戦艦大和の真実
まえがき
第1章 巨大戦艦の寂しき戦績
戦艦「大和」とはなんだったのか
ワールドレコード・エイジ
「日本刀の美しさ」
美しすぎてひ弱
「菊水作戦」は「アラモの砦」
無駄な沖縄突入戦
戦闘機の護衛なしの不可解
「神風」は抑止力
第2章 史上最大兵器の意図と現実
戦艦が初めて活躍した日露戦争
戦艦はヘビー級ボクサー
「大和」対「アイオワ」
戦艦がだぶついたアメリカ海軍
「大和」はおまじない
横綱同士の取り組み
目と足が衰えたボクサー
第3章 建造コンセプトの妥当性
極端な攻撃力重視
実戦とカタログ性能
オーソドックスな設計
平賀譲の個人的怨恨
成り行きで決まった
発注者は度胸が必要
第4章 技術を育てるソフト発想力
奇跡の兵器「VT信管」
想像力がない
奇跡の技術は民間人が開発
日本はいつも「最終列車」
第5章 プロジェクト推進体制の点検
戦線の拡大
真珠湾攻撃は余計な作戦
「白人対アジア人の闘い」
西太后と日清戦争
エージェント制と日露戦争
社会体制で軍の強さが決まる
隠さず外交に使うのが政治
秘密主義は国民性か
政治的思考を嫌う
第6章 インフラの充実と応用
外圧で急に目覚めるのが日本
日本はなぜ突然高度な技術を習得できたか
江戸時代にも入っていた海外情報
先物取引まであった江戸経済
第7章 情勢を戦力化するセンス
大戦艦は武田騎馬軍団
長篠の戦の疑問
固定観念を捨てられない軍人
理屈で考えられるのがエリート
遊ばせていた戦艦
「大和」が作戦の邪魔をした
今の日本は<戦艦「大和」>か
第8章 システムの正しい運用方法
「大和」は万里の長城か
汚名挽回の唯一のチャンス
十八インチ砲を活かすソフト
戦艦を酷使したアメリカ、イギリス海軍
戦艦は重油を食う
惰眠を貪った「大和」「武蔵」
戦争には狡猾さも必要
ミッドウェーで「大和」は「参加賞」
第9章 運命と評価に見る人間関係
現代に通じる計画と現実の落差
誤算が次々と起こるのが現実
ツキを呼ぶのも勝利の条件
本当は運が良かったから
第10章 人間集団における個性
「陸奥」「三笠」は味方の水兵が沈めた
「大和」から降りることができたか
最後は理屈より美学
吉田満と伊藤整一
『戦没学生の手記』
女性ヌードと菊水マークの違い
ユーモアを封じ込めたから敗れた
第11章 トップマネージメントに必要な条件
握り飯とフルコース
スリ・カッパライの教育
詰めが甘い日本の艦隊指揮官
指揮官は現場で行動すべきか
現場主義は単なる美学にすぎない
ハンモック・ナンバーでいいのか
学業成績とは別の才能
第12章 巨大プロジェクトの遺産
「大和」の本当に評価すべき点
「大和」を作る国家目的
造船業が世界一になった理由
あとがき
資料 戦艦の同一縮尺による比較/戦艦「大和」構造図