ある救護看護婦の従軍日記
〔第一部〕病院船のころ
1 召集の電報
2 スルメとコンブ
3 飛び交う砲弾、地獄絵図
4 うなる重症患者
5 十日ぶりの入浴
6 コレラの将校死ぬ
7 似島検疫所に隔離
8 初めての戦時給与
9 夜襲ラッパの音
10 戦禍の上海を後に
11 厳島神社参拝
12 同僚の長男死亡
13 戦勝を祈る
14 英霊に捧げる露
15 英軍艦に守られる敵船
16 わが軍勇士の大上陸
17 一寸先は闇
18 フランス祖界のにぎわい
19 乳児の溺死体浮かぶ
20 船上のクリスマス
21 好物のハタハタと餅
22 卵酒で年越し
23 風邪のため床につく
24 デッキの上で氷滑り
25 初めて芝浦に入港
26 広島陸軍墓地参拝
27 節約して国防献金
28 最高指揮官松井大将乗船
29 瀬戸内海の絶景に見とれる
30 戦友の胸に抱かれる無言の勇士
31 大阪帝大の標本見学
32 水源地での観桜会
33 少年航空兵乗船
34 励ましの便りに感謝す
35 同僚、陸軍病院に入院
36 一に健康、二にも健康
37 銃剣を腰に射撃の訓練
38 秋田魁新報従軍記者の戦死を聞く
39 伊勢神宮参拝
40 俳句の勉強も楽し
41 霧深き難航海
42 久方ぶりに起床ラッパの音
43 戦中での生花も楽し
44 初物の西瓜に舌鼓
45 なつかしい鶏声を聞く
46 万里の長城を見る
47 鉄道員上陸す
48 我が艦隊と出会う
49 休みなしの調剤に足の痛み
50 開拓従事者の便乗
51 埠頭にあふれる傷病兵
52 弱き心を捨てよ
53 飯田中佐の墓前に額ずく
54 母、広島に来る
55 母と阿蘇山、別府へ
56 休暇明け、再び上海へ
57 患者投身、救助さる
58 両陛下の御言葉と御歌伝達さる
59 武運長久祈願で宮島へ
60 三十四回目の航海
61 またも患者の飛び込み未遂
62 首の痛みに苦しむ
63 召集二回目の年越し
64 天然痘発生
65 わが班交代の噂
66 部隊記念ブックの作成
67 建国式挙行さる
68 大阪市招待の観劇
69 関東軍入営兵の乗船
70 船はものすごいピッチング
71 羅津港内に投錨
72 凱旋兵を乗せて出港
73 梅林に遊ぶ
74 倹約の会報伝達あり
75 露の重みに散る紅梅
76 三十八回目の航海
77 蘇州を見学
78 いよいよ下船命令
79 従軍の歌
〔第二部〕北京のころ
1 再び召集令
2 病院船『龍興丸』に便乗
3 古里よりの便り
4 心乱れるこのごろ
5 同僚同志の違和感
6 ある老軍属の死
7 病欠す
8 遠く故山の墓参を思う
9 米内内閣総辞職の報
10 匪賊の来襲
11 病者への態度と変な噂
12 己れとの戦い
13 東京大相撲慰問興業
14 同僚の一部、太原へ転属発表
15 軽い肋膜炎
16 夢見悪く
17 動物慰霊祭
18 カリエスの心配
19 看護の無力さをわびる
20 おはぎを賞味
21 荒川閉山、夫はどこへ?
22 太原へ届かぬ便り
23 患者達との運動会
24 同僚の母の死を悲しむ
25 部隊長入院
26 万寿山見学
27 患者の重傷相次ぐ
28 恩師に再会す
29 二千六百年祭
30 事変発端の地を見学
31 気難しい患者
32 帰還前に通州見学
33 帰還の荷造り
34 さらば北京よ
35 心は故郷へ走る
36 列車は秋田へ、秋田へ
〔資料〕
主な登場人物の横顔
1 血族・友人関係
2 第一次召集期(病院船勤務)
3 第二次召集期(北京伝病棟勤務)
病院船「瑞穂丸」の航跡
「あとがき」にかえて