大東亜戦争「失敗の本質」
まえがき
第一章 大東亜戦争は「愚かで」「無謀な」戦争だったのか
「識者」とされる人たちの歴史観を斥けた安倍談話
「大空のサムライ」の述懐を汲む学者はいないのか
戦勝国のつくった秩序、ルールの中で生存してきた戦後日本
ヨーロッパ人の飽くなき征服意欲を支えた意識
日本が大東亜戦争を戦う蓋然性が生じた瞬間
一神教の世界では、異教徒はまったく別の存在
人間相手なら"洗脳"でも、猿が相手なら"救済"となる
福澤諭吉の「脱亜論」に対する司馬遼太郎の無理解
「迂闊空遠」に対する戒め
戦前の日本人は独立の尊さを知っていた
戦争の「正邪」については触れていないクラウゼウィッツ
第二章 「戦争目的」「戦争設計」を日本の勝ち戦(いくさ)から学ぶ
政治と軍事(戦争)とが絶妙な連携を示した
劣位からスタートして優位に立つために必要なもの
「勝者がかえって敗者よりも危険の位置に陥るの恐れあり」
「白人絶対」の時代を終わらせたのは日本単独の力
自国の安全と独立のための明確な目的
日露戦争の帰趨を決定づけた日本海海戦の勝利
「日本がロシアと戦う決意」がトルコを動かした
明治の日本人は「国防」を崇高な任務と受け止めていた
仏教哲学や儒学を取り入れた実践哲学を磨いた歴史
日本海海戦の勝利後に何が可能だったか
児玉源太郎に感じる「覚悟」「先見の明」「柔軟性」
第三章 日本外交「失敗の本質」
「車の両輪、鳥の両翼あるがごとく」でなくなった政治と軍事
「国際信義」は大国の都合による
異なる歴史的背景、価値観の相手と仲良くするには
ルーズベルトがマハンに送った手紙に書かれていたこと
「オレンジ計画」は日本への先制攻撃の意志だったか
「黄禍論」が白人国家に広まった背景
ルーズベルトの狡猾な計算
日本が提案した「人種平等規約」はなぜ否決されたのか
孫文と袁世凱の政争の狭間に置かれた「対華二十一カ条要求」
日本人が「自分には力がない」と思うのは今も同じ
日本では戦国時代に終わりを告げていた「一族同士の戦争」
完全に日本の外交敗北だったワシントン会議
「統帥権」を別立てにしていたことが明治国家の瑕疵
政党間で政争の具にしてはならないことがある
「張作霖爆殺」のミステリー
政治の不作為や怠惰、絞り込み思考による発想力の欠如
第四章 満州事変以後の「イフ」を思考する
満州事変は、ちゃんと設計されていたか
東京裁判の訴因が成り立たなくなる一級史料
"情報戦""宣伝戦"の重要性を認識しないことの勿体なさ
日本が満州国を建てて「生命線」とした理由
日米戦争を想定した戦争設計、計画が石原莞爾にあったか
「五族協和」は日本が世界に示した新しい国家像
平和で民主的な日本を食い潰した陸軍の責任
日本の庶民こそが真剣に戦った大東亜戦争
第五章 日本は何のために戦い、何を得ようとしたのか
大東亜戦争開戦時の「日本人の気分」
日本に「戦争論」はあったか、なかったか
"不良債権"の韓国や満州より国内を充実させるべきだった
米側の意図を見抜けずに焦燥するばかりだった日本
ハル・ノートの内容を世界に示せばよかった
「日本の侵略的態度の結果」という史観は単細胞にすぎる
ドイツの戦勢をもう少し見極めれば別の戦争設計があり得た
第六章 優位戦思考があれば日本は勝てた
なぜインド独立運動とインド人の反英蜂起に注力しない?
「大義」「自存自衛」「実力」において最大のチャンスだった
日本は民族自決の範を世界に示すこともできた
搾取も保護もせず、自立せしめることをめざした統治
大東亜戦争の意味を考えさせてくれたサイパンでの出来事
「領土」より「貿易の自由」を求めるという選択があった
ミッドウェー海戦前の海軍が陸軍と連携して実現できた作戦
半分しか当たっていなかった総力戦研究所の予測
「天の力」「意外裡の要素」以外の戦争設計があったか
一航艦司令部の人事を総入れ替えしてから出撃すべし
ガダルカナル戦は明らかに一つの攻勢終末点だった
アメリカ人たちの記憶にも残っている「日本人の底力」
第七章 未来は過去からやってくる
戦闘教令や前例になければやらないのか
及び腰で、ちょっかいを出すような「アウトレンジ戦法」
事実確認のない「願望」によって事態を悪化させた
レイテ湾突入は沖縄特攻よりもずっと勝機があった
短期決戦主義と艦隊保全主義の矛盾
自分が考える戦場に相手を誘導しなくてはならない
劣位戦思考からは、わずかの選択肢しか見えてこない
日本文化を創造してきた「暗黙知」
暗黙知を持った指導者たちが日本を救ってきた
二十世紀のパワーゲームの主役は「日本」だった
物理的な戦争の勝敗を超えた日本の勝利
あとがき