現代に伝えたい私の「満洲」
編集者まえがき
序章 愛児達に遺す書
父の生い立ち
父の躍進時代
父の全盛時代
敗戦
ハルビンの日本人男子俘虜
第一章 在満三十年の走馬灯―侵略の魔手から中国を守った日本人
始めの言葉
中国領満洲を死守した日本
電光石火ロシアの満洲侵略
鞘走る破邪の剣
国難の代償は鮭の尻尾半分
井の中の蛙大海を知らず
対支二十一ヶ条と排日の烽火
満鉄包囲線と張作霖の謀略
中国は群雄割拠の乱世
鉄嶺は日支軍隊衝突事件
磯節を唄ってはならん
日貨宣伝キャラバン隊
孟将軍の叛旗と第一奉直戦
第二奉直戦
郭松齢参謀長の叛旗
張作霖関東軍の袖に縋る
郭将軍無残な敗走
蒋介石の北伐と張作霖の爆死
満洲日本青年模擬議会
奉天政権の知恵袋お手討
中村大尉虐殺事件
満洲事変勃発
鉄道の犬釘抜取事件
日本軍進撃南満を制圧
満洲建国の大理想
満鉄の活躍、図佳線敷設
世紀の盛典図佳線開通式
国防の重点虎林線全通
東満の防壁綏寧線
汪寧線開通東満国防完璧
仙洞森林鉄道開通
鏡泊湖の電源開発完成
満洲の山河は生きている
第二章 玉砕から一転してそれ逃げろ―列車にも乗れず延々長蛇の列
阿鼻叫喚の牡丹江脱出
猛火に包まれた横道河子駅
泥沼に沈む車、山中に軟禁
車は残骸、荷物は全部掠奪
決死の絶叫、最終列車を停む
豪華列車は軍人家族の疎開
お握り、喧嘩で妻を殴る
ソ連軍無血占領、百鬼横行大掠奪
第三章 東満洲死の大行進―天皇陛下自決の公表に悲涙潜々
東満洲死の大行進
長恨歌 ああ満洲
日本人狩り始まる、紳士も忽ち乞食
香坊守備隊跡に収容
天皇陛下自決の公表、全員慟哭す
香坊出発、初めての野宿
愈々死の大行進出発
第一の死闘、豪雨の中の焚火
第二の死闘、泥沼を四つん匐い
第三の死闘、愛の鉄拳か有情の鞭か
第四の死闘、餓鬼の前にご馳走の山
第五の死闘、遂に死者を出す
第六の死闘、野宿の大雷雨、凍死
軍歌に甦える「想婦憐」
佳人薄命、従軍の夢
死闘は続く屋根の下、強敵に戦慄
経文も破れ、聖書も焚け
忍び込んだ熱河戦の勇将
拉古婦人部隊と涙の対面
玉砕を夢見た北晴山に睡る
夫婦の愛情、決死の脱走
食糧は素通り、便所の周囲は麦畑
観月宴に阿倍仲麻呂泣出す
時代は二千六百年前に逆戻り
洋モクは要らんか、日本茶を飲め
廃墟の都、死の町、牡丹江市街
旧部下達と奇遇を喜ぶ
中佐参謀の軍服に烈しい憎悪
執念深いソ連人の復讐心
男は全部睾丸を抜かれる
裸虫から金時計、好餌で鯛を釣る
暗夜のハルビンに放り出される
第四章 凄惨!ハルビンの難民生活―四面楚歌に囲まれた敗戦民族
異国にさ迷う敗戦民族
乞食姿は総て日本人
氷を抱いて冷蔵庫生活
少年隊にも墓標は増える
日本人の露天商売始まる
乱世なればこそ女は強い
日本人の赤ン坊買いましょ
百戦の強者八路軍の進駐
全財産が一晩で紙屑となる
軍規整然たる八路軍に日本人喜ぶ
強制帰還命令に旅費稼ぎ
同値で日本紙幣と交換
芸無し猿の生きる道
去らばハルビン又来るまでは
珍案!跨線橋の荷物釣り
新京到着、長期足止めに困惑
新京の難民意外に好景気
新京から錦州へ無蓋車輸送
中国行商人の総攻撃
ドラは鳴る満洲よ左様なら
第五章 満洲ところどころ―懐かしの山河は生きている
大陸の玄関(大連)
在満同胞霊場の町(旅順)
氷を割って沈没船を拾う(営口)
無疵で引継がれた大宝庫(鞍山、撫順)
排日侮日の大本営(奉天)
軍都、美人の町、観光の町(鉄嶺)
歌手にならぬ前の東海林太郎(鉄嶺)
満鉄包囲線で打撃深刻(開原・昌図・四平街)
終着地変じて満洲の首都(新京)
恨は深し鴨緑江の血煙り(安東)
名物裸踊りとポンコツタクシー(ハルビン)
東満洲のゴールドラッシュ(牡丹江)
古都と東京城の王宮跡(寧安)
排日侮日の省都(吉林)
世紀の英雄馬占山(チチハル)
第六章 徒然草
頑固
満鉄会社に借金証文一札
米と塩が有れば生きて行く
月給は幾ら欲しいか
鉄嶺にはスッポンが居る
毀損される名誉が有るか
おれを背任罪に陥れるか
家賃を高くしてくれぬと困る
新聞値上の腹癒せ
これでも粋人の積もり
日本一小さな新興宗教
辻と三島と赤尾敏
連想(一)ヘラ鮒と暴力学生
連想(二)労働者で元豆挽ロバ
夢
長髪族は喧嘩をするな
日中国交回復万歳
男子去勢は本当だった
正道を歩む者何ぞ神を怖れん
取残された明治教育の遺物
殺人魔と文化人
島国育ちと大陸育ち
人間万事塞翁が馬
明治の子供と昭和の子供
公衆浴場は子供の教室
臨機応変の奇智
女性の皮バンドと憲兵
相手にされない暴力学生
謎の事件でも頭を下げる日本人
教えて欲しい年金の使い道
麻袋舞台とノースリーブ
最後の仕事は老働者クラブ結成
結びの言葉
あとがき
著者 年表