「諜報の神様」と呼ばれた男
- サブタイトル
- 連合軍が恐れた情報士官小野寺信の流儀
- 編著者名
- 岡部 伸 著
- 出版者
- PHP研究所
- 出版年月
- 2014年(平成26年)9月
- 大きさ(縦×横)cm
- 20×
- ページ
- 378p
- ISBN
- 9784569820972
- NDC(分類)
- 391.6
- 請求記号
- 391.6/O37
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 昭和館デジタルアーカイブ
序章 インテリジェンスの極意を探る
唯一、イギリス秘密情報部に徹底マークされた日本人武官
諜報の神様、ヒューミントの達人
オシントで米の原爆情報も
バックチャンネルとしての和平工作
日本版CIA設立に向けて
第一章 枢軸国と連合国の秘められた友情
カサブランカに眠る日本の恩人
「あなたはポーランドの真の友人」
死後四十五年目の昇進と「英雄」の顕彰碑
ポーランド諜報機関の栄光と悲劇
「民主化から二十五年」の歴史見直し
「英米に背いて、日本のために働く」
第二章 インテリジェンス・マスターの誕生
ロシア語とドイツ語に堪能な陸軍武官
「生きた語学」を実戦で学ぶ恰好の機会
ハルビン留学――ホームステイで「ネイティブ」に
情報活動に必要な語学能力を次々と身につけて
英才教育を受けて「陸軍第一の赤軍通」の道へ
第三章 リガ、上海、二都物語
「ヤルタ協定は史上最大の過ち」――ブッシュ米大統領演説
ソ連ウォッチャー揺藍の地
ラトビアでソ連の「隠された真実」に肉薄
「赤いベール」の内側を垣間見る貴重な機会
命にも等しい暗号書を着物の帯に
一九四四年に暗号書を盗まれ、日本陸軍暗号も解読される
日本の「ブレッチリーパーク」は高井戸の養老院
日本を尊敬し、日本のために働いたエストニア
エストニアと共同でソ連潜入の秘密工作
武官仲間を魅了した人間力
中国共産党が謀った? 盧溝橋事件
参謀本部ロシア課の危惧、そして終戦工作
元共産党員から台湾人まで――梁山泊の小野寺機関
黒幕コミンテルンの野望を見抜く
「軍が同意すれば」――近衛文麿の気のない返事
必死の巻き返しで、形勢は一カ月で逆転
皇道派と統制派の対立
陸軍中央のダブルスタンダード
蔣介石から贈られた「和平信義」のカフスボタン
第四章 大輪が開花したストックホルム時代
「欲しい物は欲しい。しかも絶対に失いたくない」
プロイセンの東方征服イデオロギー
ドイツの英本土侵攻はあるか、ないか?
「右腕」マーシングの獅子奮迅の働き
夢想的な「日独伊ソ四国同盟」に疑問を呈した人々
同盟国をも惑わすドイツの偽情報
イワノフ「棺桶」情報が最後の決め手
ヒムラーが忌み嫌った「世界で最も危険な密偵」
ゲシュタポから守り通すための最大の配慮
二人はいずれ劣らぬ愛国心と正義感の塊だった
インテリジェンス・サイクル機能不全
小野寺の独立した協力者
MI6より日本に忠誠をつくす
〝ソ連情報源〟の開示を迫ったキム・フィルビー
奇縁か幸運か――リガで結ばれた絆
親日国の情報士官が担う諜報ネットワーク
現代は「青天井」が業界の常識
ヨーロッパの情勢はまことに絶望的――無視された小野寺の警告電報
第五章 ドイツ、ハンガリーと枢軸諜報機関
七〇人の協力者の大部分と恋愛関係に
情報「等価交換」が奏功した枢軸インテリジェンス連合
聡明で語学堪能、そして強い愛国心と法学博士号を持つ弁護士
007のようにハンサムでスマート
ストックホルムにおける最も重要なニュースソース
クレーマーと小野寺はいかに情報を共有したか
最高機密、ノルマンディー上陸作戦の情報が漏洩していた
結果的に協力者となったドゴール派の情報士官
「遠すぎた橋」――マーケット・ガーデン作戦の情報を摑め
オノデラとフィリップからの情報は生かされていた?
「ハンガリーは同じアジア人として日本を尊敬してくれた」
ドイツの諜報機関のエージェントだった特派員
「一流の新聞記者は自分で事件を起こしてそれを報道する」
商業メディア関係者としては異色の存在
祖国を愛する心に欠けたがゆえに危険人物に
小野寺から提供を受けた二つの最有力情報
「ヒトラーの死亡が確認され次第、スウェーデンで和平交渉に入れ」
リッベントロップ外相から小野寺への和平仲介要請
バックチャンネル(裏ルート)の先駆け
フィンランドからソ連暗号資料を買い取る
ソ連暗号資料を米英にも引き渡した小国の知恵
米国にエストニア人工作員を潜入させよ
黙ってこの地に置く――スウェーデン当局が与えた手厚い保護
米軍暗号解読の成功につながった暗号機購入
ピアノ線とボールベアリングを調達する
ソ連共産主義の世界制覇への野望を警告
東京からの指令は「ソ連とより良好な関係を構築せよ」
「日本中枢が共産主義者に降伏している」
第六章 知られざる日本とポーランド秘密諜報協力
バッキンガム宮殿近くのクラッシックホテルにて
欧州情勢は複雑怪奇なり
ポーランド独立の英雄・ピウスツキ将軍と明石元二郎
シベリア孤児、七六五人の奇跡の物語
「日本人の親切を忘れない」――インテリジェンス分野での協力
ドイツ暗号「エニグマ」解読の基礎を作ったポーランド
外交特権を切り札に、ポーランド諜報組織を守る
ヒューマニズムとインテリジェンス
ポーランド軍将校や避難民をいかに救出するか
ポーランド軍が用意したゴム印と偽造ビザ
ドイツ保安警察に暴かれたポーランド諜報網
日本諜報組織「東」部門チーフの小野寺と、その配下の杉原
バチカンも関与した全欧規模の諜報ネットワーク
少年まで動員して「約束」を守り通したポーランドの心意気
窮地に立つ日本を救うべくもたらされた最高精度の機密情報
スターリンの野望が現実のものとなる日
届けられた世紀のスクープ
わが友である日本には、自分たちのような悲劇に陥らないでほしい
「偽情報が多かった」という発言の真意
終戦から三十八年目に「不明」発覚
「会談直後にソ連の対日参戦の約束知る」
「見たのはスペインの須磨電報」
須磨電報は観測情報だった
第七章 オシントでも大きな成果
軍事秘密を除く国家秘密の大半は、公開情報から入手できる
摑んだものの握りつぶされた? アメリカの原爆情報
新聞が描き出す、隠しきれない重要情報
第八章 バックチャンネルとしての和平工作
スウェーデン国王グスタフ五世からの忠告
和平工作に乗り出す可能性があった王室ルート
「戦争の後始末は、我々がやろう」
悔やまれる岡本公使の「妨害」
プリンス・カールからの提案
ソ連参戦まで、残された時間はあと三カ月しかない
「オーソリティーの手に移されたから、よい結果が期待できます」
重光葵外相が進めたバッゲ工作の蹉跌
国益を毀損した岡本公使の告げ口
ソ連を通じての和平工作は、もっとも好ましからざること
「工作を促進せられたし」――八月十六日に届いた電報
ポツダムに届いた国体護持と降伏意思
終戦前日、英王室から親電
あとがき
主要な参考文献
装丁(川上成夫)
装丁写真(小野寺家提供)
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