図書ゲンバク キミン000055953

原爆棄民

サブタイトル1~10
写真記録 韓国・朝鮮人被爆者の証言
編著者名
伊藤 孝司 著/鎌田 定夫 解説
出版者
ほるぷ出版
出版年月
1987年(昭和62年)10月
大きさ(縦×横)cm
26×
ページ
236p
ISBN
4593533333
NDC(分類)
316
請求記号
316/I89
保管場所
閉架一般
内容注記
原爆棄民関係史年表:p232-234
和書
目次

植民地・強制連行
朴昌煥 郡役所まで三菱が迎えに来ました
朴守龍 「朝鮮人が放火した」、ひどい大災害の流言
陳祐生 閃光がしてゴォーッと爆風が来ました
李福南
裵又星 百姓しとるのに米の飯も食えんので下関へ渡ったとです
金判根 リヤカーを引いて古物商をしていました
梁基成 徴用令を受けて広島へ、日本人が恐ろしかったです
李哲鎬 三菱からは1か月分の給料だけしかもらっていない
鄭基障 日本の無条件降伏にみんなで泣きました
李永憲 行き先も知らされず、警察に連行されて日本へ
金應善 兵隊よりも、徴用で広島に行くほうを選んだのです
鄭永寿
尹永寿 だまされてパンパン屋に売られたんですよ
張泰煕 新聞でヒットラーの記事を見たとたん、ピカッと
朴玟奎 教育勅語を暗記できないとバケツを下げて立たされました
呉鳳寿 土地も、言葉も取り上げた総督府
朱碩 日本人は酒を飲んでは放歌高吟し、女の人は外へ出るのもはばかられるほどでした
成洙南 挺身隊へ行くのをさけるため16歳で結婚させられました
金福連 主人も、娘も死んでしまいました
徐正雨 軍艦島では何度自殺しようと男ったかわからんとです
金順相 雪が降ってもパンツ、腰巻きひとつで働かされたとです
韓基俊
朴永分 「ひとりじゃ逃げる」言うて家族も呼ばれたんじゃ
崔月光 被爆のことはそりゃ口じゃ言わりゃせん
黄應八 船で日本に密航し、各地を転々としながら
金連順 勤労動員で野球の張本さんのお姉さんたちと作業していて
車基淳
李寿東 炭鉱と戦争と原爆、3つの地獄を
鄭元達 みんなから「朝鮮人の刑事が来た」と言われました
尹参鉱 「朝鮮豚」とか言われながらも日本人と一緒に遊びました
金仁祚 二女、三女、そして長女と、次々に死に、口のところにハエがたかり
金鍾具 飯場では豆粕やコーリャン、きびの飯で腹がへって
金敏経 徴用令が来て、目の前が真っ暗になりました
金在甲 浦上天主堂前の坂で軍馬もろとも
張世澤 浦上刑務所で爆死した親方兄弟を捜して
白昌基 首に縄をくくられ、牛に引きずり回された朝鮮青年たちの光景が脳裏に焼きついて
辛福守 わが子が燃えるのを、ただ見ているだけの地獄でした
李一守 建物疎開の勤労奉仕に出て原爆にあいました
申喜植 一週間、防空壕に寝たきりで
金容福 韓国人ばかり働かせ、バカにするのです
 
被爆
玉牙伊 足も指がちぎれ、頭もおかしゅうなっとったけん、痛うもなか
崔英順 工場が崩れて2階にいたのに1階になってしまいました
李守龍 背中にいっぱいウジ虫がわき、火傷の痛みもひどかった
林玉仙 10歳で被爆、手足が次第に萎縮して
金南出 もう死んだと思うたが、手足が動くので目をあけてみると
朴化玉 長崎港の船の上で閃光を
安永千 1か月ほど死体の臭いがしみついていました
金命今 魚の皮はいで地面に投げたような姿で兄弟は「自分の子がわからんかね」言うんです
鄭登明 顔と手に大火傷を負い、40年間ケロイドで苦しむ
裵玉連 息子を抱いて3階から飛び降りました
朴海鐘 ドーンという音でびっくりして飛びだすと、浦上の方が一面火を吹いていました
権億相 気を失って気がついたら24時間すぎていました
蘇閏生 原爆はすべてを変えてしまいました 
姜和順 右腕をこれ以上悪くならないようにと切断しました
宋錞敏 ボンネットをのぞき込んでいると突然ピカッと
許南根 爆風のため転んで釘が右足に
朴水煥 高島炭鉱と住吉トンネル工場で
金在鉉 天皇陛下のためと言われて徴用されて
金正玉 閃光を見た瞬間、目がくらんで気絶、火ぶくれに
安珉  飛行機が飛んできてシャツに黒いシミが
朴孟蓮 電車は満員だったのに、閃光を見たのです
宋年順 なかなか死ねずに、8月末まで畑に野ざらしでした
金基錫 お母さん、よく原爆の痛みに耐えて、生きていました
金判煕 宇品港から500人ぐらいの船で帰国しました
張乙生 「助けてぇ、助けてぇ」と言いながら、妻は息をひきとりました
姜岳只 原爆で5人の子どものうちふたり死んだ
金貞賢 身体はペラペラして真っ白い肉だけが見えました
崔乙龍 どうもがまんができず、自分の小便を受けて飲んだんです
姜寿元 独立運動で投獄、広島刑務所で原爆に
金貞順 私は片目が飛び出し、従妹は行方知れずに
辛泳洙 自分の顔に手を当ててみると、目も鼻の口もとけて
朴泳㴰 兄貴の嫁ごは火葬して、骨は川の中に流したと
卞明星 長女はどこかで生きていると思っています
車貞述 3回も戦争に巻きこまれて
姜小龍 9人兄弟のうち、3人だけが生き残って
鄭翼俊 死んだ息子を一日中背負っていました
黄在明 兵隊さんがおぶってくれて川に飛びこみ助かった
朴且点 人間なのか、お化けたのか、とても口では言い表せません
金正子 「水ばください」「水ば飲まして」と着物の袖を
金宗丸 首とか手とかバラバラになって、内蔵がペラッと出とるんです
千今絡 「あんた、生きとったね」が、みんなのあいさつでした
金沢文子 魚を一匹分けてくれと言っても、絶対にくれなんだ
朴基煕 真っ黒焦げの骨があるだけで、誰が誰だか全然わからん
崔李澈 大腿骨無腐性壊死…たえず激痛が襲ってくる
徐允心 身体中にガラスがいっぱい刺さって、3日間何も食べずに
金相根 火傷し、頭が3倍くらい膨れていました
金達莫 息子は、まるで焼き魚のように……10日後に死にました
劉世銀 焼けていなかったのは手の平だけだった父
鄭翼判 「朝鮮人は早く朝鮮へ帰れ、帰れ」と言われ
 
帰国・在日
李順伊 小さな船で死ぬ思いをして釜山に帰って来たんです
李允載 娘たちが腰痛を訴えるのでかわいそうです。親が原爆を受けたことが原因ではないかと
李陽善 徴用で働いた報酬も受け取っていません。日本政府と三菱は早く補償をすべきです
卞今順 原爆病院に入院してもう16年になります 
韓明丁 もし今後、治療できなければ早く死にたいです
柳沢蓮 朝鮮語はわからず、友達にいじめられ「日本に帰ろう」と泣いた
鄭斗鎮 妻も死に、やぶれかぶれの気持ちで帰国しました
蘆長寿 弟は、帰国船が台風で沈没し、弟は行方下明になりました
李実根 反戦ビラまき、非合法生活、そして朝鮮人被爆者運動に奔走しています
朴玉順 差別や抑圧に屈せずに
李必伊 日本で治療した、生活は苦しい
白敬伊 いちばん望んでいるのは息子を日本で治療させることです
李貞秀 意を手術して取り、楽じゃないです。ほんとに働きずくめの一生ですよ
李順出 姉は1960年に、兄は61年に、そして父は63年に死にました。みんな同じ病気でした
金相鶴 渡日治療で6か月いたら、政府の約束だとむりやりに出されました
姜文煕 肉親の眠る広島を去ることができず
金判伊 広島と韓国で2回も爆撃を受け、もう戦争はこりごり
李大奎 ヤミ市、密造酒、とばく…とにかく生きるためには何でもやった
鄭長寿 私は病気の袋みたいで、いっそしんでしまったら痛みもなくなるのではと思います
尹桂花 日本人であれ、韓国人であれ、心の痛みは同じです
李種善 願うことは、私と子どもの病気が治ること
尹成相 家内と赤ん坊、弟の骨が大橋の道路の下に
李壽英 身体がかゆく変になりそうで、こすると水のようなものが出ます
金永宅 2度と戦争の起らぬよう願いたい
郭貴勲 日本人の医者が「朝鮮人のために負けた」と言うのです
金義祚 原爆の被害者は世界平和の人柱です
姜桂浩 娘、息子と死に、妻は気がおかしくなり
尹貞順 夫は日本での生活を一切口にしないまま死んだ
金永根 故郷に着いても物乞いをし、ごはんをもらって歩きました
嚴粉連 被爆者を放置して、どんな世界平和があるのでしょうか
李三守 日本人の被爆者と同じ扱いをしてほしい
崔貿先 夫と離ればなれになり、母子3人で帰国
朴海潤 農繁期がきても軽い仕事しかできません
鄭翼俊 死んだ子供を一日中、背負って
李貞守 日本が戦争をしなかったら、こんなにならなくてすんだのです
李奇相 這うて便所へ行くと「アイゴー、アイゴー」という声が
車小道 母は隣家の下敷きになり死んでいました
朴守福 こんな重たい十字架を背負っているより、いっそ死の道をと
金伊述 私はこの地獄が恐ろしうて
林福順 韓国の被爆者は、あの日のヒロシマを背負っているのです
金玉連 足の痛みがひどく、右大腿部より切断しました
鄭正玉 娘が生まれ喜んだのもつかのま、精神がおかしいのです
李舜伊 韓国に帰りましたが治療もできず、火傷に味噌をつけたりして
金漢相 農業、運転手、そして警備員
韓鳳愚 ヤミ舟を雇って帰国、両親はもう死んだと思っていたので涙流して喜びました
金福姫 夫は私のケロイドのことは知らずに結婚し「だまされた、だまされた」と口ぐせのように言っていました
白麟基 韓国に原爆病院を建設して下さい
白鳳鶴 うちゃ、生きとってもええことはひとつもないよ。生きとるのいやじゃ
安永根
呉玉振
姜錫作
林謂生 
朴南淳
姜貞順
尹基先
黄徳禮
李碩圖
金喆基
姜基達
姜五龍
金九鳳
李賓鋅
申徳培
趙判石
李宝鉉
安永宣
申甲順
朴鐘来
李炳●
朴甲述
李点柱
李勝子
曺澄子
姜点龍
都宗義
郭順濚
尹永益
金根秀
呉尚粉
李宗仙
鄭好任
韓基淑
宗栄彬
沈快興
尹春鉱
黄秋子
李寿元
朴連順
朴奉変
 
解説
韓国・朝鮮人被爆者―その歴史と存在の意味(鎌田定夫)
原爆棄民・関係年表
創作詩 追悼(鎌田定夫)