戦争を悼む人びと
はじめに
第Ⅰ部 戦争を悼む人びと
1 消えない井戸の声(金子安次)
悪童だった頃
新兵訓練
「東洋鬼」として
シベリアへ
撫順戦犯管理所
「おれには責任はない」
帰国後の苦難
罪の重さに目覚める
2 「戦争の大義」に疑念を抱いた学徒兵(岩井忠正)
戦争に対する懐疑心
父の快哉
何のために死ぬのか
人間魚雷「回天」に志願する
〝棺桶〟に乗る――「回天」訓練
伏龍特攻隊
3 一度に四人の乗組員を殺す重爆特攻(花道柳太郎)
小学校を卒業して軍の学校へ
所属部隊がそのまま特攻部隊に
出撃直前の悲劇
出撃
戦後の沈黙
4 「大東亜共栄圏」の夢を追って(飯田進)
大学進学の夢が開戦でたたれる
「大東亜共栄圏」建設の尖兵に
戦況の悪化
実戦に参加
住民虐殺
敗戦
戦争犯罪人
巣鴨プリズンへ
出獄
5 民間人虐殺に加担した罪を背負って(熊井敏美)
マッカーサーの軍を追撃
バターン死の行進
抗日ゲリラ掃討作戦
ホープベール(希望の谷)の虐殺事件
日本人の集団自決
熊井さんの「戦後」
6 シベリアに抑留された少年兵(猪熊得郎)
一五歳で軍に志願
満州の地で
ソ連の参戦
ラーゲリの日々
帰還
第Ⅱ部「加害」の記憶を受け継ぐ人びと
7 元兵士と戦後世代がともに歩む
湯浅謙 中国帰還者連絡会
土屋芳雄 中国帰還者連絡会
三尾豊 中国帰還者連絡会
熊谷伸一郎 撫順の奇蹟を受け継ぐ会
荒川美智代 撫順の奇蹟を受け継ぐ会
8 戦犯の子、罪の赦しを求めて
子煩悩だった父
虐殺
「戦犯の子」
父の罪を背負って
母に重なる絵
9 連合軍捕虜と向き合った人びと
笹本妙子 POW(戦争捕虜)研究会
田村佳子 POW(戦争捕虜)研究会
ホームズ恵子 元英国軍捕虜たちとの「癒しと和解の巡礼の旅」
10 アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)
元「慰安婦」たちの尊厳を取り返す
池田恵理子 「女たちの戦争と平和資料館」館長
11 憲兵だった父の遺したもの
父の遺言
父の遺志を叶える
「戦争責任」をどう受け継ぐか
中国の旅
父が勤務した地
日本社会に「つまずきの石」を刻む――「あとがき」にかえて
参考文献一覧