図書目録ダイホンエイ ハッピョウ資料番号:000062130

大本営発表

サブタイトル
改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争
編著者名
辻田 真佐憲 著
出版者
幻冬舎
出版年月
2016年(平成28年)7月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
281p
ISBN
9784344984257
NDC(分類)
210.75
請求記号
210.75/Ts48
保管場所
開架一般
内容注記
文献:p273-281
昭和館デジタルアーカイブ
和書
目次

はじめに
第一章 日中戦争と大本営発表の誕生 (一九三七年十一月~一九四一年十二月)
忘れられた太平洋戦争以前の大本営発表
大本営報道部は陸海軍でバラバラ
世論対策に熱心な陸軍と冷淡な海軍
地味だった最初の大本営発表
大本営発表は作戦報道の最高権威
国民に届くまでの三つの関門
悩ましい南京攻略戦の報道合戦
新聞暴走の背景に熾烈な競争
広東・武漢作戦で試行錯誤
三年間鳴りを潜めた大本営発表
情報局の発足と忖度する報道機関
記者を軍属として徴用する報道班員制度
平出英夫の着任と海軍報道部の躍進
宣伝報道の専門家が集まる陸軍報道部
馬淵逸雄の更迭と陸軍報道部の凋落
準備万全で迎えた十二月八日の開戦
 
第二章 緒戦の快勝と海軍報道部の全盛 (一九四一年十二月~一九四二年四月)
大本営発表は「読む」から「聴く」へ
大本営報道部と癒着する記者クラブ
驚異的な戦果をあげた真珠湾攻撃
正確な報道をめざして戦果を修正
マレー沖海戦と物語調の発表文
焦る陸軍報道部は修飾語を乱用
「大本営発表」ブランドの確立
落下傘作戦で露見した陸海軍の対抗意識
シンガポール攻略と相変わらず冴えない陸軍報道部
谷萩那華雄の着任と陸軍報道部の盛り返し
特殊潜航艇の戦果をめぐる駆け引き
「特別攻撃隊」は虚偽と隠蔽により生み出された
本土空襲の衝撃と架空の撃墜
「信頼性の高い大本営発表」と「信頼性のない敵国の発表」
 
第三章 「でたらめ」「ねつぞう」への転落 (一九四二年五月~一九四三年一月)
高松宮の大本営発表批判
水増しされた珊瑚海海戦の戦果
戦果誇張の原因は情報の軽視
ミッドウェー海戦でまさかの敗北
「自然の成り行き」で損害隠蔽に
大敗に意気消沈する平出英夫
減少する大本営発表と軍神加藤建夫の創出
ガダルカナル島をめぐる攻防戦
第一次ソロモン海戦と高松宮の批判
存在を抹消されたサボ島沖海戦
辻褄が合わなくなった南太平洋海戦
戦艦の喪失を誤魔化した第三次ソロモン海戦
白々しい陸海軍報道部対談会
国民は三重に目隠しされた
 
第四章 「転進」「玉砕」で敗退を糊塗 (一九四三年二月~一九四三年十二月)
「転進」と「玉砕」が生まれた理由
ガダルカナル島からの「転進」
大本営発表を疑いはじめた国民
「宴会疲れ」の海軍報道部に山本五十六長官戦死の衝撃
全滅を誤魔化したアッツ島の「玉砕」
戦艦「陸奥」の爆沈とその隠蔽
平出英夫、体調不良で海軍報道部を去る
中南部太平洋の航空戦で架空の戦果を積み上げる
陸海軍の対抗意識で発表されたタラワ・マキンの「玉砕」
開戦二周年の総合戦果
戦局の悪化で性格を変えた大本営発表
 
第五章 片言隻句で言い争う陸海軍 (一九四四年一月~一九四四年十月)
トラック空襲の損害は「甚大」から「若干」に
竹槍事件と陸海軍の駒と化した新聞
クェゼリン、ルオット島守備隊の全員戦死
古賀峯一殉職と国民の疑念
尻すぼみに終わったインパール作戦
一号作戦で再び脚光を浴びた中国戦線
すぐに発表された本土空襲のはじまり
サイパン島「二回撃退」をめぐって陸海軍が対立
マリアナ沖海戦の発表でまた陸海軍が衝突
サイパン陥落と「官僚の作文」
世紀の大誤報、台湾沖航空戦
台湾沖航空戦のデタラメ発表の背景
神風特別攻撃隊の出撃
無視された「決戦輿論指導方策要綱」
 
第六章 埋め尽くす「特攻」「敵機来襲」 (一九四四年十一月~一九四五年八月)
最後に急増した大本営発表
特攻に隠されたフィリピンの地上戦
海軍に対抗した陸軍報道部の特攻発表
あらゆる表現を駆使した本土空襲の報道
曖昧模糊とした沖縄戦の最後
遅すぎた大本営報道部の統合
対応が分かれた原爆投下の発表
戦争継続に利用されそうになった大本営発表
八月十五日の大本営報道部
大本営報道部員たちの戦後
 
第七章 政治と報道の一本化がもたらした悲劇
大本営発表は戦争中盤に破綻していた
数字で振り返る大本営発表のデタラメぶり
大本営発表の破綻の内的原因
①組織間の不和対立 ②情報の軽視
大本営発表の破綻の外的原因
③戦局の悪化 ④軍部と報道機関の一本化
大本営発表とは一体なんだったのか
福島第一原発事故と報道機関の独立性
安倍政権と報道に介入する政治権力
いまこそ大本営発表の歴史を学ぶ好機
おわりに
参考文献

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