戦後企業会計史
はしがき
序
本書の趣旨
3点セットの戦後通史
本書の構成と時代区分
3点セット(会計基準・監査・開示)の会計制度の展開
経済のグローバル化(国際資本移動の活発化)と会計
戦前の会計の概説
企業会計の法制と会計基準
戦前の日立製作所にみる企業の経理実務
戦後会計の略史
会計基準
監査
開示
第1部 企業会計原則の時代
企業会計原則の制定から会計制度の確立へ
時代背景と会計制度の特徴
証券取引法による開示制度の導入
企業会計原則の制定
歴史の証言 「原価計算基準」とその制定過程(諸井勝之助)
証券取引法監査の実施と規定の整備
企業会計原則の普及活動と指導性の発揮
商法中心の会計制度の確立へ
企業会計原則の発展の時代へ
時代背景と会計制度の特徴
国際的経済環境の変化と新たな基準設定機関の登場
外貨建取引等会計処理基準の設定
連結財務諸表の制度化
商法改正と会計基準との調整
監査制度の進展と監査基準の改訂
証券取引法と公認会計士法の改正(虚偽記載への罰則, 監査法人の設立等)
商法監査の導入
監査基準の改訂
歴史の証言 ビッグ8の影響力拡大と監査法人の国際化(川北博)
証券取引法開示制度の改善(昭和46年改正)
証券取引法改正に至る背景
証券取引法改正の経緯
発行開示の改正事項
流通市場の開示の改正事項
虚偽記載等に関する民事責任, 刑事責任, 行政処分の改正
公開買付制度の導入
取引所の自主規制による開示
公的規制による法定開示と自主規制による開示
法定開示(定期開示ならびに臨時開示)と自主規制開示(適時開示)
決算短信と適時開示の歴史
業績予想の開示
四半期財務情報の適時開示
企業会計原則の時代における経団連の対応
証券取引法に基づく法的監査と企業会計原則・財務諸表準則
原価計算基準
商法監査の導入
連結財務諸表制度の整備
昭和56年商法改正と企業会計原則の修正
歴史の証言 経団連の「経理懇」(八木良樹)
第2部 会計ビッグバンの時代
ビッグバン前史
時代背景と会計制度の特徴
会計・開示制度の進展の概要
会計基準・開示基準の整備
会計ビッグバン
時代背景と会計制度の特徴
会計の国際化の進展―IASの抬頭
歴史の証言 IOSCOと国際会計(加藤厚)
レジェンド・クローズ問題
金融制度改革と会計ビッグバン
会計基準の整備
連結中心の開示と連結財務諸表原則の改訂
金融商品会計基準
退職給付会計基準
研究開発費会計基準
税効果会計基準
固定資産の減損会計
企業結合会計
歴史の証言 ASBJの試練(秋葉賢一)
監査制度と監査基準の整備
国際監査基準とのコンバージェンス
整備の概要
監査法人の再編・Big5との提携
証取法開示制度の新たな展開
1992(平成4)年の証券取引法改正
1994年及び1997年の証券取引法改正
金融システム改革法(1998年)
開示制度をめぐる諸規制の整備
会計ビッグバンの時代における経団連の対応
発行開示制度の簡素化・合理化
セグメント情報の導入
連結中心の開示への転換
商法における連結計算書類の導入
第3部 会計・監査のグローバル化への対応の時代
時代背景と会計制度の特徴
経済のグローバル化の一層の進展
米国での会計不正と米国会計基準批判
IASBの創設からIFRSのグローバル基準化へ
わが国のIFRS対応
歴史の証言 M&Aの視点から見た国際会計基準(丹羽昇一)
IASBとASBJの創設
IASCからIASBへ
歴史の証言 IASBと日本の関係者との良好な関係(山田辰己)
会計審からASBJへ
EU, 米国等の動向と日本の対応
EUのIFRS採用と同等性評価
米国の方針転換
わが国のEU, 米国の動きへの対応
IFRSをめぐる諸外国の動向
歴史の証言 グローバル・ネットワークづくりと国際協調(藤沼亜起)
企業会計審議会等の動き
経団連の対応
日本公認会計士協会の対応
会計審中間報告と金融庁の規則制定
ASBJとFASFの活動
民間における会計基準の開発
コンバージェンスの促進
国際対応の促進
歴史の証言 企業会計基準委員会の設立から今日まで(西川郁生)
FASFの財政基盤確立とIASCFへの資金拠出
IFRS対応会議の設置
会計基準の整備
概念フレームワーク
適用指針の作成とコンバージェンスの開始
連単分離方式での制度対応
会社法制への対応
東京合意以後のコンバージェンスの加速化(主要論点と改正内容)
当局の会計基準の承認手続(審議会・ASBJ・IFRS)
中小企業の会計指針
中小企業の会計に関する指針
IFRS for SMEs
監査制度・監査基準の国際化
公認会計士法の改正
監査領域の拡大
監査基準のグローバル化への対応
歴史の証言 リスク・アプローチの監査基準への導入(脇田良一)
IESBA クラリティ・プロジェクトと倫理規則の改正
証取法から金商法へ
金融商品取引法(2006年)
第4部 グローバル化への更なる取組み
会計審中間報告(2009年)以降の日本の動き
IFRSの本格導入をめぐる内外の動き
会計審「当面の方針」の取りまとめ(2013年)
経団連の対応
会計基準の整備
中小企業の会計基準の整備
監査をめぐる新たな動き
平成25(2013)年の監査基準の改訂及び監査における不正リスク対応基準の設定
平成26(2014)年の監査基準の改訂
IFRSの本格導入と監査対応
IFRSF/IASBのグローバル基準化に向けた動き
リーマン・ショック・世界金融危機とグローバル基準(G7の関与等)
ガバナンス改革と戦略見直し
アジェンダ・コンサルテーション2011
IFRS財団, 東京にアジア・オセアニア事務所を開設
ASAFの設置(二者協議から多国間協議によるIFRS設定へ)
概念フレームワークの早期完成へ
収益認識基準の国際的コンバージェンスの達成
今後の展望
グローバル基準に向けた動き
日本の進むべき方向
あとがき
参考文献一覧
附属資料
戦後会計年表(1945年8月~2014年6月)
ASBJ基準書等(2002年1月~2014年6月)
IFRS基準書等(2003年1月~2014年6月)
企業会計審議会とその前進の歴代会長
企業会計審議会意見書一覧および会長・部会長
FASF, ASBJの歴代理事長, 委員長等
わが国選出のIFRS財団トラスティ, IASB理事等