日本軍の敗因
- サブタイトル
- 「勝てない軍隊」の組織論
- 編著者名
- 藤井 非三四 著
- 出版者
- 学研パブリッシング
- 出版年月
- 2012年(平成24年)8月
- 大きさ(縦×横)cm
- 19×
- ページ
- 255p
- ISBN
- 9784054054240
- NDC(分類)
- 392.1
- 請求記号
- 392.1/F57
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 主要参考文献:p254-255
- 昭和館デジタルアーカイブ
はじめに
【第一章】 「目的意識」を堅持できない体質
最初の戦争目的は「自存自衛」
ポイントは南方資源の内地還送
開戦の理由になった燃料事情
タンカーを巡る不可解な海軍の姿勢
破られた「絶対国防圏」の中央部
「国体護持」と「皇土保衛」
敵を根負けさせる戦略
最終局面での戦争目的
忘れていた国家としての目標
連合国の意図と日本の目的
信念なのか、スローガンなのか
体得していなかった交渉事の常識
国家としての定めておくべき利益線
未成熟だった戦前の日本の社会
機能集団になり得なかった日本軍
疑似家族的な色彩の帝国陸海軍
【第二章】 見失った「戦う集団」の基本
傷病兵を見捨てる軍隊
士気の源泉を知っていたソ連軍と米海兵隊
大軍を切り捨てた絶対国防圏構想
酷薄さを露呈した二つの戦例
緒戦は形になった陸海軍統合
陸海軍が互いに不信感を抱く理由
生まれなかった統合マインド
相反する意識の使い分け
移入文化と国粋主義の混交
欠如していた組織と見るミクロな目
三人を最小単位とする武装集団
小部隊の指揮を体験していない将校
【第三章】 「群衆化した集団」の恐怖
常に起こり得る惨劇
南京攻略戰の背景
ヒトの心の中に併存する友愛と暴力
パリ・コンミューン
群集の持つ破滅的な性格
群集化しかねない降伏した日本軍
降伏敵国要因として扱われたケース
捕虜収容所の悲惨な実態
群集化は第二の敗北
【第四章】 「管理者不在」の武装集団
壮大かつ精繊な大陸への兵站組織
馬が主体の補給力
完全自動車化を達成した米軍
南方作戦には不可欠な自動車
ビルマ進攻の理由
連合軍のビルマ反攻
インパール作戦の全体構想
補給路なき最悪の戦場
第三一師団、コヒマに突入
佐藤師団長、独断後退
大混乱の高級人事
前線を歩かない日本の将師
部隊のマネージャーに徹する姿勢
管理運営という観念の欠如
AGIL図式にみる各種のエリート
将師は経営者(適応型エリート)であるべきか
【第五章】 「独断専行」と「下剋上」
香港攻略戦での若林中隊長
大勝利の陰で行われた懲罰人事
レイテ突入を命じられた栗田艦隊
情報を共有できなかった結果
「独断専行」と「暴走」の境目
暴挙、張作霖爆殺事件
南満洲鉄道を巡る問題
奉勅命令なき海外出兵
ノモンハン事件の”下剋上三人衆”
不徹底だったノモンハン事件の事後処理
本来の独断専行とは
日露戦争から問題だった幕僚たち
日本陸軍のスタッフ(幕僚)組織
日本になかった共同責任の観念
エリート幕僚にもみられる群集化
抑圧委譲がもたらす下剋上
【第六章】 整理されていなかった「政軍関係」
常態だった軍人の政治関与
軍部大臣選任による政治介入
内閣の死命を制した陸海軍
社会から疎外された軍隊の行き方
身を切るまでに追いつめられた陸軍
社会に反撃を仕掛けた「桜会」
陸相推挙を武器に組閣阻止
総力戦構想のキャンペーン
社会は分業で成り立つことを忘れた軍部
「職業軍人」を侮蔑語とするとする心情
将校、士官に求められるもの
軍人棒給に見る社会的な待遇
「干城」「藩屏」という気負い
「国軍」か「皇軍」か
【第七章】 希薄だった「社会に対する責任感」
戦後になって強調された「国民の負託にこたえる」
外征専一の軍隊
依存している「基礎集団」を軽視
サイパン戦に始まる悲劇
”鉄の暴風”にさらされた沖縄県民
在留邦人保護に無関心だった関東軍
想像もできない本土決戦時の惨状
確立した思想を共有していない集団
真の信仰心を持たない軍隊の危うさ
下士官が主導していた日本陸海軍
確立していなかった官僚制
おわりに
主要参考文献
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