「証言録」海軍反省会 8
解説
海軍反省会記録第六十回 勝って兜の緒を締めよ―大敗は大勝の中に芽吹いていた
諸連絡
【佐薙発表】
第一段作戦
真珠湾攻撃の功罪
ウェーキ島攻略に欠けていたもの
南東方面占領で得たもの
締められなかった「兜の緒」
【質疑応答】
真珠湾攻撃―開戦直前の重要人物たち
真珠湾攻撃の功罪―十二月八日をどう評価するのか
第二撃の計画は存在したのか
ウェーキ島攻略作戦―苦い勝利、華々しい勝利
南洋方面要地の攻略、その他―要員養成を後回しにした判断の是非
海軍反省会記録第六十二回 勝利の終わり―潮が変わる国が沈む
新見政一「戦争指導史」について
【佐薙発表】
ミッドウェーのつまづき①攻略計画上の過誤
ミッドウェーのつまづき②索敵―彼我の差三時間
【質疑応答】
ミッドウェー直前の図上演習
杜撰な潜水艦運用計画
敵の配置、味方の配置
砲術における驕り
「偵察には攻撃機を使えばいい」
ここまでのまとめ
【佐薙発表】
フィジー・サモア作戦構想の評価
【質疑応答】
海軍内の賛否両論
連合艦隊における参謀の役割
人事が戦況を左右する
【佐薙発表】
戦略拡大は兵力損耗の主因なのか
南東方面の粘り強い攻防
素早さを見誤ったこと、撃ち漏らしたこと
あと一押しが足りなかった
実施部隊の「善戦」は作戦指導の失策を補えない
願いむなしく激戦中止に
【質疑応答】
輸送船が使えなければ、軍艦で運ぶしかない
あのとき輸送船団を叩いていたならば
海軍反省会記録第六十三回 航空軽視と潜水蔑視が招いたもの
【佐薙発表】
昭和十八年以降、制空権の喪失
米軍人たちの三つの工夫
ひるがえって我がほうはどうであったか
【質疑応答】
暗号解読と飛行場造成における力の差
性能の差、思想の差
南東方面における実際
補給と潜水艦戦
技術的優位を失ってなお
滝のような弾幕、正確な砲雷撃
実戦的な対空射撃の研究
実戦はガムシャラ―対空射撃の限界
活用されなかった「爆撃回避法」
潜水艦での補給は「統帥上の問題」
南東方面の作戦指導
実行部隊の軽視・蔑視
航空主兵の流れを断った「中央協定」
陛下の言葉の重さ
【佐薙発表】
絶対国防圏構想の登場
陸軍の消極、海軍の積極
攻勢方針は維持された
【質疑応答】
作戦と実際
風向き次第の作戦方針
潜水艦に人材が残らない
多大な戦果報告が生まれる理由
「本音を言う潜水艦屋は少将にしない」
潜水艦を希望する者はほとんどいなかった
次回への持ち越し事項について
海軍反省会記録第六十四回 妥協―三国同盟への消極的賛成
【質疑応答】
い号作戦と「大海指」二一三号
中央協定という建前と実際の動き
国力無視の作戦計画
軍令部の責任、連合艦隊の責任
ウェーキ島で暗号書は奪われたのか
ちぐはぐな戦争指導、見逃されたスペインからの情報
「聞けども聞けず、見れども見えず」
敵を知る気があったのか
【三代発表】
生の情報・生の体験
防共協定―欧州の情勢
近衛内閣はどう動いたか
松岡外相による同盟交渉案
【質疑応答】
三国同盟の賛成派と反対派
納得できないまま一歩一歩決定は進んでいった
意見の正当性よりも根回しが有効だった
はっきりと意見を言えない人間関係
保科善四郎が見た「決断」の現場
「抵抗する理由がなくなった」
上意下達への自身と破綻
三国同盟反対は条件闘争だった
空気による統率と政治力の弱さ
源は陸軍の参謀たち
人材育成と適材適所が必要
伏見宮と陛下の内心は
山本五十六の「妥協」
海軍反省会記録第六十五回 水面下の日米交渉を動かした男たち
前回の補足―中央協定について
【三代発表】
仏印進駐と米国の反応、独ソ関係
野村大使が探った戦争回避の道
四月十六日諒解案と「ハルの四原則」
溝を埋められないまま時は過ぎていった
独ソ開戦による情報の一変
六月二十一日米国提案に対する反発
【質疑応答】
橋本徹馬の和平工作
もう少し待てばアメリカは譲歩した
ドイツ―信用できない同盟国
国策の勇ましい文言を書いたのは海軍なのか
野村大使の電報は軍令部内で共有されてはいなかった
原因は開戦直前ではなく十年以上遡る
【三代発表】
南部仏印進駐と米国の対日資産凍結
首脳会議を求めた近衛首相
すれ違う双方の主張
和を求めつつも真珠湾攻撃の研究は行われた
海軍反省会記録第六十六回 開戦へのカウントダウン
【三代発表】
九月六日の御前会議―「帝国国策遂行要領」の決定
決断の時が迫る十月の諸会議
【質疑応答】
近衛文麿を追い詰めた両統帥部長の申し入れ
種村佐孝「大本営機密日誌」の噓
「最終的方策」と「開戦の決意」という文言の調整
及川古志郎に信念はあったのか
【三代発表】
十月二十三日、「帝国国策遂行要領」の再検討
十一月一日、総理の示した三つの道
最後の日米交渉
「外交段階はもう終わった」
十二月一日、開戦決意の「大海令」九号が発せられた
そして宣戦布告は遅れた
【質疑応答】
「大海令」の番号はなぜ第一号から付け直されたのか
「太平洋戦争」か「大東亜戦争」か
宣戦布告の遅れと戦争の命名について
ルーズベルトは真珠湾攻撃を知っていたのか
アメリカの対日諜報の実力
「大海令」の発令に関する規定
海軍反省会記録第六十七回 日本国の軍隊、軍隊の日本国―政治と軍事の不可分性
新見政一の白寿会
海軍の歴史を後世につなぐ
【質疑応答】
「政治介入」と陸海の対立
権力がなければ政治はできない
切り離せないからこそ注意すべき「軍人と政治」
軍部大臣現役武官制の功罪
一介の兵士とて政治に無縁はあり得ない
「日本国の陸軍」は「陸軍の日本国」になっていた
撃つ弾がないとき、軍人は自力で予算を獲得してよいのか
ミニ大陸国家における陸軍と海軍の関係
教育―国民生活への浸透、哲学に基づく議論の不足
現場を知ること、陸軍を知ること
踏みにじられた「国策の基準」
軍人と政治、政治家と軍事―トップの仕事
反省会に陸軍の証言は必要なのか
陸軍の声は慎重に扱わねばならない
【土肥発表】
兵術思想―長年準備された対米作戦の方針はなぜ使われなかったのか
【質疑応答】
「海戦要務令」に情勢判断の項は欠けていたのか
状況判断は行動決定の出発点
直観的判断と思考的判断
米軍の対日戦略とその兵力
守られなかった集中の原則
準備不足での開戦―民族の誇りと欧州戦線の皮算用
「戦うも亡国、戦わざるも亡国」
陸軍―ブレーキの壊れた巨体
海軍反省会記録第六十八回 真珠湾で得た戦術的勝利、根本的失策
【三代発表】
真珠湾攻撃直前、アメリカの読み
奇襲により米国は大混乱に陥った
奇襲後の動きと総合戦果
【質疑応答】
そもそも真珠湾攻撃は逆効果だったのではないか
軍令部と連合艦隊の激論
トップの議論はきちんと行われたのか
読み誤ったアメリカの反応
潜水艦の視点―現場のリアリティは伝わらない
空母を逃して驕っている場合ではなかった
奇襲時における母艦の損害想定
真珠湾の勝利が国難を招いた
知米派・山本五十六が読み違えたアメリカ人の心理
通底する問題―大局観の欠如
海軍の歴史を将来に伝える―歴史館と記念碑
関連史料
永野元帥手記
<海軍反省会発言者>