海軍の男たち
はじめに
第一話 帝国海軍の誕生
帝国海軍七十七年の歴史
海軍軍備の第拡張を成し遂げた山本権兵衛
本格的な英国式海軍教育
最上級生による下級生への私的制裁
第二話 海軍とユーモア
息詰まった空気を一掃するユーモア
若い士官が先輩から伝え聞いた「ヘル談」
ユーモアのある実話
イギリスに評価されたユーモアセンス
第三話 兵科士官と機関科士官の差別問題
東郷平八郎を認めない機関科の士官
機関科将校は兵科将校に準ずる
「指揮権継承は兵科将校を最優先」にする理由
兵科のなかにも差別意識が存在した
「軍令承行令」にまつわる士官の間の差別
第四話 海軍兵学校への道
もっとも人気と受験難度が高い「兵学校」
身体検査の合格基準
入校前に指導官が学生の顔や名前を把握
入校前の行事と手続き
第五話 海軍兵学校での生活・一
兵学校の食事内容
各学年を混成させる理由
厳しい「姓名申告」
約三週間の準備教育
兵学校名物の「鉄拳修正」
第六話 海軍兵学校での生活・二
姿勢を正して眠る芸当
理不尽な鉄拳制裁
「鉄拳制裁」を禁じた鈴木貫太郎
下級生が報復できる唯一の手段「棒倒し」
鉄拳を用いなかったクラス
第七話 海軍兵学校の躾教育
病名不明の病に苦しんだ谷川清澄
兵科将校の戦死
躾教育の根本「己をあざむかず」
性への禁欲を強いられる
第八話 兵学校の名物教官
志新のなかった中村悌次
自衛隊へ受け継がれた「登山競技」
兵学校の名物教官、平賀春二
第九話 田結保と東郷良一のこと
田結保の他人への思いやり
祖父が東郷平八郎である東郷良一
型破りな男を受け入れた、甲斐軍の懐の深さ
第十話 海兵団教育・一
躾を叩き込む海兵団教育
理不尽な海兵団教育の実態
第十一話 海兵団教育・二
教班長が直接手を下さない罰直
教班長が仕掛けたわな
教班長が起こした殺人事件
教班長の人柄で新兵の運不運が決まる
情け深く部下思いの中嶋教班長
海兵団教育の対談式
第十二話 海軍兵と制裁
兵隊階級の上下関係
進級漏れ兵長の八つ当たり
主計科の甲板整列
兵隊間で引き継がれた私的制裁
海軍でもあった因果応報な話
第十三話 エスプレイとイモ掘り
士官用の隠語
人間臭い社会だった海軍
イモ掘りの実態
おとなしい者が素晴らしい戦果を挙げる
第十四話 艦内生活の実際
海軍で際限なく繰り返されたドロボウ
暗に容認されたギンバイ
ヤカンで飯を炊く「ヤカン訓練」
艦内でもっともは幅をきかせていた機関科
兵種の優越が大逆転する日常
第十五話 ハンモックナンバーと戦場での実力
人命救助で活躍した名指揮官
自らの手で運を引き寄せた木村昌福
駆逐艦「濱風」の数々の救出劇
前川艦長の人命尊重の信念
敵兵のすべてを駆逐艦一隻で救助
秀才が戦争に強いとは限らない
第十六話 戦争をするために生まれてきた男
戦上手で敢闘精神を持った東日出夫
東艦長の魅力に富んだ人間性
作戦指導に大きな影響を与えた今井の戦訓
敗戦と潜水艦の海没処分
今井と東の再会
艦長の絶対条件