撤退を許さない精神主義/責任をとらない参謀
第七章 大本営政府連絡会議の無責任
「中国などすぐ占領できる」/全員が「勝てない」/時間切れだった和平案/中国の親日政府/「開戦やむをえず」/気勢のあがらない開戦決意表明/東条英機という男/キマジメ一点張り/「陸軍大臣の威信もおちたものだよ」
第八章 負けるべくして負けたミッドウェー海戦
山本五十六の一言/開戦の四ヵ月後には本土空襲が/絶対に勝てないことを知りながら/電波探知能力なき艦隊/第二次攻撃隊発進/おくれた敵の発見/優柔不断/運命の五分間/一瞬で逆転した戦況/参謀たちの楽観
第九章 アメリカにはめられたのか
米英参謀会議の詳細な日本情報/アメリカの衝撃/東条のお粗末な判断/あまりにも低かった日本の外交力/吉田茂の終戦工作/無責任発言/日本の敗戦を予見していた議員/東条の遺書/だれが間違ったのか/逆説日米開戦/責任のとり方/「先見の明」
あとがき
参考文献