医者たちの8月15日
はじめに
プロローグ 一週間のいのち
第一章 戦場の医者たち 外地篇
伝染病棟の不寝番
満鉄の病院列車
生き恥からの転身
侵略地帯にコレラ菌
パラオのジュタン爆撃
バターン「死の行進」に想う
巻尺で測った頸の太さ
スコップ一本で
漂流した七日間 病院船撃沈
地獄絵図
青春のブラックホール
ビルマ戦線での顕微鏡の活躍
生と死の分かれ目 ラングーン
靖国街道 自爆の続出 インパール
〇・一ミリグラムのアトロピン
南十字星下の敗走 ニューギニア
ニイタカヤマノボレ 真珠湾
関東軍特別大演習
戦場の医者たち 内地篇
屍のなかを歩く
人生観をかえさせた若き日の思い出
終戦時の青酸カリ
食べ盛りの潜入騒動
京都の空をこがす大阪大空襲
幻の野田藤咲きぬ
八か月間の拘置所ぐらし
日米両軍に焼かれた家
第二章 医者たちの八月十五日
ピカドンから不死鳥のように
無医村に疎開して
光華院釈俊哲童子 「うまうま…」の一言をのこして
神武百二工場の班長として
八月十五日―敗戦の日 神風
若かりし日のレジスタンス
ただ一人の卒業式
空襲と誤診の谷間で
人力車で往診に
二転三転
ターチョ(大車)と四人の侍
関東軍の終焉
桑島恕一君の遺書
第三章 抑留・復員
母よ、あなたは強かった
報恩
復員船で働いたこと
三十万開拓農民の悲劇
ペチカで暖めた屍体
見棄てられた民草
望郷を夢みた収容所
ハバロフスク捕虜将校収容所
二歳の子を救った中国人医師
第四章 廃墟のなかから
たった半日だけ通学した新制高校
かぼちゃとコンビーフ
敗戦の夢さめて
なんとか医師に
国破れて山河あり
廃墟のなかで開業する
住民の診療 そして政治の道
ペニシリン一本が米一俵
開業のころ
医学と心の支えを求めて
焼跡にむなしい教師の訓話
七農三医
長崎被爆・学友を焼かれて
広島の悲劇を繰り返させまいと
第五章 十五年戦争と軍医
なぜいま戦争体験なのか ―昭和医療史から
エピローグ 医者たちは いま何を語るべきか
あとがき