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「大東亜共栄圏」の形成過程とその構造

サブタイトル1~10
陸軍の占領地軍政と軍事作戦の葛藤
編著者名
野村 佳正 著
出版者
錦正社
出版年月
2016年(平成28年)9月
大きさ(縦×横)cm
22×
ページ
338p
ISBN
9784764603448
NDC(分類)
391.4
請求記号
391.4/N95
保管場所
閉架一般
内容注記
文献あり 索引あり
和書
目次

序章 「大東亜共栄圏」という曖昧さ
 一 軍指示研究からの疑問―本書の課題と背景―
 二 占領地軍政とは何か
 三 本研究の目的と分析手法
 四 考察する地域と焦点
 五 活用した主な史料について
 六 本書の構成
 七 「先の大戦」の名称について
 註
 
第一章 日本陸軍占領地軍政の史的展開―明治建軍から日中戦争まで―
 はじめに
 一 占領地軍政の受容
 二 第一次世界大戦と総力戦
 三 違法戦争観と「満洲占領地行政の研究」
 四 満州事変と政軍対立
 五 日中戦争と省部対立
 おわりに
 註

第二章 「大東亜戦争」改選期における「大東亜共栄圏」―戦争目的、作戦計画そして占領政策―
 問題の所在と背景
 一 作戦開始時における中央の構想
  (一)「大東亜戦争」に関する目的論争
  (二)「対米英蘭蔣戦争終末促進ニ関スル腹案」と「南方作戦計画」及び占領地軍政構想
  (三)東京中央の混乱
 二 現地軍の行動
  (一)フィリピン
   (ア)開戦期におけるフィリピンに対する中央の構想
   (イ)「比島侵攻作戦」構想と問題点
   (ウ)第十四軍のマニラ港攻略優先
   (エ)陸軍の対フィリピン認識
   (オ)第十四軍司令部の状況判断
   (カ)対米離反戦略の破綻
  (二)ビルマ
   (ア)開戦期における中央の構想とビルマに対する政戦略
  (イ)「ビルマ工作」とその進展
  (ウ)ビルマ処理と「ビルマ独立工作」
  (エ)「ビルマ侵攻作戦」への大本営の態度
  (オ)「第一次杉山上奏」と「第一次東条声明」
 (三)フィリピン軍政がビルマの軍事作戦に及ぼした影響
 まとめ
 註

第三章 「今後採ルベキ戦争指導ノ大綱」(第一次)と「南方占領地建設方針」―作戦構想と占領政策の収斂―
 問題の所在と背景
 一 「一次大綱」と「南方占領地建設方針」
  (一)「検討一五項目」と「一次大綱」
  (二)大東亜建設審議会、国策研究会と「南方占領地建設方針」
 二 現地軍の反応
  (一)南方総軍司令部の反応
   (ア)作戦指導
   (イ)軍政指導
   (ウ)「一次大綱」発出以降の作戦と軍政の相互作用
  (二)ビルマ
   (ア)ラングーン攻略と早期独立論の後退
   (イ)ビルマ全土の占領と第十五軍軍政機関並びにBIA
   (ウ)第十五軍軍政と中央行政府
   (エ)第十五軍軍政の性格
  (三)フィリピン
   (ア)「第一次バターン作戦」後における第十四軍司令部の苦悩
   (イ)オリガークスの動揺と「第二次バターン作戦」
   (ウ)第十四軍軍政の性格
  (四)現地軍から見た占領地軍政と軍事作戦
 三 軍政の新党と大東亜省設置
  (一)省部間の軍政分担問題
  (二)「南方占領地統治要綱」と軍政会議
  (三)大東亜省設置の狙いとその波紋
 まとめ
 註

第四章 「今後採ルベキ戦争指導ノ大綱」(第二次)と「大東亜共栄圏」の成立―政治・経済・軍事の鼎立―
 はじめに
 一 戦略環境の悪化と占領地軍政
  (一)連合軍の再建と戦略環境の悪化
  (二)占領地の状況
   (ア)ビルマの経済混乱
   (イ)フィリピンの独立志向と軍政の浸透
   (ウ)ビルマとフィリピンの相違点
 二 「二次大綱等」の策定と「大東亜共栄圏」の成立
  (一)東条首相の占領地視察とその影響
  (二)「政略大綱」による政治的「大東亜共栄圏」の成立
  (三)「二次大綱」による戦略的「大東亜共栄圏」の成立
  (四)軍需省設立による経済的「大東亜共栄圏」の成立
  (五)政治・経済・戦略鼎立と「大東亜会議」
 三 「二次大綱等」と占領地の独立
  (一)フィリピン独立と「中南比討伐作戦」
   (ア)軍政の動揺とフィリピン独立
   (イ)「絶対国防圏」構想と「中南部比島討伐作戦」
  (二)ビルマ独立と「インパール作戦」
   (ア)ビルマ独立許容とビルマ方面軍の新設
   (イ)独立ビルマとビルマ方面軍
   (ウ)「日緬同盟」と「ビルマ防衛作戦」
   (エ)政戦略から見た「インパール作戦」
  (三)フィリピンとビルマ
 まとめ
 註

第五章 「対東亜共栄圏」崩壊と「今後採ルベキ戦争指導ノ大綱」(第三次)―フィリピン・ビルマ決戦と鼎立構造の崩壊―
 問題の所在と背景
 一 「三次大綱」策定辞典(一九四四年八月十九日)までの現地軍の混乱
  (一)陸軍兵力の中部太平洋への推進と「一号作戦」
  (二)ビルマ正面
  (三)フィリピン
  (四)現地軍混乱の理由
 二 「三次大綱」の策定と戦争指導機構の変容
  (一)小磯内閣成立と鼎立的「大東亜共栄圏」の再編
  (二)「三次大綱」と「陸海軍爾後ノ作戦指導大綱」
  (三)「三次大綱」における「戦略方策」と戦争目的
  (四)「三次大綱」における大東亜政策
  (五)「三次大綱」の決定過程と参謀本部の変容
 三 参謀本部の作戦指導と現地軍の苦悩
  (一)ビルマ
  (二)フィリピン
 四 作戦準備と対日協力政府・関係当事者
  (一)ビルマ
  (二)フィリピン
 五 作戦の破綻と対日協力政府
  (一)ビルマ
  (二)フィリピン
  (三)作戦の破綻が大東亜政策に及ぼした影響
 まとめ
 註

終章 東条英機の戦争指導と「大東亜共栄圏」
 一 「大東亜戦争」以前における占領地軍政の役割の拡大
 二 政・軍(省部)による「大東亜共栄圏建設」の意義の変化
 三 現地軍の対応と対日協力政府
 四 東条首相のリーダーシップ
 まとめ

参考文献一覧
 一 邦文
 二 英語史料

あとがき

索引
 人名索引
 事項索引