大学における戦没者追悼を考える
序
第一章 戦没者追悼の諸問題
追悼とは
国家による追悼
誰を追悼するのか
追悼の方法
先の大戦における戦没者追悼の特殊性
(A戦没者は多数、戦没地域は広大
B六割は餓死 C一〇倍近い現地人の死
D多様な戦没者 E多様な追悼者)
戦没者追悼の理論(靖国型、磯論、反省型)
追悼に対する反対意見
第二章 諸大学における戦没者追悼と戦時大学史
外国の大学では
なぜ日本の大学では追悼行事が少ないか
大学(学長や大学の機関など)による追悼
卒業生の連合組織による追悼
教師と若い世代のグループやゼミや卒業生有志
による調査と追悼
その他《諸大学の追悼行事と戦没者調査一覧》
第三章 総力戦における大学と戦争責任
大学の矛盾
大学と軍隊の接近
総力戦下の大学
天皇の為に大学も聖戦完遂
《大学関連の思想弾圧》
ハーヴァード大学総長の戦争協力
大学の戦争責任
反抗者たち
大学の戦争責任自覚と平和研究
第四章 「学徒出陣」と慶應義塾の戦没者名簿
斬新なテーマで共同研究
「学徒出陣」とは何か
戦時のヒロイズム
学徒、兵隊化への道
徴兵延期の特典停止
入営延期の新制度
「学徒出陣」の種類
前代未聞の仮卒業
「学徒出陣」、『広辞苑』の誤り
送り出す教師の言葉
戦没者名簿は何を語るか
(A慶應義塾の戦没者名簿作成と反響
B卒業生と学徒の割合-八割は卒業生
C半年早く戦争が終われば戦没者半減)
【付録 講演記録から】
1 第二次世界大戦と世界の大学
[交詢社常例午餐会講演]
戦争研究のきっかけは英国出張
ゼミナールの共同研究と戦没者名簿
戦争体験は歴史化・国際化しなければ・・・
敗戦の原因-天皇によれば・・・
第二次世界大戦とハーヴァード大学
ヨーロッパの大学
戦争研究の国際交流を
2 大学と戦争、そして慶應義塾
[慶應義塾創立一五〇年記念・経済学部講演]
「大学と戦争」というテーマ
大学の国際性と国家権力
歴史における自治権の例
大学と軍隊の癒着
戦争-名誉への一点集中
戦争と大学の変貌
陸軍の福沢批判
戦時下の慶應義塾
共同研究によって明らかになったこと
最後に
初出一覧
戦時中の大学およびその他の学校名一覧 兼 索引