ある終戦工作
序 新聞記者、男の仕事
生いたち 二百米平泳で優勝 新聞記者になる 第一線に出る 正式社員となる 航空記者として 渋沢翁死去の速報戦に勝つ 満州へ特派さる チチハルから新民屯へ 無線のテスト上々 世界初の無線による送信 こんどは北のハルビンへ 古野さんの温かい言葉 五・一五事件
熱河従軍 宮内省記者落第
Ⅰ 霞クラブのころ
「霞クラブ」へ 天羽声明の真相 呉下の阿蒙ではない 東郷の一言 外人記者たち 日ソ不可侵条約 月は誰も自分の上にあると思うもの 日ソ関係改善方式 砲艦外交 海軍軍縮予備交渉 国府の幣制改革 不吉の前兆 日独防共協定 西安事件
「日本人記者はディスクレッションがない」
Ⅱ ワルシャワ時代―第二次大戦始る
ワルシャワ支局長発令 オーストリア消える 若武官謎の墜死 ポーランドはチェッシンを占領 全旧領回復がねらい 様子を見にベルリンへ ローマに遊ぶ カジノの一喝 こんどはポーランドの番か―独、メーメル合併― ダンチッヒ発火点へ ポーランド外務省から苦情
天長節の祝賀 ベック外相の演説 呑気な会談 波独庭球戦 日本音楽のゆうべ 友人の別荘へ 鹿狩り 怪電話 ダンチッヒへ 独ソ不可侵条約調印さる 静かな街うち ゾバチムイ ニエメツには負けめえな! 動員をかける ヒットラー自重せん 女心の哀しさ
総動員令布告さる ドイツ機来襲、大戦始る ワルシャワ脱出 クジェミェニッツで エピソード二つ パニック起る 外交代表ら続々退去 ルーマニアへ ソ連参戦 雑感 蜂谷参事官の忠告蹴る 荷物とりにワルシャワへ 帰国命令
Ⅲ 日米交渉から開戦へ
二年半の空白 独ソ開戦 政府は熱心 政変 松本、オットと会う 東郷の進退 わが最後の乙案 海相「いまは馬に人参やっておけ」 兵役法の改正 徴用で陸海対立 貴族院秘密会 開戦必至 石川大佐にごまかされる 十一時五十八分の謎 あすは芋掘りだ やられた!
十二月八日 ドゥリトル空襲 犬養健のスパイ容疑 ミッドウェイの敗戦 航空部をつくる 相次ぐ遭難 山本五十六戦死か 名機長ぶり 丸坊主になる 決死隊はいないか 日本のレーニンは 弾運び 「森」をしょっぴけ 救出に働く同盟機 志摩機遭難 「紫電改」の空輸
Ⅳ 終戦工作
終戦軍師 三下り半だよ 東郷と高木 外務省嘱託となる 終戦の胎動と東郷の構想 終戦ブローカー 軍を誘導 脇腹にドス 大盤振舞 高射砲は何門か 米内と阿南 近衛特使モスコー派遣 外相、大使の応酬 水戸焼尽さる ポツダム宣言出る 黙殺 原爆投下、ソ連参戦
諒解付で受諾 世紀の特ダネ バーンズ回答来る 解釈で大激論 危かった十二日、再照会論強し 武士の情け 佐藤大佐の静かな勇気 聖断下る 八月十五日 釣竿さがし 退職 東郷を見舞う
あとがき