図書コウサ スル センソウ ノ キオク000058858

交錯する戦争の記憶

サブタイトル1~10
占領空間の文学
編著者名
黄 益九 著
出版者
春風社
出版年月
2014年(平成26年)11月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
367p
ISBN
NDC(分類)
910
請求記号
910/F14
保管場所
地下書庫和図書
内容注記
和書
目次

目次省略
凡例
序章
一 問題の所在
二 研究対象と焦点
三 戦後占領期文学の研究系譜
四 本書の構成
 
第一部 〈想起〉と〈忘却〉
〈占領〉と遭遇する戦争の〈記憶〉
――石川淳「黄金伝説」論
一 「黄金伝説」の舞台
二 交錯する〈記憶〉の残影
三 窮地に立つ「過去」
四 占領空間と〈記憶〉
〈記憶〉に苦しむものたちの〈戦後〉
――野間宏「顔の中の赤い月」における復員兵と戦争未亡人
一 戦争の〈記憶〉という題材
二 復員兵の〈記憶〉
三 戦争未亡人と〈忘却〉の作用
四 〈記憶〉をめぐる心理的乖離
五 封じ込められる〈記憶〉
〈記憶〉と〈忘却〉の衝突
――井伏鱒二「遙拝隊長」と〈戦後〉という戦場
一 戦争責任と村落共同体
二 〈狂気〉の素描と共同体の欺瞞
三 〈証言〉と〈記憶〉
四 〈記憶〉の抑圧と包摂
五 もう一つの〈戦場〉
〈記憶〉の反転
――田宮虎彦「異端の子」における戦後ナショナリズム
一 「逆コース」と文化的な磁場
二 悲劇の暗部――二つの〈戦争〉
三 〈記憶〉と暴力の相関
四 排除の論理と自己正当化
五 〈記憶〉の変容可能性
 
第二部 〈記憶〉の変容
〈正義の味方〉と創られる〈記憶〉
――山川惣治「少年王者」の想像力
一 和製「ターザン」の誕生
二 〈記憶〉としての〈南方〉と「暗黒大陸」
三 〈恩返し〉の美談
四 キリスト教と〈正義の味方〉
五 「信念」に伴う問題
「引揚げ」言説と〈記憶〉の版図
――石森延男「わかれ道」が発信する美談と「故郷」
一 「引揚者問題」と子供世代
二 「引揚げ」体験と〈語りの回避〉
三 引揚者の〈声〉と「わかれ道」の美談
四 自己欺瞞と〈記憶〉の再構築
五 引揚者と「新日本建設」
〈記憶〉のポリティクス
――教科書『中等国語』と教材「少年の日の思い出」
一 『中等国語』と「少年の日の思い出」
二 〈自己否定〉という道徳
三 〈記憶〉の屈折
四 〈記憶〉の創出と教科書
五 すり替えの論理
語られるノスタルジア・蔽われる〈記憶〉
――壺井栄「二十四の瞳」の欲望と遺産
一 記憶物語としての問題
二 「無垢な共同体」から「感情の共同体」へ
三 〈共同体の記憶〉とノスタルジア
四 語らない物語
五 「反戦」と「忘却」の二重奏
終章 〈戦後〉に問いかける〈記憶〉
参考文献
図版一覧
初出一覧
あとがき