昭和の歌100
一 昭和の幕を引く―美空ひばりとの十五年
みだれ髪 女王奇跡の復唱、その日の一部始終
川の流れのように 彼女は何故、この曲にこだわったのか?
悲しい酒 涙と熱唱 不思議なメカニズム
リンゴ追分 喜美枝さんのマスコミ操縦術
ひばりの佐渡情話 異端の歌書き・船村徹が挑発した
おまえに惚れた 実弟・加藤哲也が社会復帰して
愛燦燦 悲嘆の果て 孤独な女王の愛と祈り
二 流行歌黄金の七〇年代始まる―阿久悠となかにし礼の時代
知りたくないの/菅原洋一 売れない男・菅原 三年越しの浮上
知りすぎたのね/ロス・インディオス 僕の歌社会どっぷりが始まる
ざんげの値打ちもない/北原ミレイ 阿久悠の衝撃作に驚嘆して
また逢う日まで/尾崎紀世彦 歌づくりは「狂気の伝達」だそうな
石狩挽歌/北原ミレイ ミレイを蘇生させたなかにしと浜
時には娼婦のように/黒沢年男 天国と地獄を体験、なかにし礼、居直る
北酒場/細川たかし 細川は最初から大物だった
津軽海峡・冬景色/石川さゆり さゆりのたおやかさとしぶとさ
北の宿から/都はるみ はるみレコ大、これは変化球か?
勝手にしやがれ/沢田研二 退廃と懶惰 沢田に振られた役柄
舟唄/八代亜紀 新聞連載から生まれた大ヒット
雨の慕情/八代亜紀 僕がレコ大受賞プロデューサーになる
三 阿久悠が仮想敵国!―吉岡治、たかたかしらの新宿梁山泊
八月の濡れた砂/石川セリ 異才むつひろしの野辺送り
大阪しぐれ/都はるみ 吉岡治、長いトンネルを抜ける
さざんかの宿/大川栄策 これぞ名文句 後ろ向きの美学か!
命くれない/瀬川瑛子 売れない歌手の逆転ホームラン
天城越え/石川さゆり 湯ヶ島にこもった同志の男三人
波止場しぐれ/石川さゆり 悲願実る 小豆島の青年たち
長良川艶歌/五木ひろし 僕はどうしても阿久悠派なのか?
ふたり酒/川中美幸 川中・たか・弦がしあわせ演歌の元祖に
浪花恋しぐれ/都はるみ・岡千秋 悪声の極みがつかんだチャンス
愛の終着駅/八代亜紀 北の詩人・池田充男の孤高と漂泊
四 「終戦」を知らない子供たち―僕の歌謡少年時代
かえり船/田端義夫 茨城・島名、銃後の少国民のささやかな感傷
憧れのハワイ航路/岡晴夫 岡っ晴節に泣いた女代用教員
異国の丘/竹山逸郎 小学5年、学芸会で歌って大目玉
湯の町エレジー/近江俊郎 歌謡少年のネタモトは「今週の明星」
流れの旅路/津村謙 毎晩、旅の一座の女優に会いにゆく
東京キッド/美空ひばり いじめに応戦、小使いさんちの子
高原の駅よさようなら/小畑実 中3・初恋の人!?と日光修学旅行
赤いランプの終列車/春日八郎 バンカラ高校生は春日八郎びいき
別れの一本杉/春日八郎 快哉!農村が都市を包囲した日
おんな船頭唄/三橋美智也 「のど自慢」茨城大会での惨敗
月がとっても青いから/菅原都々子 相手は看護婦さん、胸キュンの卒業期
哀愁列車/三橋美智也 東京へ、僕の哀愁列車は常磐線
五 東京へ行こうよ東京へ―やがて吉田正の時代が来る
街のサンドイッチマン/鶴田浩二 これが憧れの東京の明と暗か?
チャンチキおけさ/三波春夫 屋台酒が落ちこぼれの胸を灼く
リンゴ村から/三橋美智也 万年床で聴いた隣室のラジオ
俺は待ってるぜ/石原裕次郎 髪型は裕次郎カットか慎太郎刈りか
柿の木坂の家/青木光一 望郷2年、思い出の初ステージ
有楽町で逢いましょう/フランク永井 宿帳の職業欄 巨匠吉田正の感慨
公園の手品師/フランク永井 銀座の夜、必ず弾いたピアニスト
黒い花びら/水原弘 レコ大第一号・水原弘の俠気を聴く
潮来笠/橋幸夫 10代の歌手に10代のファンが動いた
高校三年生/舟木一夫 青春歌謡が溢れた修学旅行バス
六 日本人は哀愁民族だ―船村徹と星野哲郎の時代
男の友情/青木光一 26歳で逝った高野公男の絶筆
早く帰ってコ/青木光一 船村の苦衷、ベラボウな契約条件
東京だョおっ母さん/島倉千代子 そんなのあり?島倉、歌のおねだり
三味線マドロス/美空ひばり こおろぎの、よちよち登る、友の墓石
王将/村田英雄 船村の反骨、激怒した古賀政男
新宿情話/ムーディー松島 そうか!血は水よりも濃いのか!
希望(のぞみ)/船村徹 女囚が泣いた、船村が泣かせた
なみだ船/北島三郎 渋谷の大ちゃん、デビュー前後の紆余曲折
おんなの宿/大下八郎 原題が何と、「なみだ旅館」だった!
風雪ながれ旅/北島三郎 危うく師匠を殺すところだった
兄弟船/鳥羽一郎 海の男鳥羽、内弟子時代の行状
女の港/大月みやこ 辛抱19年、八尾の女大月が孵化する
出世街道/畠山みどり 東京五輪の陰で、男たちの軍歌
アンコ椿は恋の花/都はるみ 星野家夜襲、市川昭介の魂胆
三百六十五歩のマーチ/水前寺清子 人生の応援歌と水前寺の役割
兄弟仁義/北島三郎 実は、決してやくざ唄ではなかったのだ
昔の名前で出ています/小林旭 一本の電話が生んだヒット曲
七 フォーク、GS、8ビート―シンガーソングライターの誕生
夕陽が泣いている/ザ・スパイダース GS前夜、開拓者田邊昭知の歯がみ
ブルー・シャトウ/ジャッキー吉川とブルー・コメッツ 日本のポップス誕生にひと役
命かれても/森進一 恐るべし!大物制作者の深謀遠慮
君こそわが命/水原弘 大当たり「三千万円作戦」
今は幸せかい/佐川満男 私家盤で勝つ、小西会が生まれる
天使の誘惑/黛ジュン 黛に頭が上がらなかった男二人
バラが咲いた/マイク真木 ハマクラさんは例え話の名手だ
夜明けのスキャット/由紀さおり 実は烈女です、たおやか系熟女
夜が明けたら/浅川マキ 幻のブルースシンガーの半生
さらば青春/小椋佳 新感覚派に惚れ込んだ女二人
友よ/岡林信康 若者たちが蜂起、熱に浮かされた僕ら
ひとり寝の子守唄/加藤登紀子 鳥肌が立った「ひざ小僧の子守唄」
結婚しようよ/吉田拓郎 フォークの貴公子が生んだ流行歌
神田川/かぐや姫 泣けたねえ「小さな石鹸カタカタ・・・」
八 百歌繚乱―歌書きたちが仲間だ
圭子の夢は夜ひらく/藤圭子 お化け屋敷で生まれた「新宿25時間作戦」
よこはま・たそがれ/五木ひろし 夜が育てた五木の精緻な芸
花街の母/金田たつえ 地を這うような歌行商3年
昭和枯れすゝき/さくらと一郎 一発屋の暗い歌が脚光を浴びた
北へ帰ろう/徳久広司 初志貫徹! 〝三連の徳さん〟
浪花節だよ人生は/木村友衛他 仏の四方ちゃんと仲町会の仲間たち
カスマプゲ/李成愛 名和ちゃんがタブーを破った!
九 そして昭和晩年―君たちが居て僕が居た
ペッパー警部/ピンク・レディー 四面楚歌の歌がドカン!と来た
イミテイション・ゴールド/山口百恵 悔い残る、百恵にあげ損なったレコ大
北国の春/千昌夫 国境を越えた歌をハノイ聴いた
夫婦舟/三笠優子 新湊の名士から富山の名士に
望郷酒場/千昌夫 無頼の里村と岡、鹿部の名調子
つぐない/テレサ・テン 三木と荒木は都会型不良少年
男船/神野美伽 吠えた!神野のロックスピリット
愛しき日々/堀内孝雄 堀内の絶叫「サンキュー!」の意味
かもめの街/ちあきなおみ 異能の歌書き、ちあき哲也の若い日
あばれ太鼓/坂本冬美 冬美を猪俣から引き継いで
北の旅人/石原裕次郎 「昭和の太陽」と弦哲也の、出会いと別れ
終章 昭和への献辞
美空ひばり
村田英雄
中山大三郎
阿久悠
遠藤実
三木たかし
石本美由起
吉岡治
石井好子
星野哲郎
島倉千代子
ちあき哲也
あとがき
人名索引