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食糧も大丈夫也

サブタイトル1~10
開戦・終戦の決断と食糧
編著者名
海野 洋 著
出版者
農林統計出版
出版年月
2016年(平成28年)5月
大きさ(縦×横)cm
22×
ページ
487p
ISBN
9784897323435
NDC(分類)
611
請求記号
611/U76
保管場所
開架一般
内容注記
和書
目次

はしがき
利用上の注意

序章 本書のテーマと前史
第1節 戦争と食糧をめぐる諸問題~本書のテーマ~
1 食糧に関する為政者の心構え
2 当時の記録と先行研究
3 本書のテーマ等
第2節 開戦前の大日本帝国~為政者の念頭にある帝国の姿~
1 内地と外地
2 国民の食生活と農業
3 経済事情
4 外交と軍事
5 開戦前の大日本帝国

第1章 昭和14年の朝鮮大干魃と日仏・日米交渉
はじめに
第1節 朝鮮における大干魃と輸入米の確保
1 昭和14年の大旱魃
2 仏印総督府との交渉
3 南部仏印進駐の狙い
4 仏印米輸入のアキレス腱
第2節 日米交渉
1 日米交渉の概要
2 7.24ルーズベルト大統領の仏印中立化構想
3 ハル・ノートと暫定協定案
4 米国の経済制裁と食糧問題
まとめ

第2章 開戦の決断
はじめに
第1節 7月2日の御前会議と食糧問題
1 揺れる国策
2 北進論の行方
第2節 昭和16年秋の国策検討~御前会議を中心に~
1 大東亜戦争開戦までの国策検討の経緯(概要)
2 11月5日の御前会議以前の連絡会議等における食糧関係の論議
3 11月5日の御前会議における食糧関係の論議
4 12月1日の御前会議における食糧関係の論議
5 その余の会議における食糧関係の論議
第3節 発言者自身のコメントと陸海軍の受け止め方
1 鈴木企画院総裁の回顧
2 井野農相の回顧
3 昭和天皇の発言をめぐるミステリー
4 東條首相兼陸相、嶋田海相の受け止め方
第4節 御前会議等における論議の評価
1 2つの御前会議における論議
2 御前会議以外の会議における論議
まとめ

第3章 御前会議における説明の検証と食糧の安定供給を危ぶむ声
はじめに
第1節 農林省の食糧増産計画と需給推算
1 御前会議における説明1(昭和17米穀年度の需給推算)2 御前会議における説明2(主要食糧自給強化施設)
3 「主要食糧自給強化施設計画」再考
第2節 陸軍の見方
1 陸軍省戦備課の判断
2 秋丸機関の判断
3 岩畔大佐、杉田少佐の意見具申
4 石原中将の判断
第3節 海軍の見方
1 海軍国防政策委員会第一委員会の判断
2 海軍大学校における検討
3 海軍省調査課関係の研究会における論議
4 南方物資の輸送に関する海軍の判断
第4節 総力戦研究所の見方~「窪田内閣」の「清井農政」を中心に~
1 総力戦研究所の概要
2 昭和16年度第1回総力戦机上演習~「青国政府処置」~
3 昭和16年度第2回総力戦机上演習~「国防上に於ける物資労務及交通」~
第5節 満鉄の見方
1 「新情勢の日本政治経済に及ぼす影響調査」(昭和16年夏)
2 「東亜に於ける物資自給力調査・其の一、其の二」(昭和15年3月)
第6節 その他識者の見方
1 石黒前農相の見方(昭和16年12月)
2 渡辺銕蔵氏の提言(昭和16年2月)
3 山崎靖純氏の意見(昭和16年6月)
まとめ

第4章 東條内閣時代・1~戦局の推移と国策の決定~
はじめに
1 第一期(開戦~昭和17年4月上旬頃)
2 第二期(昭和17年4月中旬~18年6月中旬頃)
3 第三期(昭和18年6月下旬~19年7月上旬)
第2節 国策決定と食糧問題
1 第一期(開戦~昭和17年4月上旬頃)
2 第二期(昭和17年4月中旬~18年6月中旬頃)
3 第三期(昭和18年6月下旬~19年7月上旬頃)
第3節 物資動員計画
1 物資動員計画の概要
2 米穀に関する計画の概要
第4節 国民への情報提供と為政者等への説明
1 報道機関を通じて公表された食糧事情
2 天皇、内閣、帝国議会、枢密院への報告
3 東條首相の懊悩と有力者の問題意識
第5節 東條首相の退陣
1 内閣改造と省庁再編
2 内閣総辞職
まとめ

第5章 東條内閣時代・2~食糧問題~
はじめに
第1節 内地の米穀需給の実績
1 米穀年度別の実績
2 需給表に対する異論
第2節 需給見込みと実態の乖離
1 昭和17米穀年度
2 昭和18米穀年度
3 昭和19米穀年度
第3節 需給安定への努力
1 国内(内地)生産
2 輸移入の動向
3 供出促進と消費規制
4 軍需と民需の調整
まとめ

第6章 外地と満州国の食糧事情
はじめに
第1節 外地における戦前の米生産等
第2節 外地における戦時中の食糧需給と内地の期待
1 食糧需給の推移
2 生産と消費をめぐる状況
第3節 外地における食糧需給調整のための法制度
1 立法形式
2 法体系の整備
3 内外地を通ずる体制の整備
第4節 米穀の供出・配給の実態
1 制令・律令の規定とその具体的な措置
2 供出割当
3 配給割当
第5節 満州国の食糧事情
1 農業生産量と輸出量
2 日満食糧協議会
3 配給の実態
まとめ

第7章 大東亜共栄圏(南方)の食糧事情と日本への米の送還等
はじめに
第1節 大東共栄圏の食糧問題
1 開戦前における米穀の需給構造とその把握状況
2 第六委員会等の諸決定~南方経済対策要綱ほか~
3 大東亜建設審議会における食糧関係の論議
4 各地域の生産状況
5 南方地域間の食糧輸送
第2節 わが国への米の送還等
1 米不足の主たる要因に関する現地住民の理解
2 日本側の体制
3 輸入実績
第3節 仏印米のその後といわゆる「200万人餓死説」
1 仏印米の対日輸出予定数量と輸出実績
2 いわゆる「200万人餓死説」
第4節 南方各地域における配給の実情
まとめ

第8章 小磯内閣時代
はじめに
第1節 戦局の推移・重要国策の決定・食糧問題
1 戦局の推移
2 重要国策の決定
3 食糧問題
第2節 重臣の食糧への関心と終戦への動き
1 天機奉伺の概要
2 国土分断と食糧確保~戒厳令の発動・戦時行政令の制定~
第3節 本土決戦準備と食糧需給
1 大量動員計画とその影響
2 東京大空襲とその影響
3 小磯首相の退陣
まとめ

第9章 沖縄戦と食糧問題
はじめに
第1節 島嶼戦と食糧
1 開戦時の連合国側の食糧備蓄
2 太平洋における島嶼戦の経緯と作戦の変更
3 住民の食生活等
第2節 沖縄戦への準備~その1~
1 軍の移駐と食糧問題
2 軍の一部転出と食糧問題
3 住民疎開~県外一般疎開~
4 学童疎開~県外~
5 食糧需給面からの評価
第3節 十・十空襲による被害とその後の対策
1 十・十空襲による被害
2 その後の対策
第4節 沖縄戦への準備~その2~
1 県内疎開と住民食糧の確保
2 本土の食糧部門関係者等の対応
3 軍の食糧確保
第5節 米軍上陸後
1 戦局の推移と軍の食糧
2 沖縄県庁の食糧確保対策
3 菊水1号作戦
4 食糧不足の中で行われた沖縄戦
まとめ

第10章 
はじめに
第1節 戦局の推移と国策の最優先課題
1 戦局の推移等
2 鈴木内閣の成立と石黒農商相の登場
第2節 軍需と民需の調整
1 昭和20年度第1四半期物動実施計画と4月18日現在の需給推算
2 陸海軍による再調整
第3節 ドイツの降伏と国策の再検討
1 二重路線で進められた国策の検討
2 6月8日の御前会議
3 最高戦争指導会議構成員の会合等
第4節 陸軍の本土決戦準備と食糧に対する認識
~本音ベース~
1 本土決戦か、戦略爆撃・海上封鎖の継続か
2 本土決戦
3 戦略爆撃と海上封鎖
第5節 食糧確保に向けた最後の苦闘
1 大陸からの食糧輸送
2 国内(内地)生産対策
3 消費規制対策
第6節 食糧確保のさらなる努力の可能性
1 生産(採取)段階
2 供出を含み流通段階
3 万策尽きたか
第7節 終戦に関する御前会議等
1 御前会議等における食糧関係の論議
2 陸軍保有米の行方
第8節 終戦の聖断と食糧
1 ポツダム宣言受諾の理由
2 NBC放送・インタビューにおける発言の背景
まとめ

終章 要約と残された課題
第1節 開戦・終戦の決断と食糧
1 序章で掲げたテーマ
2 その余の問題
第2節 彰往考来

補論 AB船による南方からの食糧還送量
はじめに
1 元大本営参謀(船舶関係担当)の史料
2 船腹量からみたAB船による輸送量の検証
3 AB船により輸送された米穀の充当先
まとめ

巻末資料
A 仏領印度支那経済の日本経済に及ぼす影響に就いて
(要旨)
B 昭和16年第1回総力戦机上演習経過記録
C 仏印米の協定価格等の推移
D 食糧(飼糧、種蒔、酒精用を除く)に関する戦力判断
E 8.8京城電話に依る朝鮮各港在庫状況
(8.7又は8.8現在)
F 特殊な配給措置
参考文献
あとがき
人名索引
事項索引