敗戦と戦後のあいだで
- サブタイトル
- 筑摩選書;0050 遅れて帰りし者たち
- 編著者名
- 五十嵐 惠邦 著
- 出版者
- 筑摩書房
- 出版年月
- 2012年(平成24年)9月
- 大きさ(縦×横)cm
- 19×
- ページ
- 332p
- ISBN
- 9784480015495
- NDC(分類)
- 210.76
- 請求記号
- 210.76/I23
- 保管場所
- 開架一般
- 内容注記
- 昭和館デジタルアーカイブ
はじめに
この本のねらい/この本の構成について
第一章 戦いが終わってー映画の中の帰還者たち
帰還者をめぐる文化的表象
映画の中の復員兵ー『野良犬』
映画の中の引き揚げ者ー『黄色いからす』
遅れて帰還した者たちをめぐるイメージの変容ー『私は貝になりたい』
心優しき破壊者ー『馬鹿が戦車(タンク)でやって来る』
メディア・イメージと個人の体験との相互作用
第二章 五味川純平と『人間の條件』ー帰還できなかった梶上等兵の物語
梶はなぜ戦後日本に帰ることを許されないのか
『人間の條件』と戦後日本
五味川純平の「戦後」までの足取り
もはや戦後ではない
知識人の良心としての梶
羊の番犬
軍隊内での抵抗
敗走そして美千子の生活
捕虜収容所そして脱走
日本人の、日本人による、日本人のための物語
映画『人間の條件』について
戦場から日本への足取り
「歴史の実験」
『戦争と人間』
第三章 遅れて帰りし者たちーシベリア抑留者の戦後日本への帰還
七十万~八十万の抑留者と十万人以上の死
生存のための闘い
抑留経験者であることの心理的、あるいは存在論的状況
ソ連への恐れ、あるいはユートピアとディストピアのあいだで
元捕虜たちの終わりない努力
第四章 告発せずー石原吉郎のシベリア抑留体験とその内的な問い直し
遅れて到着する体験
シベリアでの経験
詩から散文へ
肉体と精神の葛藤
ペシミスト鹿野武一の勇気
人間のすこやかなあたたかさ
詩という呼びかけ
肉体の桎梏
石原吉郎の残したもの
第五章 英霊の生還ー横井庄一をめぐる戦後日本の狂騒
一九七二年に発見された日本兵
グアムへの道
敗残兵としての生活
横井の選択
横井庄一と戦後日本
横井の出現と報道合戦
結婚そして参議院選挙出馬
その後の生活
第六章 過去からの救出ー元陸軍将校小野田寛郎と戦後日本との確執
人間的な、あまりに人間的な
"救出"までの長い道のり
投降の儀式
小野田は日本の敗戦を知っていたのか
「游撃戦士」の誕生
命令を下したのは誰か
複雑怪奇な状況把握
小野田寛郎と「蜘蛛の糸」
その後の小野田寛郎
終章 最後の「日本兵」の帰還ー中村輝夫/スニヨン/李光輝の戦後
最後の「日本兵」中村輝夫
無関心なメディア
高砂族陸軍特別志願兵中村輝夫
衆人環視のなかのドラマ
マス・メディアという鏡
真夏の夜の夢
中村輝夫という過剰さ
小さな歴史
註
あとがき
人名索引・事項索引
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