白いチョゴリの被爆者
肉声を聞く(松本清張)
スニのための鎮魂歌(許南麒)
I なぜこんな体になったか忘れんでほしい(李永淳)
強制連行で炭鉱夫に
怪我人の列が一日中続いとった
原爆スラムにバラックをたてて
II 劫火のなかに息子の焼かれるのをみて―戦争は私の家族何人を奪おうというのでしょう(辛福守)
『皇国臣民』につくりあげられて
燃える体に学生服のボタンが三つ並んでいました
重なる惨劇―黒人兵に射殺された弟一家と兄の死と
声明あるかぎり
III 犬のように殺されてたまるか―連行・逃亡・拷問のはてに(鄭順南)
"鮮人"は豚以下だそうです
川もぎっしり死体で埋められていました
日本人のあなたに考えてほしい
IV 地獄絵のなかの差別―貴様!! 朝鮮人のくせにギャアギャアいうな!(呉鳳寿)
土地をとられて小作させてもらい
どこでも一番危ない仕事は朝鮮人
こんな目に遭うても―忘れられないあの言葉
一冊の本になるほどの苦難の末に
V 売春婦に売られて(金末順)
だまされて日本の遊かくへ
やっとつかんだ幸せを原爆に奪われて
VI 日本人はわしらを人間と思うとらんかった(南貴浩)
生きているのが不思議なくらいいじめれられた
生き残ったのは部落の一割
朝鮮人は朝鮮へかえれといいよる―さんざこきつかっておいて
VII 四六年間"楽しいこと"は一つもないです(鄭寿祚)
一〇歳で小守に出されました
人間かお化けか
植民地なんかなかったら
VIII 一瞬の黒い熱い大波におおわれて(呉乙鶴)
被爆―空中から卵型みたいなのがピカッ
産まれる子供が次つぎと
私が非常に訴えたいこと
朝鮮人は死んでも灰も届けられない
IX 雨が降っても学校に傘もってくるな―朝鮮ブタ 朝鮮ブタとさげすまれ(権重判)
炭鉱を脱走した一七歳年上の主人と結婚
人間がイワシのように並べられ―爆風で白いかたまりの被爆者も
苦しみの倍加―子供への民族差別
X だれのためになんのために―どうしてもいっておきたい就職差別(文七権)
まるで強盗でした―ウェノムの仕うち
おまえは鮮人だから―日本での屈辱
追われて広島へ―被爆の苦痛
希望の子供らまで就職差別され―戦後も消えぬ苦しみと怒り
XI おまえらみたいな奴 三厘でいくらでも手に入るんだ―逃亡生活・徴兵拒否のはてに(朴在寿)
貧困と差別のなかで
逃亡生活
人間が木炭のように
日本人以下に扱われる理由はないのです
XII "新日本人"と口先でhいいながら(黄義錫)
消えない思い出
戦争のために
どの人も裸同然でした
日本のためにのみ働かされてきたのに
XIII 広島の街が大地に叩きつけられたように(柳昌洙)
太陽が黒くみえた
心のやすらぎがほしいんよね
子孫が二の舞をふんでは死にきれん
XIV 歴史の底で死んだ母(鄭文玉)
どの家庭も食べ物をあさる生活
日本が手を上げるならもっと早ければ
せめて人権だけでも―新憲法下でも変わらない仕うち
いまも暗い歴史を背負い
XVI 土地・言葉・故郷・八人の肉親を奪われて(白昌基)
全財産を奪われて
血のようなくやし涙―妻も兄も八人の肉親を失い)
放置された被爆者のために
XVII 顔をみて"つける薬はない"と無視しました―事実を互いの民族がみつめあってこそ(閔基鎬)
一日も胸をはって生きられなかった少年の日日
原爆と空襲のなかで
日朝のほんとうの交流をつくるために
XVIII この世に生まれた価値を失わないために(金秀鉉)
XIX 被爆朝鮮人問題と「朝被協」
被爆朝鮮人の由来
「朝被協」の結成と活動
あとがき