越境と連動の日系移民教育史
はしがき(根川幸男)
近現代日本人の海外体験と日系移植民史の時期区分─「連動史」を描くために(根川幸男)
第I部 近代日本人の越境教育と教科書
「帝国臣民」と「日系市民」の狭間で─『米國加州教育局検定 日本語讀本』の編纂と内容分析(森本豊富)
ブラジル『日本語読本 教授参考書』の児童用歌曲(伊志嶺安博)
「渡航案内」にみる英語学習・異文化学習─移住者のための水先案内書(東悦子)
国定教科書にみる移植民表象─北南米と満洲の連動に着目して(石川肇)
戦前期南カリフォルニア地域の「二世教育」─南加中央日本人会と南カリフォルニア大学東洋科を中心に(松盛美紀子)
北米日本人移民キリスト教会の越境教育活動と満洲(吉田亮)
多文化カナダの「架け橋」たち─カナダにおける日本語学習者の変遷(野呂博子)
第II部 移民・越境者の文化・芸術・身体
文化使節と同胞慰問─ブラジルの藤原義江一人二役(細川周平)
二世歌手の音楽歴─ハワイ松竹楽団のチヨコ・イダを中心に(中原ゆかり)
沖縄・日本本土・ブラジルを越境・還流する沖縄音楽レコード(高橋美樹)
衣と身体技法からみるブラジル移民─下着としゃがむことを中心に(西村大志)
戦前期ブラジルにおける武道と教育(小林ルイス)
越境するスポーツと移民子弟教育─太平洋戦争直前期ブラジルにおける日系少年野球を事例に(根川幸男)
第III部 越境する人的資源の活用と政治経済的連動
ブラジル外国移民二分制限法前後の日系子弟教育─「日主伯従」に傾いた経緯について(飯窪秀樹)
戦間期ブラジルの独裁政権とナショナリズムの高揚(住田育法)
旧南洋群島民間人収容所における教育と軍政初期の沖縄教育─主にテニアン島チューロ収容所の事例を手がかりに(小林茂子)
移民的徳の誕生─一九五〇~六〇年代の海外移民政策と政治的主体としてのブラジル日系人の形成(佐々木剛二)
移住・引揚・国内定住地としての福島と原子力発電所─地元エリート・県人会移民ネットワークを中心に(浅野豊美)
一九三〇年代の福島県に在留した日系二世(坂口満宏)
資料 移民関係事務担当局課の変遷─戦前期外務省機構図(柳下宙子)
あとがき─身体と建築(井上章一)
索引