「証言録」海軍反省会 3
解説
海軍反省会記録第二十一回 軍令部の作戦計画を検証する
防衛研究所資料他参考資料の紹介
【松田発表】
「歴史と人物」所収記事について
南方作戦は素人の作戦
日本を潰す方法を米国に教えた真珠湾攻撃
新軍備計画について
米国の国民性を見誤った山本長官
イギリスだけは敵に回してはいかん
日米戦争勝敗の分け目は「二年以内」
【質疑応答・所見】
山本五十六はアメリカ上陸を想定していたのか
三国同盟は日米開戦の端緒
総力戦研究所の答申は効果がなかった
開戦時の中途半端な人事
日本の敗戦がやむを得なかった三つの理由
戦争終結に導く適任者の不在
在来型の艦隊決戦は果たしてできたのか
大井所見
国防方針、作戦計画はあっても戦争計画はなかった
国策の分裂はもっとさかのぼって検討すべき
海軍は、哲学的素養が足りなかった
今後の運営方法について
海軍反省会記録第二十二回 開戦経緯について
配布資料について
【内田発表】
検討資料「大本営海軍部大東亜戦争開戦経緯に関する考察」
開戦自体はやむを得ない自衛戦争であった
政治に介入しない海軍の体質
短期戦を想定した人事制度
軍令部令、及び省部互渉規定改正をめぐって
大陸政策に対する海軍の基本的態度
国際連盟脱退、軍縮条約破棄の背景
国策の基準と実態
統帥部が作成する国防計画の矛盾
日中関係改善不能の原因となった北支問題
英米との対立を決定的にした三国同盟
終始交渉による対米打開を主張
南部仏印進駐は海軍が主導したのか
一貫した対日非妥協政策
「総理一任」をめぐる誤解
海軍の非戦努力に一定の評価
敗戦の教訓
【質疑応答・所見】
必勝の見込みなしの自衛戦争は成立しない
なぜ、自分の所信を陸軍にぶちまけないのか
人事の不備を開戦に結び付けるべきではない
なぜ中支から海軍を引き揚げる時期を考えなかったのか
軍令部一課は、課長以下三国同盟反対
国会の予算審議について
「東条は悪に滅びず、愚に滅ぶ」
サイエンスや技術の研究は足りていたのか
三国同盟は防共協定ではない
政治が圧倒されて統帥が主導権を握った時代
海軍反省会記録第二十三回 海軍の通信技術―技術者と使用者に意思疎通のない技術開発の実態
【中島発表】
無線通信―潜水艦通信に超長波を利用
通信の不達・遅延による作戦への影響
レーダーの概況
日本海軍のレーダー開発
外国のレーダー開発
英・独に触発された伊藤中佐のレーダー研究
通信と暗号
【質疑応答・所見】
海軍では作戦上、暗号機械を使ったのか
通信や暗号を反省会の記録としてどのように載せるか
実戦で使える技術を要望
電探の実情調査
海軍技術研究所は象牙の塔
暗号は解読されていた
技術者と使用者との間の意思疎通不足
日本の潜水艦の戦果が挙がらなかった理由
イギリスVSドイツ レーダーによる攻防
通信に対する配慮のなさは、海軍の欠陥
アメリカの暗号情報の収集は、徹底していた
電探射撃で遠近弾の観測はできるのか
指揮官は情報に敏感になれ
海軍反省会記録第二十四回 独日関係―開戦直前からドイツ敗戦まで
【小島発表 ドイツから見た日本】
ドクトル・ハックの来日
リッペントロップの思惑
ヒトラーはイギリスを怖がっていた
ポーランド侵攻とイギリスの挙兵
独ソ不可侵条約―動揺する日本
ドイツの政策に踊らされる日本
ドイツにソ連との和平を忠告
大島武官の判断に疑問
【質疑応答・所見】
藤村工作(和平工作)の失敗
実らなかったドイツ空軍技術者移送計画
ヤルタ会談の真相
情報収集はベルリン集中から分散計画へ
日本の親独派に有利な情報ばかり流す大島大使
ヒトラーの対日不信と独日間の暗号漏洩
欧州武官は日独伊防共協定に反対だった
陸軍に影響される軍令部
ソ連攻撃の内報はなかった
藤村中佐の打電電報はなぜ不達だったのか
枢軸側は戦闘指揮者が相互不信
ドイツ人の性格について
ドイツはアメリカとの戦争を避けたかった
海軍反省会記録第二十五回 大艦砲戦とアウトレンジ戦法
【黛発表 砲戦はなぜ軽んじられたのか】
日本の標的射撃の命中率はアメリカの三倍
「軍艦戦闘部署標準」執筆の動機
却下された「艦砲射撃教範」の改定
戦闘射撃の精度を上げるには戦艦の重要配置を変えてはいけない
戦闘射撃の実力を発揮できる配員と訓練を
「海戦要務令」では実戦を補えない
【質疑応答・所見】
米戦力よりも優れた砲術技術をもっと主張すべきだったのでは
駐米日本武官の諜報活動
昭和十五年頃の艦隊編制では対米戦は不可能
アウトレンジ戦法の思想が浸透していた理由
日・米両軍に同じ審判基準 兵棋演習の問題
雷撃ができなければハワイ攻撃は無理
大艦巨砲の戦法から航空戦へ
最大射程からの砲戦は平時の訓練から
日本本土の空襲をさけるためには必要だった太平洋戦略
大東亜戦争は基地の攻略作戦
戦闘機と潜水艦に期待した山本五十六
海軍反省会記録第二十六回 実戦に追いつかない科学と技術
電探射撃についての補足
【曽我発表】
戦争は自然科学現象 戦争の抑止には高度の科学技術と哲学を必要とする
目まぐるしく変わる内閣 昭和十五~十六年
陸軍の大陸拡大政策に追従してしまった海軍 三国同盟から終戦まで
科学技術知識のある実戦経験豊富な配員の必要性
兵科将校の基本教育とは
【質疑応答・所見】
軍令部や連合艦隊の要求で左右される研究開発
日本人の欠点と特長
兵科将校にもエンジニアの自覚が必要だった
井上成美は戦下手か―実施部隊向き、幕僚向きの人選
セクショナリズムが技術開発を阻害する
精度には無頓着な日本の兵器
計算のできない、物を消耗するだけの日本
潜水艦は大型か小型か―軍令部の方針が定まらない
対潜技術に力を入れなかったのは潜水艦の能力の過大評価にあり
マリアナ沖海戦での潜水艦の役割
今後の会の進め方について
「統率」についてもっと批判があって然るべき
作戦計画は広い視野で
歴史、史実の研究が経験と勘を補充する
海軍反省会記録第二十八回(二十七回は欠番) 艦隊の水雷部隊―レーダー、ソナーの開発を軽視
諸連絡 会のまとめについて
【有田発表 魚雷戦の構想と成果】
魚雷戦の構想
輸送艦兼任と敵の制空権下での戦闘で被害激増
魚雷戦の訓練は戦艦部隊が中心―局地戦の演習は行わなかった
九三式魚雷の自爆―十分な駛走距離があだに スラバヤ沖海戦
水中測的兵器の研究、訓練の軽視
【質疑応答・所見】
九三式魚雷の自爆について
日本の駆逐艦はアメリカの潜水艦に三〇%も撃沈された
浅深度魚雷発射の実験は行われなかった
水雷関係のタービンとレーダーの遅れ
魚雷戦の指揮に疑問
九三式魚雷は優秀な兵器だが―戦況により威力発揮の機会を失う
アメリカ、イギリスは対潜作戦を徹底的に研究
兵器の使い方で技術は改良、進歩する
なぜ日本の潜水艦は駆逐艦にやられたのか
艦隊決戦一本勝負に終始する思想
帝国海軍の鉄砲屋に戦術なし
海軍反省会記録第二十九回 軽視された砲術
諸連絡 今日の内容と今後の予定
【黛発表】
砲術学校を反省する―高木惣吉氏への反論
海軍砲術界の大ミス
戦時の教育に適した戦闘部署標準の必要性を痛感
大和艤装中に射撃指揮系統の変更、水中防御の強化を具申
予備士官の教育について
【質疑応答・所見】
砲術学校長に実力なし
山本五十六は戦艦無用論者だったのか
「鉄砲屋に戦術なし」の思想
昭和十七年秋以降、アメリカとの砲戦術力に差
【大井提案 池田清「海軍と日本」について】
反対資料整備の提案
海軍は行政機構の一部、陸軍を抑える役目を負わせるのは間違い
三国同盟の締結は海軍全体の賛成を得たわけではない
反省会の総合所見草案の執筆
陸軍主導になったトレンドを追跡する視点こそ必要
次回の予定
海軍反省会記録第三十回 池田清「海軍と日本」への反論
諸連絡 「海軍と日本」の所見・検証
【大井発表 「水交」発表予定の記事について】
執筆動機
池田氏の三つの疑問
海軍の太平洋戦争開戦の責任について
引用資料の問題―近衛側資料を参照して書かれるべき
対米開戦論の影に、ヒトラーへの過信
【質疑応答・所見】
陸軍への説得努力は、理想論か
開戦時の状況は、事象の見方によって異なる
池田論文の海軍の欠点は長所ともなり得る事例
反省会の存在は外に知らせないという申し合わせを
反省会の最大の使命は、資料を残すこと
陸軍関係の悪い所も並べるべきではないか
池田論文は日本人の弱点を暴露した大きな教訓である
海軍が誤解されることに危惧の念
「海軍と日本」は池田氏的海軍である
海軍大臣は政治全般、国家の方向にも責任があるはず
陸軍側の批判の受け売りか
池田氏を招いて問題点を是正、補足してもらえばいいのでは
池田氏の経歴、勉強の範囲だけでなく幅広い検討を
野元構想 会の締めくくりについて
総力戦遂行には陸海軍を統帥する機関が必要だった
<海軍反省会発言者>