遺体なき逓信労働者
慰霊碑建立まで
郵政職員原爆殉難者及び遺族名簿
被爆時の郵便局所在地
発刊にあたって
「郵政職員原爆殉難者記念集」の発刊をよろこぶ/
(全逓信労働組合中央執行委員長・河須崎暁)
反戦・反核の決意を新たに/
(全逓信労働組合九州地方本部執行委員長・安田幸兎)
恒久平和のために/
(全逓信労働組合長崎県地区本部執行委員長・大内実)
「慰霊碑建立」と「記念文集」の発行にさいして/
(全逓長崎地区被爆者協議会会長・与賀田進)
原爆記録集発行にあたって/
(全逓信労働組合長崎地区被爆二世の会会長)
殉難の状況 悲しみは深く静かに
●長崎本博多郵便局
六十二歳で保険外務中に(角田喜代松)
バラバラの遺骨を拾われて(稲吉市三郎)
どっちが先か判らん重症であった(西村常市)
転宅して犠牲に(橋口ハル)
姿なき悲しみの帰宅(川口龍馬)
一家全員が戦争の犠牲に(橋本源市)
遺体さえ判らず(田中正嗣)
跡形もなく(柴田妙子)
富子さん一人が帰らぬ人に(下川富子)
遺品も残らず(吉野ハルノ)
「お墓をつくりたい」と母は(森照子)
夫が生きているとは(平本ミヨ)
電車の中で被爆(堀切シズエ)
長崎に来て帰らぬ人に(古賀里枝)
家の前をトラックで運ばれ(関根シズヨ)
故郷仙台を離れ、新婚間もなく(大塚信子)
家族十二人中、十人が犠牲に(井手アヤ子)
原爆で一家全滅に(三浦義人)
詳しい状況判らず(阿漕勝彦)
疎開で三人が犠牲に(松本美子)
子供をだいて難をのがれたか(椎野セツ)
●長崎駅前郵便局
懐中時計と実印で確認(松崎鷹治郎)
●長崎目覚郵便局
焼跡に銅像のみが残った(井上市三郎・井上スナヲ)
母の制止を振り切って(山田エツ子)
家族も既に亡く(前川ユキエ)
家族とも逢えず、壕の中で死す(野田昌子)
●長崎浦上郵便局
局から松山の自宅まで逃げて(山田サキ)
三人の同僚とともに被爆(松尾マサエ)
●長崎竹久保郵便局
全員が局舎の下敷きに
(渡部武・渡部チヨカ・渡部●(けい)子)
外傷なく一か月後に死去(北川幸子)
遺体不明のまま一緒に火葬(藤ヒロ子)
●長崎大橋郵便局
母とも逢えず、病院で(杉本慶子(よしこ))
大村の海軍病院で(山田千鶴子)
“熱つか、熱つか”と言いながら(川添ヒデヨ)
●西浦上郵便局
全身黒こげで(原口義男)
●長崎貯金支局
宿直明け、自宅で(新田義貞)
穴弘法で被爆(小柳ハツエ)
お父さんがきた(松田佳子)
休暇中、自宅で(松尾宏子)
●遺族の手記「あの日のこと」(渡部弘)
被爆体験記1 その時、職場は
●長崎本博多郵便局
座談会「原爆が落ちた時の状況」
筆舌に尽くし難い原爆被爆の前後(田﨑義孝)
泣き叫ぶ女子職員(米田次雄)
●長崎郵便局
よう生きとったなー(大久保恒)
まさか家まで(森田増右ヱ門)
磯道でドーンと音がして(西重造)
閃光にもめげず(山田政一)
●無集配特定局
請負制度下での被爆(与賀田進)
●長崎貯金支局
原爆体験座談会
孫たちにあんな思いはさせたくない(片渕佳枝)
帰ってみたら、自分の肘にガラスが・・・(宮柱ヨシ子)
地獄と屍の街を通って(桃木房枝)
被爆体験記2 あの頃、私は
閃光は無知を貫き(竹内嘉吉)
生ける地獄図(高榎孝一)
唸り声、血の匂い、悪魔の原爆(福田英則)
恐しく長かった夜(嶋田春男)
二世の診断こそよりどころ(八木武代)
乳を飲みながら「ドーン」と(野口武重)
郵政原爆殉職者遺族会結成さる
遺族会会則
遺族会結成総会
ご挨拶(遺族会会長・井出武雄)
代表者の発言 平和を語る
思い出す結婚の差別(長崎北支部長・谷口修)
平和は生活の絶対条件(長崎貯金支部長・古井昭文)
平和は戦争勢力との闘い(長崎中央支部長・松尾一茂)
母の体験を語り継ぐ(長崎北支部・橋口繁満)
編集を終わって