図書目録ヒゲキ ノ ハツドウキ ホマレ資料番号:000061852

悲劇の発動機「誉」

サブタイトル
草思社文庫 ま2-2 天才設計者・中川良一の苦闘
編著者名
前間 孝則 著
出版者
草思社
出版年月
2015年(平成27年)4月
大きさ(縦×横)cm
15×
ページ
570p
ISBN
9780000000000
NDC(分類)
538
請求記号
538/Ma27
保管場所
閉架一般
内容注記
参考文献:p557-570
昭和館デジタルアーカイブ
和書
目次

プロローグ 博物館の鉄の塊
 
第一章 奇跡のエンジン「誉」
構想から一年で試作第一号機が完成
「大東亜決戦機」が証明した高性能
敗戦を象徴する「悲劇のエンジン」
零戦設計者・堀越二郎からの批判
四面楚歌となった主任設計者
「誉」についていっさい語らず
東京帝大機械学科卒のエリート
「誉」問題の本質はどこにあるのか
語られることのなかった「誉」
 
第二章 中島知久平の旗揚げ
双璧を成した三菱と中島飛行機
異色のベンチャー経営者
中島飛行機製作所の誕生
経営危機を大胆に乗りきる
試作機はつぎつぎと失敗
モノづくりのセンスを欠いた経営者
「軍に食い込むしか道はない」
陸海軍のエンジン工場建設
帝国大学工学部の新卒者を重用
設計オールマイティーの思想
模倣からはじまったエンジン生産
米ライト社での実習
失敗つづきで低迷する三菱
軍の干渉を排除した三菱
三菱「瑞星」と中島飛行機「栄」の戦い
「もし零戦が金星エンジンだったなら」
 
第三章 試作から量産へ
二十四歳の主任設計者
厄介な異常燃焼問題
千馬力限界説を疑う
一晩で画期的エンジンを構想
太平洋戦争の運命を決するエンジン
未知の高回転領域へ
世界に例のない小型高出力
「一〇〇オクタン価燃料は供給できぬ」
もう五ミリ軸径を太くしていれば
量産になって熟練工も機械も不足
代用材で質より量を
「この程度でよい」の意識が蔓延
遅すぎた生産体制の立て直し
エンジン工場への空襲
 
第四章 「誉」エンジンの検証
主任設計者・中川の反論
「中島飛行機には根本的欠陥があった」
試験台の上だけの高性能
オクタン価への無関心が招いたトラブル
生産技術の現実を無視した設計
天才児ゆえの才子多病
テストパイロットから見た「誉」
帝大卒の設計者を過大評価
マネジメントの不在
営利企業としての体をなさず
職人気質から過度の小型化
 
第五章 欧米メーカーの開発体制
欧米主要メーカーの息の長い開発体制
空冷星形のモデルエンジン「ジュピター」
レンチュラーによるワスプ・シリーズの成功
サム・ヘロンとライト社の「サイクロン」
ロールス・ロイス社の「マーリン」
ロールス・ロイスと中島飛行機の違い
ピストンエンジンの芸術品
欧米有力メーカーと中島飛行機
小シリンダー選択の謎
御法度となった大シリンダー
多すぎた試作機
エンジン開発は試行錯誤の繰り返し
主導権は軍部にあった
「戦争に勝っても負けても中島飛行機は潰れる」
 
第六章 シリンダーとピストン、冷却の盲点
小手先の対症療法に終始
シリンダーとピストンの変形問題
放熱量把握の難しさ
一〇種類もあった中島飛行機のシリンダー内径
パワーアップの鍵を握る冷却
量産ができず鋳込みフィンを断念
中島飛行機初の〝物理屋〟
トラブル調査はあくまで受け身
日米の総動員体制の違い
 
第七章 航空技術廠内の「誉」批判
戦地で通用しない軟弱で繊細なエンジン
「誉」をなんとしても通せ
「誉」の運転は何倍も疲れる
「亡国のエンジン」
ライト社の中島か、P&W社の三菱か
「恨みや憎悪すら感じた」
 
第八章 悲劇を生んだ根本原因
責任を問われるべきは海軍
世界記録を上回るY計画
無計画な試作と改造の頻発
〝弁慶の七つ道具〟の計画要求
日米の開発思想の違い
海軍航空のエリート、和田廠長
日米開戦の見通しと「誉」の開発
生産現場の現実を知らず
先端技術の先頭が見えない
「アメリカよりおれのほうが考える」
日本は完全に敗戦してなくなる
六発の巨大爆撃機「富嶽」
壮大な構想と現実のギャップ
もし「誉」が米国で生産されていれば
芸術家の自由奔放な空想とは異なる
航空技術自立計画の勇み足
 
エピローグ 「欧米に追いつけ」の果てにあるもの
 
あとがき
文庫版あとがき
参考文献

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