兵士のアイドル
- サブタイトル
- 幻の慰問雑誌に見るもうひとつの戦争
- 編著者名
- 押田 信子 著
- 出版者
- 旬報社
- 出版年月
- 2016年(平成28年)6月
- 大きさ(縦×横)cm
- 19×
- ページ
- 16,383p
- ISBN
- 9784845114665
- NDC(分類)
- 051.6
- 請求記号
- 051/O76
- 保管場所
- 開架一般
- 内容注記
- 昭和館デジタルアーカイブ
はじめに
第1章 元祖アイドルと幻の慰問雑誌
ムーラン・ルージュの可憐なセンター・明日待子と兵士ファンたち
子役からセンターに躍り出る
学徒出陣の前に「まっちゃん」に逢いたい
戦地慰問で託された手紙
戦場でアイドルと出会うメディア空間
創刊号が作られた時代
実は裏をかかれた徐州作戦
戦況によって変化するアイドルグラビア
創刊号を彩る美しきアイドルたち
ブロマイド人気ナンバー1・桑野通子
"街は平和"を力説する田中絹代
幻のダンサー・若山博子
皇国女子宣言・霧立のぼる
国民的歌謡『東京音頭』の小唄勝太郎
特攻隊員のマドンナ・高峰三枝子
"あなたからのお手紙を待ってます"・山路ふみ子
永遠の処女が真心込めて作る慰問袋・原節子
誌上慰問団の面々・新橋小文、槇扶佐子、市川春代
ブームの慰問に乗り遅れまいとするアイドルたち・飯塚敏子、市丸
"女の分に応じた勤めを"・入江たか子
アイドル再び、ゴシップ満載ページ
アイドルの名と人気で選ばれていた「映画物語」
天下の悪法、映画法成立
二色ページは銃後アイドルを戯画化
兵士人気が高い舞妓の作る慰問袋
再び、小野佐世男の描く女性ワールド
国内に比べて表現には緩い措置
「漢口広東陥落記念号」の中のアイドルたち
日中の懸け橋としての女優活用
聖戦の正当化、五族協和の美神・李香蘭
李香蘭、『陣中倶樂部』ではカタカナマジリの慰問文
アイドルは恤兵係の看板娘
どこまでも攻め、どこまでも勝ってくださいね
ブロマイドを求める声・声・声
第2章 慰問雑誌発行の背景
軍部の慰問戦略
恤兵部とは何か?
恤兵部の誕生
戦争の推移と恤兵金・慰問袋
低下する恤兵熱
漫画家による恤兵ルポ
太平洋戦争と恤兵
ロッパと夢声の反応
『陣中倶樂部』最終号の恤兵記事
慰問雑誌というメディア 軍部が発行した慰問雑誌
慰問雑誌『恤兵』の創刊号と「五日會」
『恤兵』創刊号にアイドルの姿
『恤兵』のその後
「恤兵部便り」の持つ意味
『恤兵』の中の女性像
『陣中倶樂部』、大日本雄辨會講談社に編集委託される
『陣中倶樂部』創刊号の誌面
『陣中倶樂部』のアイドルたち
創刊のもう一つの背景・興亜日本社
陰の仕掛け人・菊池寛
第3章 新体制運動とアイドル像の変容
「皇紀二千六百年記念号」は大女優一人
主役は街の、村の、美形へとシフトチェンジ
人々は生活刷新に期待をかけた
グラビアは南方進出
ほほ笑むだけのアイドルから新体制を語るアイドルへ
若い娘が新体制生活を語る座談会
浮いた会話を追放する花柳界
自粛が委縮になってはつまらない
銃後をフォローするために『銃後讀物』発行
『戦線文庫』と『銃後讀物』の誌面上の相違点
軍人に愛されたアイドル作家の死
軍服の一団
心血を注いだ慰問文集の制作
海軍のアイドルか、オピニオンリーダーか
天下の美人
女性の公器『女人藝術』
創刊から廃刊までの顛末
新聞ジャーナリズムの偏見に屈せず
全女性の表示板『輝ク』
一九三三年という時代
戦争が反映されない誌面
「皇軍慰問号」における時雨の立ち位置
岡本かの子が述べた祈祷の言葉
「皇軍慰問号」への反響
休刊の後の翼賛
「輝ク部隊」結成
婦人団体との連携
文化人の特権を生かした慰問活動
漢口陥落と時雨、芙美子
女だけの文筆慰問
慰問文集誌面概要
幻になった陸軍慰問文集第二弾
座談会に登場したアイドル軍団
突然話題の人へ
慰問文集と慰問団に歓喜する兵士
時雨のラストステージ
絶頂の最中の死
太鼓を鳴らして、笛を吹き
アイドル時雨と野間、菊池の戦後
第4章 戦場に飛び出したアイドルたち
誰でも、戦地慰問に行けた
慰問の実態はどうなっていたのだろう?
慰問に男性はいらない、女性を寄越してくれ!
中国の兵士の胸にもブロマイドが?
黄門様月形龍之介と日活のアイドルたち・慰問座談会①
女性は戒心すべきとき
匪賊の襲撃にあった芸能界の重鎮たち・慰問座談会②
銃弾に倒れた慰問の犠牲者
失敗談も終われば笑い話に
抱腹絶倒、戦線を爆笑させた話・慰問座談会③
遺骨を前に泣きながら歌う
慰問で困ったこと
男性アイドルナンバー1・長谷川一夫の慰問談
山田五十鈴が体験した慰問の真実
宝塚少女歌劇団の慰問ステージ
暗黒の時代の宝塚
宝塚にはバクダンヲオトサナイ
松竹少女歌劇団ターキーの活躍
ターキー誕生
ターキー北支へ
海軍贔屓なターキー
原っぱで、墓前で唄う、流行歌手・市丸
死に際の兵士、機関車を見送りながら唄う兵士
新人歌手・森光子の慰問
第5章 慰問雑誌の終焉とアイドルのラストステージ
終戦間際の慰問雑誌とアイドル像
漫画ルポが映し出す終戦前年の撮影所
月丘夢路の語る戦争と映画界
元タカラジェンヌ・園井恵子の原爆死
戦争末期の『銃後讀物』
軍部に覚えめでたい女性作家たち
菊池寛、吉川英治の特攻隊賛美
海軍のアイドル作家、真杉が見た江田島陸軍兵学校
『同期の桜』に感銘を受けた高峰秀子
特攻隊員から届いたブロマイド
岐阜で発見された『戦線文庫』第七七号
『戦線文庫』第七七号とは
グラビアのトップは弾けるように笑う農家の娘
笑いのアイドル・ロッパ
増産に励む人々へ移動慰問公演
慰問雑誌の幕引きは二名のアイドル
敗戦を予感させる『陣中倶樂部』最終号の表紙
防空壕から顔を出すアイドル
終戦後の興亜日本社
講談社とアイドルのその後
強い母親から、意志を持った女性へ
「民主主義とは何ぞや」と語る小夜福子
映画の女王、栗島すみ子の舞踊は即生活
勝太郎とジャパニーズバンジョー
あとがき 平和に向けてのアイドルの戦い
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