短歌と天皇制
天皇不在の「歌会始」とは―序にかえて
I 歌人は検閲をどう受けとめたか
1 昭和発禁歌集の周辺―もうひとつの昭和短歌史
(1) 「発禁」とはなにか
(2) 発禁歌集を探すには
(3) 発禁歌集・歌書の周辺
2 戦時末期における短歌弾圧―『特高月報』を中心に
(1) はじめに
(2) 昭和一七年まで
(3) 昭和一八年
(4) 昭和一九年
(5) おわりに
3 占領期における言語統制―歌人は検閲をいかに受けとめたか
(1) はじめに
(2) 検閲のあらまし
(3) 短歌―検閲の周辺
(4) おわりに
II 歌人の戦争責任の行方
1 ある歌人のたどった道―逗子八郎は一人か
(1) なぜ逗子八郎なのか
(2) 新短歌運動の旗手
(3) 情報局任官の背景
(4) 短歌弾圧・短歌報国の推進
(5) 戦争責任の行方―近年の逗子の発言から
(6) 短歌史・文学史における戦争責任
(7) おわりに―現代歌人の転向問題
2 短歌による戦争体験の継承は可能か―『昭和萬葉集巻六』を中心に
(1) はじめに
(2) 短歌における信憑性の問題
(3) 戦意昂揚短歌の行方
(4) 著名専門家人の戦争責任
(5) 『昭和萬葉集』の意義と今後
III 歌人研究と短歌史の方法
1 小泉苳三と『近代短歌史・明治篇』の意義
(1) はじめに
(2) 辞書・書誌類からみた著作
(3) 近代短歌史の時代区分
(4) おわりに
2 最近の”戦時下の歌人”研究
IV 「歌会始」―現代短歌における役割をめぐって
(1) はじめに
(2) 歌会始とは―辞典等にみる「歌会始」
(3) 歌会始戦前史―御歌所を中心に
(4) 戦後歌会始の動向
(5) 歌会始選者の系譜
(6) 現代短歌における歌会
(7) おわりに
あとがき
図表一覧
初出一覧