図書ゲンバク ニモ ブラク サベツ ニモ マケナカッタ ヒトビト000060891

原爆にも部落差別にも負けなかった人びと

サブタイトル1~10
広島・小さな町の戦後史
編著者名
大塚 茂樹 [著]
出版者
かもがわ出版
出版年月
2016年(平成28年)6月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
355p
ISBN
9784780308327
NDC(分類)
217.6
請求記号
217.6/O88
保管場所
閉架一般
内容注記
和書
目次

プロローグ
 
第一章 川に挟まれたひょうたん状の町
ある絵本に描かれた福島町/この町を愛した巡査と娘/クスノキがある町の生い立ち/地域の産業の歴史を捉える/福島町一致協会の誕生/差別の記憶の中で/軍都広島の光と影/太田川改修工事が始まる/コマちゃんと呼ばれていた木原清春/キリスト者として赴いた益田小蝝
 
第二章 貧しさと差別からの解放を求めて―中西ハルエと仲間たち
父と出かけた郊外の村/部落の小学校に学んで/不細工な女の子という自意識/卒業は友との別れを意味していた/初めての差別体験/差別を憎む友との出会い/防空壕を掘っていた朝に/敗戦直後の飢えと貧しさの中で/変わらぬ友、変わった友/差別の苦しみを胸に
/苦しみに寄りそう二人/木原清春のまなざし/トラホーム治療活動に参加する/わかくさ子ども会の出発/子ども会と結婚したハルエ/太田川闘争の渦中で/太田川が連れてきた人
 
第三章 野戦病院のような診療所
中本康雄にとっての戦前と戦後/診療所を待ち望む人びと/二四時間稼働する野戦病院として/我が物顔の飲酒患者/三つの戦争を体験した新任看護婦/病院になっても試練は続く/病院への批判、看護婦たちの苦悩/被爆体験によって医師を志望した中本雅子
/選挙に担ぎ出された院長
 
第四章 部落が変わりゆく日々に
子ども会活動を出発点にして
小学校を卒業し、靴職人から解放運動専従の道へ(池田實次郎)/素敵なゲームを考案した秘密(森岡宏寿)/子ども会のリーダーは、ハワイアンも愛していた(岩井博)/胸に秘めていた記憶の底から(仮名・笹山三郎)/「原爆の子」として、部落解放運動とは異なる道を(福原新太郎)
/子ども会活動から病院職員への一筋の道(森岡富壽)
キリスト教社会館が誕生した頃
ジョーンズ先生と小蝝さんとともに(和田和江他)
地域の仕事を支えた人たち
屠場で生きてきた職人として(中島好勝)/「食肉コンビナート」を支えた先人の後継者として(菊崎司)/ダンスに燃えた日々から靴職人への転身(岡田三千年)
親から受けつぎ、自らをつくる
父・木原清春と志ともに抱いて(藤川邦子)/差別・両親・音楽への思い(益田遙)
 
第五章 被爆者として生きて
部落差別よりも辛かったケロイドへの視線(森本範雄)/忘れられない妹と弟の死(木原清子)/妹・喜和子を死なせてしまった無念(森本英子)/福島町に暮らし続けた在日韓国人として(朴南珠)/折り重ねられた遺体が燃やされる炎を凝視していた(許田宗文)
/二人の兄を失い、多くの病気と闘ってきた(岩井留明)/日雇い労働で一家を支えた母と息子の物語(八木秋江)/被爆体験を語るまでの長い日々(中西ハルエ)/福島地区の被爆の実態を見つめて(金崎是他)
 
第六章 差別を乗り越え、地域を変えるために―人間の苦しみに寄りそって
教師たちはどう向き合ったか
同和教育が向き合った現実とは(有田穣)/一年十組の生徒たちとともに(玖島慶子)/プラタナス集会と授業改革に賭けた日々(佛圓弘修)
地域で教育と文化を育む力
福島地区内外での保護者たちの活動/教育集会所の人びと(八木満喜男他)/ふくしま文庫館長が歩んできた日々(森岡憲子)
人間の尊厳を問い続けて
就職差別問題に直面して人生が変わった(亀本信子・正志)/医療ソーシャルワーカーとして出会った人びと(山田寿美子)/部落解放運動分裂と三つのエピソード
変貌した町を見つめる
いまも初心忘れることなく(村田康昭)/くすの木苑が歩んできた道(八木利彦)/地域に向き合うセンスを磨く(小西正則)
宗教者として問い続ける
部落に生まれたキリスト者として(東岡山治)/町とともに歩んだ寺の住職として(高橋哲了)
 
エピローグ
あとがき
主な参考文献