語りかけるシベリア
Ⅰ シベリア再訪――三年半と二時間――
『昭和』とともに
Ⅱ 兵隊生活八十日――「考える」ことなき集団のなかで――
満州へ渡る
召集で軍隊へ
兵営での日々
逃亡者
ソ連の参戦
武装解除
自然現象のような敗戦
自然現象ではない戦争
ある中学校長との出会い
Ⅲ 軍隊そのままのシベリア移動――いたむ戦争の傷あと――
敗れても壊れぬ軍隊
冷静な中国人の眼
ソ連軍の支配下に
ソ連領へ入る
ソ連兵の姿
収容所生活始まる
バブストアでの農作業とソ連人
勝利もあれば敗北もある
Ⅳ 酷寒のさなかで――人間は、まぎれもなく動物であった――
ビラへ移動
丸太をかつぎ出す
ただ食欲の鬼と化し
重くるしい雰囲気の収容所
異境でむかえた正月
さらに山奥の作業場へ
おもてとうら
栄養失調でついに入院
ある外科医
重症患者の四号室へ
四十年後のビルビジャン
Ⅴ 捕虜生活に馴れる――山での作業と収容所のくらし――
明るさをとりもどした収容所へ
サイドビラへ移動
伐採に従事
伐採に関連した仕事
作業のノルマ
自然のなかで生きる感覚
サイドビラの生活
雨を喜ぶ日本人
収容所内での分業
山仕事になれて
労働せざるをえないものの心情
捕虜の食事
徐々に整備されていった収容所
食前のアジテーション
収容所の秩序
ささやかな楽しみ
Ⅵ ソビエト社会のなかで――そこで見た普通の人たち――
雷イワノフ
踏切番
落ち芋ひろい
批判
ホンネの世界
Ⅶ 民主運動――変らぬ権威依存の体質――
日本新聞
外からきた民主主義
「民主主義」という新しい権威に押しまくられて
新選隊
さらに強力な「民主運動」へ
反対者に「反動」の烙印
小田自身が反動に
かたちだけの民主主義
Ⅷ 収容所にも文化が――人間らしさの回復――
将棋・花札・麻雀など
単なる楽しみから啓蒙の道具へ
さまざまなモノを創る
初めてきく解放のうた
Ⅸ いよいよ帰国――三年は無駄だったのか――
今度こそホントのダモイ
貨車にのって
シベリアの森林に思う
ナホトカで船を待つ
いよいよ乗船
何年ぶりかで日本へ
死ななかったから生きていた
Ⅹ 起点としてのシベリア抑留
なぜ捕われたのか
《昭和》の流れのなかで
戦争責任と反原発運動
《戦争》を考えてみる
個と組織と
あいのう(愛農)の場合
日本人の運動
生態系に目を開く
沖縄で考える
離島としての沖縄
自然に歩調をあわせて
あとがき