図書目録シベリア ヨクリュウ タイケンキ資料番号:000058794

シベリア抑留体験記

サブタイトル
私たちにとって終戦はなかった
編著者名
シベリア抑留の体験を語り継ごう会 編
出版者
神戸新聞出版センター
出版年月
1981年(昭和56年)9月
大きさ(縦×横)cm
21×
ページ
349p
ISBN
NDC(分類)
916
請求記号
916/Sh19
保管場所
閉架一般
内容注記
昭和館デジタルアーカイブ
和書
目次

1 満洲で
惨!婦女子の死体の群れ(青木太)
働突の丘!「赤い夕日」の満洲(土肥忠男)
ひしひしとつのる不安(岡本繁)
砲をくれ!ソ軍を撃つのだ(細川親文)
貨車に乗せられて(大西嘉寿)
いったいどこに行くのか(志水朝夫)
連行の途中で見た老人と子供(中尾徳男)
ののしる者と涙する者と……(土居良一)
 
2 ソ連入り
さらば満洲、ハルピンを発つ(今中俊雄)
のろのろ輸送で沿海州を北上(川松芳夫)
もう太陽の出る方には戻らない!(藤田徹)
灰色の西域(M・K)
帰国の望みついえて、流刑地へ(長尾俊郎)
加わらなかった脱走計画(川上陸市)
日の丸の旗が(南駿一)
ソ連婦人のネッカチーフに(旧姓田中)
アンペラをかじり、尿を飲む(村田甚作)
ビタミン不足で夜盲症に(館野健)
ノルマと空腹の待つ山奥へ(柿野勝美)
格子なき監獄、囚人地帯を行く(志水朝夫)
銃剣に追い立てられる捕虜部隊の列(藤原健治)
張り切って渡った黒龍江(西川奈良男)
日露戦争のお返し(酒井好治)
ヤポンスキー、サムライ(真柴三郎)
臭気漂う囚人収容所(大西嘉寿)
見馴れないロシア文字(細川親文)
ミハイロスキーの凍丘(土肥忠男)
ここがお前らの住む所だ(金本朝男)
陰毛を剃る女性軍医(江上満寿男)
 
3 収容所
先ず天幕生活から始まった(池田満)
バイカル湖北部の収容所(藤沢正次郎)
自分のラーゲルと知らずに(吉野朝登)
人跡未踏の広野(幸野亮三)
丸太にアンペラ一枚の床(諏田秋雄)
ひげは伸び、目だけギョロギョロ(香川森人)
さびしい原生林の中(今中俊雄)
一緒に毛布をかぶって寝た(畠山定貴)
故郷の話(大西嘉寿)
離せなかった防寒外套(村上静夫)
政治犯の獄舎を改造して(梶山寿夫)
手を挙げる力のない喧嘩(志水朝夫)
私は建築部隊の煉瓦屋だった(姓名不詳)
配給を横取りしていた邦人将校(倉田整治)
優しかった少年歩哨(橋本芳一)
大便は凍って山になり(延近茂男)
横暴な班長(岡本繁)
有刺鉄線の中(細川親文)
ダワイ小僧との物々交換(江上満寿男)
殺人ラーゲルからの引抜き(市瀬卓男)
比較的恵まれた収容所(田中利久)
満腹感なしの三年(平田功)
ハラショー・ラボータの特典(船越滋)
 
4 労働
あなたたちは二年は帰れない(土居良一)
凍土との闘い(西村初)
赤鬼、青鬼(山本義光)
地獄に仏(松本安次郎)
寮の河原を地で行く(M・K)
私は牛馬にほかならなかった(神田幸男)
北斗七星は氷のごとく(南駿一)
血に染まる白雪(山本主雄)
〝罰〟は朝食なしの営倉入り(楠豊次)
太陽は一〇時から二時まで(今中俊雄)
生涯背負わねばならぬ後遺症(北島輝夫)
歩く(大西嘉寿)
夜中の非常召集(姓名不詳)
手袋なしの煉瓦運び(上田三男)
あばら二本骨折(藤木守)
視力の落ちた熔接作業(大森勇吉)
ブトの襲来(原田正隆)
治療中の身でもかり出されて(石川勇)
病友を背負って作業に(下江亘)
衣服はぼろぼろに(岸本行治)
赤旗が待つ農場(中野哲郎)
反抗の報い(高倉健)
我々は豚ではない(木曽博徳)
スト突入(小倉善右衛門)
疲労と空腹の末に(籠島繁治)
中が空の積草(柴山保之輔)
暁に祈る(藤田徹)
執事になった〝狼〟(北村勝次)
車を解体組立てろ(志水朝夫)
死んだ戦友がうらやましい(中村信一)
ナホトカ港の海底を忘れるな(有地優)
老人と少年の工場(今日日出太)
ハラショウラボータに据膳(中出正三)
飯を食ったなら働け(沖中武夫)
ソ連高級軍人の宿舎(赤木徹夫)
成績優秀故にダモイ(小熊安一)
囚われの身は悲し!(土肥忠男)
日本人のお人良し(船越滋)
怠けもし働きもした(岡本繁)
友もかばってやれない(藤川数人)
誰がための強制労働か(中塚賢)
国のためソ連国に作業に行く(田中春人)
手抜きして能率をあげる(岡崎堅次郎)
馬鈴薯冷蔵庫の中で作業(飛田春人)
 
5 酷寒
全裸の凍結人間(釜谷和夫)
抑留二年目の大寒波(寺田光男)
用便の往復、睡眠不足(沖田常三)
ツンドラ地帯の寒波(前川一郎)
切断された凍傷の指の山(真柴三郎)
氷結したバイカル湖(左右田省)
人も馬も雪中で立往生(藪元)
シベリアおろし(原田重道)
編上靴と共に指を切断(皿海義人)
小便の厚い氷の道(中村信一)
太陽があって影がない(大井祝)
濃霧のような酷寒の空気(村上初行)
坑内から出ると衣服が凍る(戸田正副)
超寒波で死亡者が続出(石橋正治)
看病の甲斐なく、凍死した友(中塚賢)
立ちくらみして人事不省に(西本金雄)
左足指が白蠟に(神藤昇平)
怖いのは凍傷(香野正己)
夏草の根元は雪の土(大西嘉寿)
悪魔のような爪を見るたびに(藤沢正治郎)
夏シャツで寒中の作業(高瀬渉)
猛吹雪の中で凍死した友(藤井光夫)
寒天に水を放り上げてみろ(築家誠三)
酷寒と死と(山本義光)
 
6 死
死の大行軍(原田正夫)
おはぎ、ありがとう(藤田徹)
死人に服は必要ない(中村信一)
雪解けの死体(圓山辰之助)
墓に供えた黒パン(小柴滋勝)
脱出を試みた者は射殺(田中藤吉郎)
雪中行軍、続出する死傷者(高田幸雄)
朝、横の戦友が死んでいた(竹田兼男)
吹雪で道を失い凍死(古屋寛二)
簡単に射殺する監視兵(市原猛夫)
エラブカの日本人墓(真柴三郎)
大きな穴、埋葬用か(山本勘一)
ソ連医学のための解剖(小林康男)
狼の餌食となった死体(芝地政夫)
「帰りたいのう」の声が今も(大西嘉寿)
停止しないから射殺された(志水朝夫)
脱走銃殺者を見せしめに(山本主雄)
シベリアでは死ねない!(藤井稔)
通夜もしてやれず(細川正身)
魚でも解剖するように戦友を(皿海義人)
墓標もない奥地の墓(萩野改門)
予備の便所穴に放置された狂者(川本守)
八パーセントが生き残る(中島一二)
脳裏を去来する戦友たち(川上陸市)
しらみの移動で死亡がわかる(坂田泰正)
なぜエレベーターに乗せないのか(加藤寿)
姓名をしるして埋葬(渡辺惣一)
発狂して死ぬ人も(三浦誠登)
好意的なソ連将兵、寝棺で埋葬(小林美喜夫)
ふんどしを握って撃たれた(内藤由蔵)
遺族に友の死を知らす(西山潔)
墓の溝にたまっていた人間の脂(檜尾重信)
感無量!丁重な葬式(細川親文)
私は友の名を覚えている(佐藤貞人)
ロ一つで殺された川崎君(木曽博徳)
逃亡兵を目前で銃殺(中野哲郎)
これが人間を焼く臭いか(小川伍郎)
ただ念仏するだけ(西村初)
さしみが食べたい(原田正隆)
死体をねずみがかじる(松岡一君)
死因は別にあった(田中愛三)
ダモイだよ、安らかに眠れ(香取弘)
亡き友の遺品も持ち帰れない(池野内一馬)
ソ連は自由の尊さを教えた(江上満寿男)
殺せー、殺せー(上本昌三)
何百人もの遺骨箱(栗栖一芳)
我が死を肉親に伝えてくれ(稲葉勇気)
火災で死んだ数百名(福場信義)
その人の名も聞かぬ間に(花岡達夫)
帰国を前にして焼死(遠藤彪)
 
7 食
味は塩漬魚の岩塩を使う(小林美喜夫)
鉄鋲の霜が水代わり(今中俊雄)
空腹で歩くのがやっと(細川政三)
早く殺してほしかった(福島定一)
水は飯盒に半分ずつ(林正雄)
帰国前少し食糧がよくなる(斉藤章)
時計や入歯で食物を(南駿一)
盗み食いする気力もなかった(大下正夫)
猛吹雪で食糧途絶(寺田光男)
三分の一が死んだ(池田勝正)
馬糞の中の麦(村田甚作)
パンとおはぎと塩にしん(大西嘉寿)
松の皮の虫も食糧(菊江卓藏)
野草を食べ下痢(延近実治郎)
パン屑を見つめる目、目……(岩成敏幸)
へびも蛙もいなくなる(田中武)
体力さえあれば(柴山保之輔)
小鳥の餌を取りに来い(西村初)
便所に捨てた馬鈴薯の皮も(小西光男)
人糞の上の馬鈴薯(西斉(名不詳))
体力衰弱者はなお弱っていく(豊田勲三)
せめてもの正月料理(鶴谷茂利)
ノルマと飢餓の悪循環(小川生夫)
蛙やへびは蛋白源(山内良一)
親兄弟にも話せなかった(山本主雄)
歯が次々と落ちる(中村宏海)
通夜の供物も取られる(種兼均)
小鳥の餌が我々の食(大井祝)
ソ連人の家の周りを拾いあさる(山本義光)
絶食(保科正人)
パン屑にタックル(森川猛)
差別食(香取弘)
塩鮭一切れに未練はないが(池田満)
「暁に祈る」吉村隊長(小田猛)
気狂い人参(原ロ辰雄)
営倉で豪華な食事(北村勝次)
愛馬は食べなかった(市瀬卓男)
ヤポンスキーは泥棒(古川秀雄)
青かびのにしんの干物(岡田要)(旧姓大束)
故郷とぼたもちの夢ばかり(熊谷章)
気狂い野菜(岸本行治)
石ころが餅に見えた(佐々木敏明)
月が鏡餅に見える(渡邊国雄)
捕虜は黙っておれ(円光寺秀頼)
街の清掃隊に化ける(藤田徹)
死んでもいい、こき使え(君嶋美武)
増配食を食べる音(江上満寿男)
病院の食事はよかった(桝原寛)
ソ連住民の温情(橋形君義)
腹一杯食べて死にたい(中村信一)
コンブ事件(志水朝夫)
作業隊にて(岡本繁)
 
8 衛生
麻酔のない手術(松沢厚)
残飯で生き返る(村上静夫)
病気と言っても嘘に取る(池田福一)
日本軍医も嘘と診断(大空裕)
入浴は命取り(中尾徳男)
赤チンが赤痢の薬(藤井光夫)
体温の低い者は損(落合悟)
肺病!頭の血が引いた(岡田秀夫)
高熱で歩いて行って入院(小谷喜代治)
熱気消毒もしらみ全滅せず(木下克己)
しらみと垢の体(松岡静真)
死体を積んだ馬橇の列(市原猛夫)
骸骨人間の血を吸うしらみ(大村富三)
しらみと赤痢と(小柴滋勝)
しらみで命を失う(成瀬春男)
火の上でふんどしを振る(芝地政夫)
事故が幸いし、帰国の途に(岡本繁)
しらみとの戦い(中村信一)
暖炉に落ちるしらみ(藤田徹)
不潔さにも馴れてきて(大西嘉寿)
離れての用便は射殺(大元徳一)
鳥目の便所通い(寿能亀一)
老大佐あわれ(真柴三郎)
歩きながら放水(松尾勇城主)
凍る大便の山(坂田泰正)
用便後、紙の代りに服の裏(福森登)
寝台の横で小便(松本健児)
樽一杯の小便運び(今中俊雄)
下痢の便所通い(高橋増美)
腸が出ていた兵隊(上田三男)
ビタミン松葉湯(時本十九一)
日本医学を見直す(船越滋)
丸裸で女医の前に立つ(越智数雄)
我々を案じてくれた女医(国武唯義)
ソ連女医の身体検査(志水朝夫)
防疫対策におおわらわ(細川親文)
 
9 ソ連人
捕虜の身、ただされるまま(杉原吉夫)
雪上に三〇分以上坐る(金田清惣)
強奪が仕事のソ連兵(柴田功)
三助以下のヤポン(山縣信敬)
病人に早く歩けと言う(横山泰明)
敗戦民族の悲哀(村上政徳)
つばを吐きかけられて(伊藤三郎)
日本には汽車があるか(土居良一)
戦死したソ連兵の償い(萩野政門)
屈辱と悲哀(池田満)
ソ連国は世界一強い(二井原時義)
家庭内のきつい差別(高見一)
ふんどしがスカーフに(村田甚作)
員数の数えられないソ連兵(藤川弘)
数に弱いソ連兵(西村保弘)
日本には月があるか(南駿一)
日本にはキャラメルがあるか(保科正人)
おばあさん、有難う(山本勘一)
霜柱の上を裸足で歩く(土井重吉)
帝政時代がよかったさ(松本喜市)
我々を大事にした所長(山崎三郎)
点呼と脱走のこと(大西嘉寿)
ソ連人とドイツ人(船越滋)
ソ連の生活にも慣れて(細川親文)
衣類一切ソ連国の物なり(藤井稔)
狐につままれたような一日(中本豊)
子供まで石を投げつける(松本健児)
寄せ書きの国旗まで強奪(副島茂雄)
寛大だったソ連兵(柴山保之輔)
髭面の陰険な日付のだるま(藪元)
早く帰って百姓をしろ(丸本義夫)
好意的なソ連人もいた(中間信夫)
 
10 リンチと脱走
互いが憎悪する世界(西村憲一郎)
反抗の故に国外追放(平本直行)
帰国足止め(大上千里)
初年兵はいつまでも初年兵(姓名不詳)
同じ日本人なのに(澄川博文)
全裸で室外に立たせ鞭打つ(共衛一臣)
たらい回しの制裁(小池薫)
船上のリンチ(江上満寿男)
食糧のピンはね、盗み続出(神谷敏郎)
反動分子と決めつけられて(志茂義夫)
顔が変形するまで殴られた(畑半二)
脱出計画挫折(堺春太郎)
脱走を断念(北村勝次)
逃亡者を飛行機が探した(野間芳松)
脱走兵を止めようとして(細川親文)
大逃走(佐藤千秋)
 
11 民主運動
どこにでもスパイはいた(志水朝夫)
日本の政府要人を殺せ(村田甚作)
共産党員の実力(土居良一)
スパイ(元久保一義)
あわれなソ連国民(大谷一三)
戦友同志の分裂(坊田寿男)
ハバロフスクで教育(前田誠一)
次第にアクチブが強くなる(香川豊)
軍組織が崩れ無力となった(水島正人)
思想運動の犠牲者たち(杉本秀三)
全員帰国する義務がある(酒井秀雄)
壁新聞に絵を書いた(原ロ辰雄)
反動は即時山奥へ(井田荒太郎)
帰国船を見ながら残留(中野歳秋)
何も彼も賛成、賛成(藤田徹)
囚人の僻地で五年(柿崎保)
山中さん、石井さんと呼ぶ(大西嘉寿)
「暁に祈る」隊長の裁判(時本十九一)
赤旗の歌は帰国の切符(松本安次郎)
スターリン大元帥に感謝状を(矢島斉)
君たちは何党を支持するか(長谷川武男)
そんな奴は乗船させるな(籠島繁治)
マルクス狂信者に告ぐ(江上満寿男)
表面だけの大根になれ(市瀬卓男)
馬脚を出す党分子(船越滋)
浅原正基の没落(村松正造)
恩賜の銀時計(細川親文)
 
12 長く暗い道
〝戦争に負けたのだから〟の一言で(小森松夫)
寒風は針のように痛かった(川淵実)
自分たちの悲運に泣く(後藤明)
ノモンハンの捕虜がいた(土居良一)
死を予感していた彼(豊岡弘)
鉱石の下敷になった戦友(池田正志)
屠殺場に追われる牛の群れ(井上保夫)
ノモンハン兵の紙片か(高橋賢一)
悲しみの傷跡(池上正一)
お前たちは賠償金の代りだ(稲佃干枝種)
生あれば或いは帰国もあろう(原田実)
語り尽せない数々の死(紺谷一夫)
極限の苦痛(河原積)
君たちは敗戦国の人だ(小木昇)
ユデ蛸(安原勤)
自分が言ったと言え(豊田茂)
脱走兵を軍用犬が追う(姓名不詳)
脱出の機会はあった(天野静雄)
国有財産汚損(真柴三郎)
友の肉を食う(奥田福市)
「無念」の一言(宇田春一)
同僚たちから恨みを買う(神田武盛)
一五年の刑(井口(名不詳))
私は特務機関の文官だったのに(山下一郎)
軍事裁判で一〇年の刑(福本隆行)
ほんとうのサムライがいた(青木太)
山の中にて(大西嘉寿)
日本刀がソ連兵を襲う(姓名不詳)
ゼネスト突入(村田浅太郎)
魂を安売りした日本兵(小森清雄)
スパイ団の仕組(細川親文)
マンドリンが火を吹く(洲崎種義)
二人の日本女性(山崎三郎)
赤児のむくろに哭く母親たち(久保田耕一)
彼女らは救えず友は銃殺され(新宅茂夫)
救ってやれない日本女性(槇本馨)
男装の麗人がいた(前田誠一)
杏子ちゃんを知らないか(藤原健司)
人目も色気もなかった(杉原一夫)
理の通じない国(原清)
熊の道(寺田光男)
雪上で落ちるように寝た(岡隆美)
技術者は得した(谷川鉄郎)
人間の脂で作った石鹸(望月角三)
亡き友の記録も取り上げられた(高橋玉男)
盗む者、盗まれる者(大下松夫)
失われた青春(山本一郎)
空しい訓示(池田満)
仮病を通して二年(山本主雄)
アブ、ブトの大群(畑中教祖)
疲れた友が看てくれた(野田定)
あわれ物乞う日本人(大藤正士)
気狂い部隊(神谷敏郎)
毅然たるドイツ兵(江上満寿男)
思い出は悲惨なことばかり(高橋貴意地)
ヒマラヤの望見できる所(田中潔)
外蒙で就労(孝田峻雄)
説明しきれない数々の苦しみ(斉藤孝之)
凍った遺体の埋る雪の丘(堂前秀夫)
生死の境を生きてきた(升本新吉)
日曜の休みは望郷の話だけ(河原一夫)
全員入院、隊は解体した(河原隼亮)
死線をさまよう(浅野稲男)
帰れる帰れないで喧嘩(横田若水)
故郷の話が明日の活力源(松尾昭雄)
家族のことをうわごとで(岩部卓一)
ウスチカメノゴルスク収容所(宮本保)(旧姓奥田)
死だけが約束されていた(高尾敏夫)
生ける屍(加藤徹行)
戦友の死も知らせられず(金田宣行)
帰国をあきらめたこともある(前沖克之)
 
13 薄日
シベリアの土に眠る友(高原(名不詳))
ソ連兵の発砲の中で労働(西吉只之)
浜松の鰻丼はうまかったよ(寺田光男)
帰国の日を支えとして(井田荒太郎)
星が自殺を思い止まらせた(穴井富夫)
カーチャもシューラも同情した(岡本繁)
ただ絶望だけがあった(跡村好明)
火の魂が日本に飛んで行く(平井俊一)
悪夢の中から帰って来た(升岡二郎)
父母恋しい夜のラーゲル(姓名不詳)
泣いていた大隊長(志水朝夫)
白骨と化した戦友たちの霊魂(檜尾重信)
郷愁の念に明け暮れる(亀井厳)
シベリァの悪夢(高橋貴意地)
夢でまたシベリアに立つ(土居良一)
たばこ欠乏(吉田浅太郎)
通行人にたばこをねだる(中村信一)
大女とたばこ(松本安次郎)
マホルカの魅力(大西嘉寿)
歌のおかげで帰国(善本武夫)
ひとときの安らぎ(城根恭一)
不可解な少尉ナターシャ(沖田金三)
妻から便りがあった(大西富郎)
ラーゲル生活での演劇とスポーツ(船越滋)
ハガキは我々を生返らせた(細川親文)
祖国を想い飲み歌う(江上満寿男)
14 ダモイ
迎えの船から聞こえる〝松の緑〟(内藤由蔵)
病人をこき使い先に帰国(東禮三)
デマに一喜一憂(江上満寿男)
日本船の見える山(伊藤正美)
石を手渡しする長蛇の日本兵(折田六四)
或る日、私は倒れた(宮下彦保)
帰国寸前にやけくそになる(姓名不詳)
段々畠の麦の穂の青さ(秋山武夫)
ナホトカで残された戦友たち(山ロ一満)
復員列車(保田忠良)
緑豊かな祖国(井田荒太郎)
よくも脱出できたものだ(太刀掛益雄)
運不運の分れ道(藤田徹)
春遠からじ(酒井金盛)
元旦にウンコ事故、運がいい(藤沢正治郎)
女子兵も軍医もいい人だった(岩下良雄)
植物人間(川松芳松)
死体番号〝五〇〇番〟(船越滋)
船を見ながら山に(土居良一)
木の葉が吹き流されるように(上野金吉)
R中尉を疑った私(堺春太郎)
お人好しの奮闘記(本多玄太郎)
不思議なノルマ(松沢厚)
入党決議文(松本安次郎)
天皇島上陸(田代香)
朝日に涙が輝いて帰国(志水朝夫)
ダモイ列車(細川親文)
 
15 回想
恩給法に二ヵ月足りない(大平平章)
平和は固く守らねばならない(今中俊雄)
奪われた青春(姓名不詳)
あの時の自分が自分だった(岩成敏幸)
立ち遅れた人生(岩室弘三)
日ソいずれのためか(東當明)
下北半島の猿(前平忠雄)
今なお続く後遺症(竹本芳夫)
故人の記録を取り上げたソ連(神谷為雄)
中支戦線からソ連抑留者に(江草照夫)
日本国政府は何をしているのか(丸子信一)
申訳ないことや残念なこと(原渉)
国の責任を問う(香川豊)
記録をしるす元気がない(長居準昭)
非人間的な仕打(中山坂一)
地獄の道(矢島斉)
抑留で寿命もすり減らされた(山口岳男)
捕虜とはこういうものか(平岡竹夫)
遺族の方々の心中はいかばかり(吉津行男)
ウリスの丘に眠る戦友たち(中村信一)
軍人恩給打切り(小川重男)
戦況を詳しく知りたい(榎畑文雄)
前代未聞の囚人(小林宏至)
森軍医殿の消息(大西富郎)
真相を語り継ぎたい(吉野重雄)
運命と言っていいのか(樽本重男)(死亡)
鋳物の湯を運んだ友よ(大森勇吉)
世界史に残る残虐の爪跡(岡野行俊)
満洲・ソ連で死者計約三五万人(籠島繁治)
懐しいなあ(中山茂)
夫は二ヵ月前に亡くなった(阪田イワノ)
君知るや!木の墓しるべ(土肥忠男)
―北天の星と消えた惟友―
 
付北朝鮮脱出記
亡き主人を胸に三八度国境線を突破(小野信子)
本文カット(川崎増雄)(神戸市)

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