戦争孤児と戦後児童保護の歴史
はじめに
第一章 戦争孤児と「浮浪児」
第一節 国と東京都における戦争孤児・「浮浪児」対策
1 学童疎開と戦争孤児の発生
2 「孤児」から「国児」へ
3 「国児」から再び「孤児」へ
4 東京都による「一斉収容」・「狩込」の開始
5 応急的な収容保護所の設置
6 「一斉収容」・「狩込」の改善の実態
第二節 実態調査と地方福祉委員会審議
1 収容児童に対する実態調査
2 地方福祉委員会での審議
3 施設整備に対する内部批判
4 「緊急根絶」対策の内実
第三節 「戦災孤児」・「浮浪児対策」と帝国議会
1 衆議院議員・布利秋の訴え
2 参議院議員による視察報告
第二章 東水園の歴史
第一節 創設された警察署直轄の都立施設
1 先行研究
2 進駐軍召集による打合会
3 水上警察署の二つの『年史』
4 初代園長・高乗釋得
5 港区広報
6 警察署付設の施設開所日
7 元収容児童の証言
8 目黒若葉寮への集団移送
9 処遇体制と処遇の実態
10 幻の民生局直営構想
11 報道人や文化人による取材
12 「恰好の題材」に
第二節 民間団体による管理・運営へ
1 児童福祉法の公布・施行を目前にして
2 東京都に対する港区議会の陳情
3 第一台場への移転と戦災者救援会深川寮への委嘱日をめぐって
4 途絶えることのない報道人・文化人の訪問
5 「収容児童」の生活実態
6 港区役所職員の慰問
7 童話作家による探訪記事
8 「脱走」による児童の溺死事件
9 開園式
10 学校教育の導入
11 唐突な施設閉鎖の決断とその理由
12 「分散収容」をめぐって
13 閉鎖直前の逸話
第三節 解明すべき課題
1 民生局と警視庁の果たした役割
2 進駐軍は何を見ていたのか
3 港区の関わり
4 養護施設としての認可問題
5 児童相談所と児童福祉司はどう動いていたのか
6 施設処遇の実態
7 委嘱先の戦災者救援会深川寮の実態
8 閉鎖=廃止をどう評価すべきか
第三章 武蔵寮の歴史
第一節 武蔵寮の創設に関わった団体の歴史とその関係
1 資料の在り処を求めて
2 財団法人徳風会と武蔵野会をめぐる運営主体の関係
第二節 武蔵農園の操業から武蔵寮の創設
1 八丈島農場計画と当初における実績
2 保田義男と創業の動機
3 武蔵農園
4 武蔵寮の創業と内部事情
5 東京都民生局と八丈島警察署の支援
6 東京出張所に対する機構整備の通達
7 本部の撤退と東京支部の分離独立へ
第三節 崩壊に至る道
1 地元民を困惑させる問題行動
2 社説による追及
3 寮長の交替
4 放火による施設全焼
5 全員引揚げによる閉鎖
6 当時の武蔵寮を知る島民の証言
第四節 評価と課題
1 教訓化されなかった小笠原島の府立感化院の失敗
2 解明すべき課題
あとがき