図書ショウワシ コウギ000061872

昭和史講義 2

サブタイトル1~10
専門研究者が見る戦争への道 ちくま新書;1194
編著者名
筒井 清忠 編
出版者
筑摩書房
出版年月
2016年(平成28年)7月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
350p
ISBN
9780000000000
NDC(分類)
210.7
請求記号
210.7/Ts93/2
保管場所
閉架一般
内容注記
参考文献:講末
和書
目次

まえがき(筒井清忠)
 
第1講 軍縮と軍人の社会的地位(髙杉洋平)
第一次世界大戦の衝撃と「軍縮の時代」/「軍縮」と陸軍/「軍人蔑視」の社会風潮/「軍人受難時代」の歴史的影響/「軍人万能時代」の「被害者意識」
 
第2講 治安維持法―国際的比較の視点から(中澤俊輔)
治安維持法とは何か/前史/治安維持法をめぐる諸説/一九二五年の成立/一九二八年の改正/拡大適用の増加と改正の挫折/新治安維持法と終戦
 
第3講 中ソ戦争と日本(等松春夫)
満州・北満という地域/中東鉄道をめぐる国際関係/中東鉄道をめぐる中ソ対立/中ソ紛争をめぐる国際関係と日本/中ソ戦争の軍事的展開/中ソ戦争の終焉/日本への「教訓」とその後の中東鉄道
 
第4講 世界恐慌下の日本(小島庸平)
金輸出の解禁と浜口内閣の成立/井上財政下での世界恐慌の発生/国際的に見た日本における世界恐慌の特徴/高橋財政の意義と限界/為替の低落と工業部門の拡大/都市生活者の労賃・生活水準/農業部門の苦境と救農政策
 
第5講 血盟団事件と五・一五事件(長谷川雄一)
二つの事件と国家改造・革新運動の源流/猶存社以後/郷詩会への結集と十月事件以後/「一人一殺」―神秘的暗殺/五・一五―テロかクーデターか/事件が遺したもの
 
第6講 満州事変後の政局と政党政治の終焉(小山俊樹)
戦前政党政治はなぜ終わったか/十月事件と「協力内閣運動」の発生/若槻・犬養両党首の変心/若槻内閣の倒壊と西園寺の決断/犬養毅内閣と満州事変の拡大/五・一五事件直後の政友会と西園寺の判断/昭和天皇の「希望」と政党政治の中断
 
第7講 帝人事件から国体明徴声明まで(菅谷幸浩)
二つの「中間内閣」/「非常時」をめぐって/帝人事件/岡田内閣の成立/天皇機関説事件の発生/天皇機関説事件の展開
 
第8講 厚生省設置と人口政策(牧野邦昭)
厚生省の設置/戦争と人口の「量と質」/内務省と近衛文麿による構想/「厚生」の由来/人口の「量」の維持へ/人口の量と質を維持するための総合的施策
 
第9講 日中戦争における和平工作―日本側から見た(戸部良一)
和平工作の特徴/船津工作とトラウトマン工作/高宗武工作と宇垣工作の交錯/宇垣工作の挫折/高宗武工作の変質/桐工作/松岡工作/繆斌工作/諜報機関の介在/和平工作の限界
 
第10講 日中戦争における和平工作―中国側から見た(岩谷將)
はじめに/近衛声明から武漢攻略戦へ/和知鷹二―肅振瀛交渉/蔣介石の対応/暫定的な「合意」/交渉打ち切りへ/和知鷹二―張李鸞交渉への動き/和平交渉の中国側最終案/和平交渉の終わり/松岡工作/おわりに
 
第11講 天津租界事件から日米通商航海条約廃棄通告へ(渡邉公太)
日中戦争の拡大と米国の対日制裁計画/天津租界封鎖事件の背景/第二次租界封鎖事件の発生/日英東京会談/米国の通商条約廃棄通告と日本の反応/日英現地交渉の破綻/日米新協定締結の試み
 
第12講 天皇指名制陸相の登場―昭和一四年における天皇・陸軍・新聞(筒井清忠)
阿部新首相決定/三長官会議による多田陸相の決定/関東軍の抵抗/東条派による多田陸相阻止活動/天皇の陸相指名/天皇が「陸軍と衝突するの虞」/天皇の陸相指名と陸軍の立場/多田駿陸相の可能性/小括
 
第13講 南部仏印進駐と関東軍特種演習―太平洋戦争への岐路(森山優)
南部仏印進駐は太平洋戦争への分岐点/混乱きわまる日本の意思決定状況/北部仏印進駐と仏印タイ国境紛争調停/海軍中堅層の強硬論「現情勢下ニ於テ帝国海軍ノ執ルベキ態度」と、その解釈/陸軍内部の「南進」熱の推移と対南方策の行き詰まり/独ソ開戦と「北進」論
/対日全面禁輸の謎
 
第14講 日米開戦と海軍(畑野勇)
はじめに/研究の出発点―野村実氏の研究成果/海軍政策における大臣と伏見宮の動向/海軍中堅層に対する客観的評価/解明が待たれる時代と領域は何か/おわりに
 
第15講 ゾルゲ事件(花田智之)
ゾルゲ事件とは/ドイツ共産党からソ連共産党へ/上海ゾルゲ諜報団/ゾルゲの対日諜報活動/ゾルゲはスターリンに信用されていたのか/ゾルゲ事件の顚末
 
第16講 大東亜会議の意味(武田知己)
大東亜会議の開催―戦時下の一大イベント/初日―代表演説と自主独立の熱情/最終日―大東亜共同宣言の採択/最終日―自由インド独立問題/大東亜会議の性格とは?/重光葵への着目/対支新政策の決定から大東亜会議へ/理想と限界のはざまで
 
第17講 大西洋憲章からポツダム宣言まで(楠綾子)
戦後国際秩序の形成、枢軸国の領土処理/普遍的国際機構による平和/通貨の安定と自由貿易/ソ連の対日参戦と日本の領土処理/ヤルタ会談/ポツダム宣言
 
第18講 原爆投下とソ連参戦(石井修)
一冊の本/使われるべき兵器としての原爆/米国の正統主義と修正主義/「日本の修正主義者」/ヤルタの極東密約/ソフトピース/迷走する日本外交とポツダム宣言/ソ連参戦
 
第19講 終戦から占領改革へ(福永文夫)
勝者と敗者が織りなす相互作用/敗戦と占領―占領した者/日本側の「自主的」改革―労働改革/農地改革―日本政府とGHQ/財閥解体―GHQのイニシアチブ/憲法改正/九条の発案者は誰か/日本国憲法の制定と民主化
 
第20講 昭和期における平準化の進展―戦前・戦中・戦後(沼尻正之)
第二次世界大戦と平準化/ドイツにおける研究の展開/日本における研究の展開①―三谷太一郎/日本における研究の展開②―筒井清忠の平準化論/日本における研究の展開③―山之内靖の総力戦論/日本における研究の展開④―その後の展開/おわりに
 
編・執筆者紹介