吾子よ夫よ

I　戦火の中で
忘れられないあの日（秦ヨシ）
怨念を背負って（並木斐子）
裂かれた青春（大河原百代）
空襲（長谷川和歌子）
　
II　暮らしをたてるために
ありったけの涙のあとに（玉代勢秀子）
試練の時代を生きぬいて（菅原マシヲ）
三つの国を生きてきて（和賀君子）
むなしさだけが（奥田ヨシ子）
戦争は終わっていない（鈴木政子）
橋をよつんばいになって（長谷川こう）
夫の戦死、子の死を越えて（舟橋房江）
　
III　外地からの脱出
糞尿を体になすりつけて（亀山孝江）
破れごもを身につけて（澤田タツ子）
人間らしさをうばった戦争（松井静枝）
　
IV　生還を待ちつつ
赤紙そして魚雷……（石井松乃）
もしやもしやと待ちわびて（内中チヨ）
訣（わか）れ（吉沢君江）
遺骨のかわりに小石を拾って（相原ゆう）
険しい道（松下よね）
　
V　母にささげる鎮魂歌
母にささげる鎮魂歌（高橋洋子）
戦後を生きぬいた母（桜井房子）
空腹に耐えて（森田ひろ）
運命の日（阿部昌子）
　
あとがき