図書スズキ カンタロウ000061711

鈴木貫太郎

サブタイトル1~10
用うるに玄黙より大なるはなし ミネルヴァ日本評伝選
編著者名
小堀 桂一郎 著
出版者
ミネルヴァ書房
出版年月
2016年(平成28年)11月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
451,9p
ISBN
9784623078424
NDC(分類)
289
請求記号
289/Su96
保管場所
閉架一般
内容注記
文献あり 年譜あり 索引あり
和書
目次

はしがき―本書の素材となった史料に就いて

第一章 少年時代
 1 出生と幼年時
  飛地代官だった父親 一家を挙げての状況 小学校時代 受けた教育
 2 前橋中学
  山陽の史論に触れる 海軍志望の抑々の動機
 3 近藤真琴塾
  近藤塾への入塾 一遍の受験で海兵合格

第二章 海軍兵学校
 1 兵学校生徒
  同期生達 優れた教官団
 2 少尉候補生
  「筑波」艦での練習航海 遠洋航海の成果
 3 任官・海軍大尉
  初期の江田島での後輩指導 山本権兵衛大佐との邂逅 撒桟事件の経験 水雷専攻を決める 済州島での経験 水雷艇長として

第三章 日清戦争従軍とその後
 1 旅順攻略戦への参加
  準備不足と上村彦之丞の親切 初陣での失敗と気楽な戦争見物
 2 威海衛襲撃
  港口の防材破壊作戦 統率の苦心と上村の教訓 氷結する水面 好意を見せた英国艦隊 鈴木の軽い悪戯 鬼貫太郎と上崎上等兵曹
 3 台湾行
  「海門」の使命 風土病との戦ひ

第四章 海軍大学・欧州留学時代
 1 海軍大学校
  不遇時には学問を 結婚
 2 軍務局課僚として
  多忙な兼務職 マカロフ戦術理論との対決 大演習での暴勇の面目
 3 ドイツ留学
  「丹波丸」での渡航 明治三十五年夏・ドイツ、イギリス巡遊 クルップ訪問 オーストリア、イタリア旅行 ハノーファー滞在 軍港視察の旅・ヴィルヘルムスハーフェン 海軍観象台 キール軍港視察 クロンスタット軍港訪問 承認序列問題の憤懣

第五章 日露戦争での活躍
 1 「春日」回航の大任
  突然の帰国命令 軍艦買取り、回航の仕事 或るイギリス人社員の侠気 開戦迫る 天皇に拝謁 緒戦と「吉野」衝突の悲劇
 2 黄海開戦
  主力艦同士の対決 鈴木の平常心 水雷戦についての反省 ドイツ海軍との折衝
 3 日本海海戦
  猛訓練開始 自信をつけた鈴木中佐 海戦前夜の難問 いよいよ艦隊決戦の場に 鈴木の「送り狼」役 夜襲で残敵掃蕩 激戦の一夜が明けて 瓜生中将の祝盃

第六章 海上勤務・艦隊司令時代
 1 艦長として受けた試練
  海・陸大での兵学研究 再び海上へ 第三艦隊での南航
 2 濠州行
  マニラからシドニーまで タスマニア島からメルボルンへ 濠州西南部廻航
 3 教育面での貢献
  座学より実践を重視 「奉公十則」とその実証 家庭の不幸と訓練の充実

第七章 軍政面での奉公
 1 人事局長・海軍次官
  舞鶴から霞ヶ関へ 八代・秋山・鈴木の人脈 臨時議会開催の成功
 2 欧州大戦
  臨時軍事費による駆逐艦群の急造 独断専行の実際
 3 シーメンス事件の処理
  山本、齋藤両提督の予備役編入 事件の結末
 4 次官としてのその後
  海軍治罪法改正と鉄道会議 八八艦隊実現に向けて 欧州大戦・連合国側への協力 再婚・京都での御大典 叙勲の話 父の死

第八章 艦隊勤務への復帰・遠洋航海
 1 練習艦隊での米国行
  三十年ぶり太平洋横断 サンフランシスコでの講和の大成功 ロスアンジェルスの日本人会で サンディエゴでの見聞 パナマでの大歓迎 ハワイにて カロリン群島にて 大演習・大西瀧治郎大尉救出
 2 海軍兵学校長
  江田島での充実した日々 武士道教育の成果の一例 鈴木の海兵教育の骨髄 「海軍兵学校校長訓示録」
 3 北海行
  ワシントン会議前夜の日本海軍 シベリア出兵の最終段階を見る 摂政宮殿下への供奉
 4 呉鎮守府長官
  海軍大臣就任辞退 関東大震災に際して 排日移民法の成立

第九章 最高の顕職へ
 1 連合艦隊司令長官
  戦艦「長門」坐乗 青島・廈門周航 間一髪で大事故に 台風の中を突き抜けた第一艦隊 大正十三年秋の大演習 「安芸」撃沈処分と主砲斉射実験
 2 海軍軍令部長
  河田烈との折衝 大正から昭和へ 第一次山東出兵問題 海軍特別大演習 凶変済南事件

第十章 予備役編入・侍従長時代
 1 侍従長の地位・職分
  侍従長に就任 張作霖爆死事件の善後策
 2 相次ぐ政治・外交上の難題
  ロンドン軍縮会議と條約 「統帥権干犯」の妄論 柳條湖事件の突発 越境将軍の軍紀違反 特別大演習からの帰航途上 犬養毅内閣への御期待 凶変度重なる昭和七年 第一次上海事変 五月十五日の凶事
 3 遭難
  事件の予兆と見られる蠢動 「天皇機関説」事件の波紋 遭難の現場 奏功した救命活動 恢復と敍爵

第十一章 終戦工作の大業
 1 大明降下
  戦争の末期的様相 小磯内閣の不要な退場 重臣達鈴木に望を嘱す 鈴木登場への国際的好感 米国大統領への追悼の談話
 2 和平への暗号発信
  陸海軍統合問題の無期延期 ドイツの無條件幸福・前車の轍 国力の現状調査と戦局 暗号発信の秘策を肚裡に 暗号発信の現場の状況 暗号通信の受信者側
 3 ポツダム宣言受信
  無責任体制の実情 洞窟の壁に面してゐた人々 首脳会談に向ふアメリカ代表団の面々 「共同」の性格は稀薄なポ宣言 宣言内容の検討 朝日新聞の勇み足「黙殺」 原爆投下までの失はれた十日間
 4 聖断奉戴
  原子爆弾二発の衝撃 聖旨拝承の瞬間 受諾文発信の後 バーンズ回答の到着 「玄黙」の貫徹 再度の聖断 八月十五日当日の事

第十二章 晩年と終焉
 1 最後の御奉公
  再び枢密院議長に 枢密院の新憲法法案審議
 2 極東国際軍事裁判への関与
  清瀬一郎の来訪 的確無比の証言
 3 静穏な永眠
  対ソ和平交渉の思ひ出 長閑な晩年の日々 発病・自撰の法名 臨終・葬儀・没後

主要参考文献
あとがき
鈴木貫太郎略年譜
人名・事項索引