図書目録コエ ノ コクミン コッカ ニホン資料番号:000061565

「声」の国民国家・日本

サブタイトル
NHK ブックス 900
編著者名
兵藤 裕己 著
出版者
日本放送出版協会
出版年月
2000年(平成12年)11月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
254p
ISBN
9784140000000
NDC(分類)
779
請求記号
779/H99
保管場所
地下書庫和図書
内容注記
参考文献:p244-251
昭和館デジタルアーカイブ
和書
目次

序章 声と日本近代
一九三〇年代の浪花節/柳田民俗学/桃中軒雲右衛門/声の共同体(ユニゾン)/もうひとつの近代文学史
 
第一章 貧民窟の芸人
桃中軒雲右衛門と新網芸人/浪花節組合の発生/明治の三大貧民窟/膨張する貧民窟/賤民芸能者・願人坊主/浪花節の母胎・チョボクレ/チョボクレ・チョンガレの伝播/七色節・五色節という新名称/流行するヤンレー節と踊り口説/「難波ぶし」から浪花節へ
 
第二章 演説・大道芸・浪花節
「下等」の演芸/自由民権運動と演説/祭文の流行/デロレン祭文の歴史/江戸祭文から上州祭文へ/デロレン祭文の全国伝播/ヒラキの大道芸/ヒラキの閉鎖/祭文から浪花節への転向/声が創る心性の共同体
 
第三章 声の伝播、物語の流通
日本人ならだれでも知っている物語/日本社会の言語的アイデンティティ/柳田民俗学のバイアス/都市的な大衆芸能/祭文の出し物/語りの技術/明治一〇年代の講釈番付/何が語られたのか/講談・落語との衝突/国権論と浪花節
 
第四章 講談速記本から浪花節へ
講談から浪花節へ/講談の源流―太平記読みの系譜/乞胸の大道芸/やくざの原型/大道講釈と浪花節/読み物と講談―赤穂義士伝の登場/講談速記本の流行/講談の退潮と浪花節の台頭/浪花節の「好感化」/社会主義者と右翼浪人/労働者と浪花節
 
第五章 「家族(ファミリー)」のモラルと法制度
左翼思想への「防塞」/仇討物の流行/仇討と孝のモラル/仇討物の基本構造/親分子分という組織原理/法制度という悪役/制度外のファミリーと無宿渡世/祭文語りの「家」/座頭の「家」/当道盲人の「家」/瞽女の「家」/ファミリーとしての貧民窟/やくざ・芸人・国民
 
第六章 物語としての国民
シマという共同体/芸人のモラル/やくざのモラル/モラルが生む「国民」/隠蔽された天皇/国民国家のモラル/崩壊する家族秩序/自然主義文学と「家」/都市の不安定な大衆/自由恋愛とアナーキズム/桃中軒雲右衛門の出自
 
第七章 桃中軒雲右衛門の声
テロルとモラル/大衆をからめとる浪花節/浪花節芸人としての宮崎滔天/俠と狂のあいだ/日露戦争の熱気のなかで/こころざし世にならびなき雲右衛門/東京を席巻する雲右衛門/赤穂義士伝をどこでおぼえたか/「南部坂雪の別れ」/雲右衛門節の特徴/雲右衛門の声
/声、母なるもの/近代の国民叙事詩の誕生
 
第八章 日本近代の解体
国民国家のアポリア/戦争と浪花節/自然主義と社会主義/大逆事件への道/夏目漱石と桃中軒雲右衛門/浪花節=庶民芸術論/昭和の浪花節ブーム/NHKの全国ラジオ調査/ラジオ放送とファシズム/社会主義と社会ファシスト/近代国家の解体/日本「近代」の帰結
/おわりに―ポスト近代の国民
 
参考文献
あとがき

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