塹壕のマドンナ

まえがきにかえて　戦争のほんとうの悲惨とは何か
　
第Ⅰ章　戦場で描かれた聖母像
人間のこえ
ドイツ軍医クルト・ロイバー
ロイバー家にとっての独ソ戦
残っていた遺稿とスケッチ
ベルリンのマドンナ像
　
第Ⅱ章　ロシアの草原に探しあてた塹壕跡
一九八五年夏、スターリングラード
ロシア的なものとソヴィエト的なもの
ロシアの塹壕にショパンが流れた
戦場のクリスマスに聖母がいた
　
第Ⅲ章　イワンの恋人の涙
小さなドラマ
イワンとエフゲーニャ
攻防戦最大の激戦地、ママイの丘
二二通の手紙と写真
「もしも戦争がなかったら」
　
第Ⅳ章　米空母ガンビア・ベイの男たち
『ディア・アメリカ』ー四〇年目のアメリカ
レイテの海に沈んだ船
新進作家バリーン・ベルの最期
未亡人フローレンスの拒絶
「お母さん、心配しないでください」
死者に書かれた母の手紙
ベルが愛した太古の沼
　
第Ⅴ章　カミカゼたちが散った海
ある遺族
軍神とその遺族の戦後
愛する子に託した想い
四〇年後のセブ島
無名の兵士たちが眠る海
マニラのアメリカ記念墓地
　
第Ⅵ章　もう一枚のマドンナ像
ロイバーのいた村の「その日」
長女ハルトムートの戦後
ロイバー一族が集まった日
捕虜収容所からの最後のメッセージ
　
あとがき