終戦史
- サブタイトル
- なぜ決断できなかったのか
- 編著者名
- 吉見 直人 著
- 出版者
- NHK出版
- 出版年月
- 2013年(平成25年)7月
- 大きさ(縦×横)cm
- 20×
- ページ
- 397p
- ISBN
- 9784140816103
- NDC(分類)
- 312
- 請求記号
- 312/Y91
- 保管場所
- 開架一般
- 内容注記
- 昭和館デジタルアーカイブ
プロローグ 「終戦」というフィクション
明治維新・太平洋戦争・現在
映画「日本のいちばん長い日」と、刷り込まれた陸軍像
「クーデター騒ぎ」の実態
「わたくし自身はいかようになろうとも」
戦後利用された「クーデターの恐怖」
終戦史研究の“地殻変動”
終戦史の「三つの間違い」
戦後の肉声証言とその信憑性
第一章 「ソ連参戦」を日本は知っていた
日本はヤルタ密約を知らなかった?
在外日本武官の諜報ネットワーク
ヤルタ密約を伝える海軍武官電
ソ連参戦を警告するリスボンの陸軍武官電
リスボン陸軍武官・松山直樹
陸海軍武官電から読みとれること
ヤルタ密約電は握りつぶされたのか?
情報将校・小野寺陸軍武官の評価
小野寺への奇妙な指令電
スウェーデン王室との和平仲介会談
当時の参謀本部の対ソ判断
小野寺が送ったヤルタ密約電の本当の意味
ホプキンス・スターリン会談でのスターリンの発言
参謀本部の判断「ソ連は熟柿的好機を狙っている」
小野寺電は活かされていた?
ヤルタ会談直後の小野寺と参謀本部の往復電
小野寺はヤルタ密約情報をどれだけ確信していたか
「ソ連は直ちに参戦しない」
小野寺電を握りつぶす参謀はいなかった
参謀本部の情報管理術
楽観情報は小野寺からもたらされた?
神格化された小野寺武官
スルーされたヤルタ情報と「ベストシナリオ」
軍を見下していた外務省
「小さい規模」のセクショナリズム
リスボン電は活かされたのか?
遮断された組織、見過ごされた情報
日本型組織の「慣性の法則」
岡本公使の決定的な仕事
神田襄太郎の悲痛な意見電
第二章 日本陸軍 終焉の実態
陸軍は本気で「一億玉砕」を考えていたのか
梅津美治郎という地味な軍人
梅津美治郎と東郷茂徳
鈴木貫太郎内閣発足・対ソ工作の開始
梅津参謀総長の「終戦工作」
海軍の早期和平工作
梅津を読めなかった和平派
「恬淡軽率」な米内光政の挫折
六月八日の「強硬」決定
「戦争完遂」と「戦争終結」
隠された「第三案」
中間派・梅津の「衝撃告白」
昭和天皇が気づいたこと
継戦不能・陸軍の理想と現実
「水際決戦構想」にみる陸軍上層部の本音
「カカシ」だった関東軍
壊滅状態だった本土防空体制
「陸軍という権威」は既に地に堕ちていた
その時、陸軍はパニックに陥っていた
機能不全に陥っていた軍組織
現実逃避としての「徹底抗戦」
運命の六月二二日
梅津の「ギブアップ宣言」
見過ごされた転換点、埋まらぬ齟齬
「木戸試案」のルーツ
ありえた「六月終戦」
「陸軍・早期講和派」の筆頭格・松谷誠
「陸軍・中間派」梅津の懐刀・種村佐孝
第三章 東郷茂徳の「ロードマップ」
広田・マリク会談
「スローモー」東郷の謎
統帥部の「東郷詣で」
対ソ工作の何が「手遅れ」だったのか
有末証言の信憑性
対ソ工作は本当に「軍部のゴリ押し」だったのか
「日ソ提携論」という底流
スターリンの確信
対ソ交渉の実現性
「外交上の余裕」
天皇の意向、目覚めた首相
いつも通りの堂々巡り
実現しなかった特使派遣
「空白」の七月
対米英直接交渉という目論見
スタート地点としての「ポツダム宣言」
ジェスチャーとしての対ソ交渉
「対米直接交渉はソ連参戦を誘発する」との意見電
情勢変化を警告する海外電
「スルー」された対米直接対話のチャンネル
「残存戦力」という前提条件
「一撃」をめぐる東郷外相と阿南陸相
「九月終戦」構想
統帥と国務の奇妙な逆転
外交電の絶望的な「甘さ」
東郷の「一撃和平論」
八月九日・一八〇度の方針転換
一撃要請は「ブラフ」ではなかった
八月九日の東郷発言を支えたもの
軍の現状を知らなかった対ソ交渉の関係者たち
東郷は関東軍の現状も知らなかった?
なおも「一撃」に固執した阿南の未練
誤報に踊らされた末期日本軍
梅津が固執した「東郷外し」
結局、何が問題だったのか
第四章 なぜ決断できなかったのか
鈴木貫太郎首相は何をしたか
「よろしく合戦」
開戦時との共通点
「腹の中はともかく」の問題点
官僚機構の問題
「中間派」の戦争終結
「天佑」発言の無責任さ
「終戦」は誰を納得させるものだったのか
革新官僚の戦後構想
「日本国家再建法策」とは
終戦構想にみる松谷と毛里の相違点
理想のために国民を騙した官僚たち
高木惣吉が革新官僚を警戒した理由
昭和天皇の「決断」の真意と謎
戦後の「功労者レース」
「違和感」の正体
甘い感傷よりも勇敢な反省
資料編
あとがきにかえて
凡例・用語説明等
註
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