山本七平の思想
- サブタイトル
- 講談社現代新書;2440 日本教と天皇制の70年
- 編著者名
- 東谷 暁 著
- 出版者
- 講談社
- 出版年月
- 2017年(平成29年)8月
- 大きさ(縦×横)cm
- 18×
- ページ
- 286p:挿図,肖像
- ISBN
- 9784062884402
- NDC(分類)
- 289
- 請求記号
- 289/Y31
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 本書に登場する主な山本七平の本:p283-284
- 昭和館デジタルアーカイブ
プロローグ─七平とは何者なのか
第一章 社会現象としての『日本人とユダヤ人』―謎のユダヤ人イザヤ・ベンダサンが、見えない宗教「日本教」を発見した衝撃
ベンダサンの衝撃/全員一致の大宅賞選評/安全と水は無料ではない/水稲耕作民と牧畜文化民/日本人の「同一行動」文化/朝廷・幕府分離と「理外の理」/「日本教」という宗教/始まったベンダサン批判/ベンダサンとは誰か?/「あれ、あなたなんでしょう」/新鮮だった
比較文化的アプローチ/姿を消したベンダサン/ベンダサンが残したもの
第二章 「三代目キリスト教徒」の異常体験―日本社会のなかの「異教徒」として過ごした、山本七平の幼少年期の秘密にせまる
日本社会のなかの少数派/大逆事件との繋がり/新宮の異教徒/論じなかった大逆事件/日本人キリスト教徒の艱難/読書に熱中する少年/聖書研究書を読み始める/戦時色を濃くしていく日本/軍隊の現実を垣間見る
第三章 『私の中の日本軍』と果てしない論争―フィリピンのジャングルの中で、絶望的な戦いを強いられた七平は何を手にしたのか
日本軍三部作/越権行為で部下を殺す/「借り」と「貸し」の論理/歴戦の臆病者、歴戦の勇士/収容所での観察/戦後も続く「日本軍」の体質/確定要素と不確定要素/実体語と空体語/七平にとっての戦争/「百人斬り」は不可能だった/七平は「穴」に落ちたのか/日本刀に
耐久性はあるか/「据え物斬り」は論争の前提/抑えきれない怒り
第四章 名著『「空気」の研究』はいかにして生まれたか―日本人を支配してやまない「空気」。その本当の恐ろしさを七平自身の言葉から読む
戦前と戦後のあいだで/「空気」で動く日本社会/「空気」は現代でも生まれる/日本ではなぜ「空気」が生じるのか/一身に二つの頭を持つ/「空気」を消す「水」とは何か/日本人の「情況倫理」/「固定倫理」なき正義/「水」を生みだす「空気」/西欧的憲法と現人神の併存
第五章 山本書店店主と『日本資本主義の精神』―鋭く日本社会を分析した七平の目は、戦後日本の繁栄とその急速な没落を見抜いていた
若き出版人の夢/山本書店の店主/日本資本主義の精神/機能集団と共同体/梅岩とその先駆者/あらゆる営みは仏法につうず/人の「心」と経済の「秩序」/「藩」という日本企業の原型/鷹山が実現した「国家」/日本企業の長所と欠点
第六章 二十年かけた『現人神の創作者たち』―戦時中、若者たちの血を要求した「現人神」の謎を、孤独な探究が解き明かしていた
なぜ「現人神」に取り組んだのか/山崎闇斎という「転回点」/七平たちの「呪縛」/「犯人」の朱舜水とは/林家の阿世、崎門の絶交/教条主義的な朱子学者・佐藤直方/浅見絅斎の『靖献遺言』/水戸学との合流/理想的な国家=日本へ/応用問題としての赤穂事件/直方・尚斎の
第七章 戦後社会と『昭和天皇の研究』―戦前・戦中の昭和天皇の「おことば」を分析し、近代日本と立憲君主制の本質を洞察
売れっ子評論家の地味な生活/意外な昭和天皇への「評価」/立憲君主という「自己規定」/二・二六事件と昭和天皇/天皇への一方的な思い込み/天皇機関説への支持/北一輝の「ニヒリズム」革命/「国体明徴」運動の創始者は誰なのか/開戦の「御製」、終戦の「聖断」/
昭和天皇の「ご意向」/いまも生じる「現人神」現象
第八章 『禁忌の聖書学』と日本人―七平が心に秘めたキリストへの信仰と、日本繁栄への思いは根底でつながっていた
慌ただしくやって来た「晩年」/信仰についての沈黙/ヨセフスへの「共感」/歴史を通じてイエスを語る/文学の源泉としての聖書/ヨブ記と聖書における「義」/内村鑑三との距離/出版経営者として評価する/日本教との闘い/七平の信仰と日本の未来/日本教と天皇制
エピローグ─七平が洞察した「未来」の日本
本書に登場する主な山本七平の本
あとがき
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