ゼロ戦特攻隊から刑事へ
まえがき
プロローグ
第一章 生い立ちと剣道修行
ガキ大将だった少年時代
黒田先生と剣道に出会う
先祖は南朝に殉じた新田源氏
パイロットに憧れ予科練を志願
第二章 予科練入隊と国内での訓練
十六歳の入隊、村を挙げた見送り
岩国航空隊で厳しい訓練開始
辛かった名古屋航空隊
大分航空隊で初めてゼロ戦に乗る
戦局悪化と笠ノ原基地での猛訓練
航空隊での食事や隊の雰囲気
第三章 戦地・台湾へ
新竹基地へ進出
戦局 マリアナ沖海戦で一航艦壊滅状態
訓練即実戦の日々
初陣は船団護衛
B24が襲来
コラム ゼロ戦
一撃離脱方式に
滑らせる技
難しい着陸の技
機内で弁当も
桜に錨のマフラー
初の空戦は「台湾沖」
第四章 フィリピンでの戦い
クラーク・フイールド航空要塞へ
夜間爆撃にあう
レイテ総攻撃の大編隊
いつのまにか特攻の戦闘機隊に
戦局 捷一号作戦と特攻の始まり
南十字星の下で〝特攻志願〟
敷島隊出撃を見送る
ロープで爆弾をくくりつけ
コラム 〝特攻志願〟の夜はいつか
タクロバン攻撃
グラマンから機銃掃射
出撃の日々
隣りの中隊長は撃墜王
ゼロ戦がなくなる
新名丈夫記者
山ごもりせよ
間一髪の脱出
コラム 残された部隊
第五章 台湾から特攻出撃
神風特別攻撃隊 大義隊
ゼロ戦を調達しに
「三笠宮」を護衛し上海へ
翼下待機
白鞘の短刀を拝受
五百キロ爆弾は重かった
穏やかなひととき
戦局 沖縄戦と特攻
初めての特攻出撃
連日の爆装特攻
デッキの中で
沈黙の特攻前夜
次々と逝く同期の桜
すでに命は捧げた
沖縄玉砕後は
ホタル乱舞
八月十五日
戦局 大義隊の戦闘
夢にみる命令
電波技術の差で助かる?
埼玉の三羽烏
コラム 粕谷氏追悼の碑文
コラム 特攻戦死者と戦果
第六章 帰国
ゼロ戦ひき渡し
台湾に残らないか
海路、鹿児島へ
大晦日、故郷へ帰る
第七章 警視庁採用への道
世の中の変化に失望
お神楽の再興で地域を元気に
警視庁からの勧誘
第八章 警察官人生
新人交番勤務は土佐犬タローと
交番勤務から新米刑事に
女子医大の寮に住む
新人警官安田講堂に拉致される
肺結核で入院
名物検視官の下で検視修業
職安法違反で暴力団退治
白バイ隊の中隊長に
住民泣かせの過積載ダンプ取締り
金庫破りの検挙
頻発した内ゲバ事件
執念の捜査で連続窃盗犯を検挙
警察官を装う広域連続詐欺事件
刑事生活に悔いなし
亡き戦友に励まされて
第九章 退官後の職業人生や戦友たちの慰霊
刑事経験が活きた暴力団対応
特攻隊のことは周りには話さなかった
白バイ隊員たちに唯一話した特攻体験
戦友たちとの交流・慰霊
第十章 私の生涯剣道
刑事人生と剣道人生
早稲田署から剣道中隊へ
猛稽古~持田先生、斎村先生に懸る
GHQの剣道禁止~警棒術を隠れ蓑に剣道稽古
小川忠太郎先生
警視庁剣道朝稽古会
退官の日から少年剣道指導
エピローグ
付記「三笠宮」上海行護衛飛行
護衛飛行は二月二十六日、「侍従」とは今井秋次郎侍従武官か
危険を冒して上海に行く十分な動機があった
当時進められていた日中和平工作の諸相
天皇は日中の和平を真剣に模索していた
海軍が三笠宮の上海行きを支援する動機はあった
私たちがたどり着いた推論
三笠宮へのお尋ねのお便り
謎はまだ解けない
あとがき(大舘和夫)
鎮魂の空に―あとがきに代えて(太田茂)
七十年間沈黙の重さを想う―あとがきに代えて(西嶋大美)
参考文献
大舘和夫氏年譜