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教養としての「昭和史」集中講義

サブタイトル1~10
教科書では語られていない現代への教訓 SB新書 ; 369
編著者名
井上 寿一 著
出版者
SBクリエイティブ
出版年月
2016年(平成28年)11月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
239p
ISBN
9784797388398
NDC(分類)
210.7
請求記号
210.7/I57
保管場所
閉架一般
内容注記
和書
目次

はじめに 昭和史を「教養」として読み直す

第1章 昭和初期の人たちは、案外いまの私たちと似た状況にあった
 昭和はいかにして始まったのか
 経済停滞のなかで進んだ都市化と大衆化
 「憲政の常道」の定着まで~政党政治の台頭と普通選挙
 治安維持法は「悪法」ではなかった!?
 「協調的な幣原外交」と「強硬な田中外交」という誤解
 現代とほぼ変わらない「二大政党制の病理現象」
 軍縮条約で築かれた、知られざる日英米の信頼関係
 日本の民主化の過程でひとつの頂点を築いた濱口雄幸
 民政党の緊縮財政に対して、積極財政で挑んだ政友会

第2章 満州事変はなぜ後戻りできなくなったのか
 軍事戦略上の危機意識と焦りが「満州事変」の引き金に
 軍縮というトレンドに関東軍は危機感を抱いた
 「満蒙は日本の生命線」に秘められた真意
 満州事変「不拡大方針」をとったのになぜ拡大したのか
 関東軍を抑えるための「協力内閣構想」はなぜ潰えたか
 満州事変よりも経済政策を優先させた政友会
 「外からのクーデター」が五・一五事件という「内からのクーデター」につながった
 植民地支配を目論んだ関東軍にとっては不本意だった「満州国」
 二大政党はなぜ揃って満州国を承認してしまったのか
 五・一五事件―軍人のほうが国のために尽くしてくれるのではないか
 政党内閣復活を国民は望んでいたが、なぜそれは実現されなかったか
 天皇機関説問題を政治利用した政友会

第3章 復活の兆しがあった政党内閣と日中戦争の泥沼化
 政党内閣ではないけれども、軍部内閣でもない
 リットン調査団の報告書はじつは日本に譲歩していた
 国際連盟脱退が「発効」されるのは2年後だった
 チェコスロバキアが仲介のキーを握っていた
 日本政府と松岡、国際連盟脱退は避けたいと動いていたが
 「熱河作戦」による経済制裁発動を恐れ、国際連盟脱退へ傾く
 松岡「堂々退場」の裏側
 政党内閣復活を準備していた岡田啓介内閣
 二・二六事件の6日前に行われた総選挙からわかること
 好景気のもと、二・二六事件は大衆の指示を得られなかった
 国民世論を頼りにした近衛内閣の誕生
 偶発的に起き、停戦協定も結ばれたはずの盧溝橋事件だが
 ずるずると拡大していく日中戦争の真相
 ドイツを仲介とした日中の和平工作がまとまらなかった理由
 アメリカの中立法を意識していた日中両国
 汪兆銘をたてた傀儡政権に和平を託すが
 同床異夢の「日独伊三国同盟」に日本は引きずられていった
 アジアに関心は薄く、ヨーロッパ戦線に介入しようとしていたアメリカ

第4章 避けることのできた日米開戦
 「ルーズベルトが真珠湾攻撃を知っていた」はあり得ない
 日本にとって都合が悪いときに出てくる「アメリカ陰謀論」
 「ファシズム対民主主義の戦い」という単純な構図ではない
 「ABCD包囲陣」は軍部の考えた国民向けのプロパガンダだった
 ドイツの快進撃に便乗するため戦争を続けた日本
 「いざというときに戦えない海軍など不要である」という陸軍からの突き上げ
 陸軍と海軍の一致団結を阻んだ組織利益の対立
 太平洋戦争正当化のロジックは徐々に抽象的で曖昧に
 「大東亜会議」はじつは敗戦準備の一端だった
 戦争を終わらせることの難しさ
 終戦を導いたものは何なのか

第5章 現代の日本の枠組みをつくった戦後という時代
 「第二次世界大戦後=終戦」という考え方は日本だけ?
 あまり知られていない、対日理事会と極東委員会の力学
 日本を自陣営に引き入れるために選択された「間接統治」
 日本の「保守」と「革新」がねじれている理由
 矛盾を抱えた、日本のサイレントマジョリティー
 『シン・ゴジラ』が示す日本の新たな道筋
 「片面」講和でも大多数の国民が「主権の回復」を希望した
 戦争中から進んでいた地主と小作農民の格差縮小
 戦時中から芽生えていた「労働者保護」の意識
 心の中にある「戦争があったから民主化が進んだ」という意識
 アメリカの再軍備要求に抵抗し続けた昭和の大宰相・吉田茂
 自主外交をしていくべき時代になっている

あとがき