密室の戦争

まえがき
はじめに　耳をすませる
　
第1章　密室からの呼び声
この声は誰なのか
声の主たちを探して
イナガキリイチのおもかげ
聞こえ始めた声〈稲垣利一の音源①〉
　
第2章　狙われた海軍エリート士官
無謀な作戦、地獄の戦場
一九四三年四月一六日、尋問のはじまり〈稲垣利一の音源②〉
「自分は三回死んでいる」
一九四三年一〇月一二日、連合軍への協力〈稲垣利一の音源③〉
　
第3章　緻密を極めた連合軍の捕虜戦略
尋問官は誰か
ブリスベンへの旅
残っていた尋問室
捕虜の情報がもたらした戦果
「尋問マニュアル」
尋問官に会う
戦闘から占領へ
　
第4章　何でもしゃべる男
脅迫された軍属〈湯目國夫の音源①〉
罵倒に満ちた尋問リポート
漏れていった軍事機密〈湯目國夫の音源②〉
他人事な態度
故郷を去っていった男
暴かれた秘密
　
第5章　「命令」が兵士にもたらしたもの
語られなかった戦場体験
日本軍の戦法〈尾方駒三郎の音源①〉
愛された男の故郷
兵士と命令〈尾方駒三郎の音源②〉
戦争と個人
　
第6章　ついに帰らなかった水兵
熾烈な追及の行方
跡絶えの実家跡
ひとり背負わされた「罪」
　
第7章　日本兵への呼びかけ
自決への誘惑〈稲垣利一の音源④〉
密室の攻防〈稲垣利一の音源⑤〉
決断〈稲垣利一の音源⑥〉
ジョージ・イナガキの足跡
稲垣利一の戦後
　
おわりに　繰り返さないために
稲垣の懸念と〝日本人〟
戦争とひとりひとりの行い
　
あとがき