情報覇権と帝国日本 1
はじめに
第一部 海底電線と通信社の到来
一九世紀情報覇権と日本
江戸時代の対外情報システム
一九世紀西欧情報覇権の成立―海底電線と通信社―
英字新聞チェーンによるニュース流入
幕末における翻訳新聞
大北電信会社海底電線の上陸
大北電信会社からの提案
交渉の背後にあるイギリスの政策
大北電信会社との約定成立
一八七三年の改訂交渉
ロイターの進出
海底電線を追って通信社の登場
ロイター横浜支局の開設
海外ニュースの受信と海外へのニュース発信の試み
一八八二年海底電線約定改訂―長崎・釜山海底線と独占権付与―
太平洋横断海底電線の提案
大北電信会社約定改訂問題の浮上
大北電信会社の要望に対する政府部内の検討
新約定締結
第二部 国際ニュース通信への願望
通信社活動の胎動
一八七七年の海外ニュース
一八八二年の国際ニュース
相場通信社の生成
国内通信社の形成
『官報』とロイターとの契約
日清戦争を契機とする国際ニュースの活発化
日清戦争直前の国際ニュース
横浜英字新聞のロイターとの契約
ロイター密約による対外ニュース発信
ロイターと日本の新聞社の直接契約―独占とシンジケート―
大北電信線依存脱却政策の台頭と高い壁
太平洋横断電信線の開通
大北電信会社線脱却政策の模索
大北電信会社約定改定交渉
第三部 帝国日本の生成と西欧情報覇権
日露戦後の対外ニュース発信の形成と難航
日本電報通信社の設立と地方紙への外電配信
朝日新聞社のロイター中止とタイムズ特電契約
対外新聞電報発信の試み―対清国新聞電報―
対米ニュース発信の試み―東洋通信社の設立―
国際通信社の発足と第一次世界大戦期の国際情報変動
国際通信社発起とイギリス情報覇権の壁
国際通信社の経営
第一次世界大戦と国際ニュース
政府情報機関への胎動
国際通信社の経営強化と対ロイター関係
対中国宣伝活動と統合的宣伝政策の必要性
中国大陸での東方通信社の拡張
日支共同通信社の活動
日本電報通信社の北京進出
東方通信社の地域情報覇権構想
外務省新聞政策計画案と新東方通信社の設立
注
図1 ドーヴァー・カレー間の海底電線敷設、一八五一年
図2 米グリニッジのグラス・エリオットで製造された大西洋電線、一八五七年
図3 ペルシャ湾のファオに陸揚げされたインド・ヨーロッパ電信
図4 一八九八年、東洋と連結した東方電信会社系のケーブル・ルート
図5 地球を取り巻く環としての海底ケーブル
図6 ロイター通信の創始者、ジュリアス・ロイター
図7 シベリア電信線の見取り図
図8 極東での最初のケーブル敷設に参加したスチームフリゲート艦「Tordenskjold」号
図9 ベルビュー・ホテル
図10 ヘンリー・M・コリンズ
図11 海中から引き揚げられた日本初の海底電信線
図12 大北電信会社海底線図
図13 大北電信会社社屋
図14 大北電信会社電信線
図15 日本政府大北大東両電信会社日中通信交渉
図16 アジアの海底電信線 一九〇六年頃の通信網
図17 長崎上海間日本政府海底線開通式
図18 国際通信社 社屋と社員
図19 AP初代総支配人、メルヴィル・ストーン
図20 AP通信東京支局長、ジョン・ラッセル・ケネディ
図21 一九二三年、国際通信社とロイターとの契約文書
表1 四新聞海外電報数(一八七七年七月)
表2 各新聞掲載海外電報数(一八八二年七月)
表3 『時事新報』一八八二年七月掲載海外電報
表4 『郵便報知新聞』一八八二年七月海外電報
表5 『朝野新聞』一八八二年七月海外電報
表6 『東京日日新聞』一八八二年七月掲載海外電報
表7 一八九三年一月東京主要新聞電報調査
表8 東京・大阪各新聞推定発行部数
表9 通信社発行高
表10 『新公論』各紙外電状況
表11 国際通信社出資者
表12-1 国際通信社創業見込み
表12-2 予算A 初年度上半期月次予算概要
表12-3 予算B 初年度下半期月次予算概要
表13 国際通信社一九一五年九月収入
表14 国際通信社一九一五年一二月収入
表15 国際通信社一九一六年二月収入
表16 内国外国電報指数
表17 『東京朝日新聞』掲載海外電報