図書オキナワセン ト ココロ ノ キズ000061262

沖縄戦と心の傷

サブタイトル1~10
トラウマ診療の現場から
編著者名
蟻塚 亮二 著者
出版者
大月書店
出版年月
2016年(平成28年)6月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
266p
ISBN
9784272360819
NDC(分類)
493
請求記号
493/A77
保管場所
地下書庫和図書
内容注記
和書
目次

序章 脳のなかの戦争記憶は風化しない
戦争の記憶を風化させるもの
沖縄戦による晩発性PTSD
沖縄戦の加害者としてのヤマト
私のトラウマ論
 
1章 私と戦争
戦争と貧困と病気
沖縄「返還」闘争と私
琉球処分と島の戦争
福井空襲のトラウマが原因で死んだ母
心理的剖検―死者たちとの対話
現代の司法精神鑑定から見た「集団自決」
 
2章 トラウマ私論
なぜ沖縄戦のトラウマは注目されなかったのか?
トラウマ反応は身体的過程である
トラウマ記憶のもたらす「雪だるま効果」
トラウマが将来の発達を阻害―発達性トラウマ障害
児童期の虐待による「第四の発達障害」
沖縄戦のトラウマを語ることは政治的か?
戦争トラウマから見た「戦後復興」と「平和日本」
日本社会の集団主義とトラウマの今後
戦争トラウマからの逃避と親子カプセル
社会的政治的な文脈を意識すること
トラウマ反応とPTSD
トラウマ反応とは何か
記憶の時系列上の混乱
心のケアの最終目標は生活再建
記憶の再体験と解離
過覚醒刺激
アタッチメント・トラウマ・解離パラダイム
トラウマを乗り越える勇気
心理的閉鎖空間や花火が怖い―トラウマ反応やパニック障害
外傷性認知―とくに若者のうつ病の場合
夜に嘔吐を繰り返す女性
医学に政治判断をもちこんだDSM診断
PTSDの発症遅延という考え方は、認定の切り捨て
戦争や災害ストレスによる知覚の変容
夜の闇の暗さや寒さもトラウマ記憶を呼び起こす
トラウマやPTSDという言葉の濫用
トラウマ反応はそれ自体独立したメカニズム
外傷性精神障害とされる疾患
外傷性精神障害について私の臨床体験
個別性を評価できない操作的診断
加害者の痛みと被害者の痛みとは質が違う―PTSD概念
トラウマ反応の診断と治療の紹介
 
3章 沖縄戦がもたらした社会と時代への影響
「癒しの島」に見る戦争の影
基地被害に苦しむ沖縄
なぜ普天間基地は人口密集地にある?
日米地位協定こそが重大問題
沖縄戦の終結―女性たちにとっての新たな戦争の始まり
沖縄海兵隊の異常さ
孤児のレジリアンス
沖縄戦後18年たって少年非行の爆発
孤児たちの悲惨
新聞に見る事件の暴力性と基地被害
トラウマ克服への勇気―沖縄からの勇気ある発信
米軍の40年前の青写真の実現―普天間の辺野古への移設
辺野古軍事要塞建設―復帰した意味がなくなる
 
4章 「奇妙な不眠」からアウシュビッツの訪問まで
県民意識と沖縄戦
首里教会からはじまった
自分を責めてこられた沖縄戦体験者
「集団自決」における感覚遮断
トラウマ反応による過覚醒型不眠の薬物治療
島はいつも本土の犠牲になる
国は戦地で死んだ者の面倒をみない
生活の場が戦場となることの精神医学的な意味
根こそぎ喪失状況
日本軍による人格の破壊とトラウマ
沖縄戦による精神疾患の多発
60年以上も過ぎてから表面化する理由
沖縄戦の被害規模の大きさとホロコースト
アウシュビッツへの旅
 
5章 沖縄戦のトラウマによるストレス症候群
沖縄戦による精神的被害の分類
晩年発症のトラウマ型不眠
悲惨なストレスを体験した年齢とトラウマ反応
命日反応型うつ状態
匂いの記憶と身体化障害の女性
トラウマ診断に無頓着な日本の精神科医
トラウマ反応をもつ人たちは生き延びた勝利者
スベトラーナ・アレクシェービッチ
30代からのパニック発作―「弱虫母さん」
戦争記憶の世代間伝達
戦争トラウマによる持続的人格変化
認知症に現れる戦争記憶
トラウマ反応としての知覚の変容
アジアの戦争トラウマ
統合失調症発病増大の可能性
戦後初の沖縄戦トラウマ調査
精神科医の眼から見た沖縄戦
 
あとがき