図書シン チキュウ ニホンシ000060698

新・地球日本史 1

サブタイトル1~10
明治中期から第二次大戦まで
編著者名
西尾 幹二 責任編集
出版者
産経新聞ニュースサービス
出版年月
2005年(平成17年)2月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
392p,図版[4]p
ISBN
9784590000000
NDC(分類)
210.1
請求記号
210.1/N86/1
保管場所
閉架一般
内容注記
和書
目次

口絵
まえがき(西尾幹二)
 
1 日本人の自尊心の試練の物語(西尾幹二)
歴史に学んで自己を改められるか
百年経たなければ分からない
不可解な十九~二十世紀前半の世界
米国は日本攻略を策定していた
一度指した駒は元に戻らない
戦後世代が陥った「第二の敗戦」
 
2 明治憲法とグリム童話(八木秀次)
伊藤博文の〝歴史の発見〟
歴史法学者としてのグリム兄
シュタインの先進理論に学ぶ
井上毅の国典研究
「シラス」と「ウシハク」
日本のバーク 金子堅太郎
 
3 「教育勅語」とは何か(加地伸行)
開明派の井上毅が起草
徳育の必要を提案した府県知事
特定の宗教、哲学・政治色を排除
儒教道徳を再編し欧米思想導入
日本人の原宗教意識を捉える
他律により成功した道徳教育
 
4 フェノロサと岡倉天心(田中英道)
救世観音、初めて姿をあらわす
奈良は日本のローマである
日本美術は西洋より優れている
『小説神髄』と『美術真説』
西洋に学ぶより自分で考えよ
「アジアはひとつである」の意味
 
5 西洋人の見た文明開化の日本(鳥海靖)
大胆な変革への驚嘆と憂慮
自国の歴史を軽蔑する日本人
あふれる好奇心、旺盛な知識欲
世界中でもっとも安全な国
豊かさと貧しさの共存
キリスト教国民だけが文明の民か
 
6 大津事件―政治からの司法の独立(高池勝彦)
日本中が震えた露皇太子遭難
政府の圧力に抗した大審院長
大審院長の行動は違法の反論も
江戸期からあった「法の支配」
現在の司法に見られるゆがみ
司法の独立の長い歴史をゆがめてはならない
 
7 日本の大陸政策は正攻法だった(福地惇)
東アジア角逐する英・露
日清鮮同盟か満鮮制圧か
「万国公法」尊重の外交政策
日清鮮国交交渉と征韓論
李氏朝鮮の混迷と日清対立
日清戦後、露国の満鮮侵出
 
8 日露戦争―西洋中心史観への挑戦(平間洋一)
アジアを目覚めさせた勝利
アラブに「日本とともに」の波動
北欧解放とソ連誕生・・・・・・そして
「黄禍論」生み、日米対立へ
民族国家独立の夢はぐくむ
日本非難には英語で反論を
 
9 明治大帝の世界史的位置(三浦朱門)
三人のアジアの君主の誕生
五カ条を神々に誓われた意味
敗者に寛大な革命と陛下の心
西欧君主と対照的な陰の存在
反戦的ですらある戦争への態度
「無の空間」創造された陛下
 
10 日清日露の戦後に日本が直面したもの(入江隆則)
冷静と激高―対照的な国民の対応
勝利にも軽挙妄動を戒めた知識人
自己認識失った日露後の日本人
満州で陸軍独走の原型が表面化
勝者と周辺国とに意識の違い
 
11 ボーア戦争と日英同盟(田久保忠衛)
南アで英とオランダ系移民が激突
金鉱めぐり英独関係も険悪に
南米では英米が戦争前夜の危機
植民地戦争に英国は勝ったが・・・・・・
国際的孤立に追い込まれた英国
日本と結ぶ以外になかった英国
 
12 韓国併合(勝岡寛次)
他国を「取る」ことは是か非か
「合邦」の理想に共鳴した韓国人
明治日本の悲願だった朝鮮「独立」
併合条約は「非合法」と教える韓国
国際会議で破綻した違法・無効説
併合を「植民地化」と混同するな
 
13 韓国人の反日民族史観のウソ(呉善花)
親日反民族行為摘発のねらい
日本の歴史にはない朝鮮蔑視
怨恨・身内正義で描かれた歴史
戦時政策にも整然と協力した庶民
「善政」を無視した戦後の出発
日本の援助伝えぬ政府・メディア
 
14 昭和天皇の近代的帝王学(所功)
質実剛健を教えた乃木希典院長
倫理の実践を強調した杉浦重剛
公正な歴史を講述した白鳥庫吉
立憲法治主義を重んじた清水澄
明治天皇を範に講じた三上参次
帝王学の成果と〝象徴学〟の模索
 
15 中華秩序の破壊とその帰結(北村稔)
日本の勝利で威信失った清国
日中関係を不安定にさせた満州権益
満州権益の固定化を図る日本
中国ナショナリズムとの衝突
対中強硬政策を国民は支持
日中戦争から日米戦争へ
 
16 米国に始まる戦争観の変質(大澤正道)
水師営の会見―最後の人道的戦争
南北戦争が二十世紀全体戦争の原型
「民主主義を守る戦い」の登場
今も続くベルサイユ条約の誤り
自己反省の道を閉ざした戦勝国
原爆投下は人類文明への挑戦
 
17 大正外交の萎縮と迷走(中西輝政)
戦後六十年、書き換え迫られる外交史
新史料の公開で開く「歴史のフタ」
未解明の「対華二十一ヵ条要求」問題
「昭和の大戦」を招いた拙劣外交
幣原外相「対中宥和」で国際的孤立
「大正への反省」こそ新しい歴史観
 
18 歴史破壊者の走り―津田左右吉(荻野貞樹)
「実証的」ではなかった学者の悲劇
異様なアメノミナカヌシ造作神説
「主要でない」と除外したアマテラス
津田を悪用した戦後の歴史家たち
神話の日本的錯覚はなぜ起こった
学者から想像力を奪った津田史学
 
19 日本に共産主義はどう忍び込んだか(藤岡信勝)
共産主義は二十世紀最大の災厄
世界革命の根拠地コミンテルン創設
近藤栄蔵と暁民共産党事件
コミンテルンの極東諸民族大会
日本共産党の創立と「天皇制」
共産主義は日本で失敗したのか
 
20 徳富蘇峰の英米路線への愛憎(杉浦志啓)
対英米認識を体現する「大記者」
日露戦争の勝利が大きな転換点
皇室中心主義と「白閥打破」
英米反発が排日移民法で憎悪へ
「東亜新秩序」で英米衝突へ導く
日本人全体が共有した「負けじ魂」