明仁皇太子エリザベス女王戴冠式列席記
はじめに 戦後日本の分岐点となった明仁皇太子外遊
第1章 四五年目のイギリス再訪
一九九八年の外遊I 「忘れることはできない。だが許さなければならない」
一九九八年の外遊II フォール卿が紹介した武士道精神
冷戦の渦中で迎えた日本の独立
第2章 大正一〇年、裕仁皇太子の欧州外遊
「箱入り教育」の刷新を願う三元老
「籠の中の鳥」を自覚する
秩父宮親王、ジョージ六世戴冠式へ
第3章 宮中改革と政府・GHQの綱引き
明仁皇太子の八月一五日
昭和天皇の巡幸と人々の歓迎
皇太子のプロ野球初観戦
田島道治と三谷隆信、側近交代
第4章 新たな時代の皇太子教育
イギリス人家庭教師ブライス
クエーカー教徒バイニング夫人
昭和天皇、「幻のアメリカ訪問」を語る
「さらによいことは、性格が立派でいらっしゃる」
明仁皇太子、マッカーサーと会見する
小泉信三、宮中に入る
第5章 イギリスの対日外交攻勢
日米関係の見直しを考える吉田茂
日本通の駐日英大使、着任する
エリザベス女王戴冠式出席の要請
デニング大使、個人教師を準備する
イギリス大使館での皇太子
第6章 皇太子外遊の準備
随員と日程を調整する
取材記者にどう対応するか
アメリカ、全面協力を申し出る
イギリスの親日人士、奮闘する
第7章 カナダへの旅、皇太子の使命感
プレジデント・ウィルソン号の旅
日系移民との出会い
明仁天皇、二〇〇九年カナダの旅
第8章 イギリス訪問
露わになった"反日熱"
ハンキー卿の奔走
皇太子、イギリス上陸
チャーチル首相の"策略"
チャーチルのスピーチ、奏功する
ロンドン滞在
エリザベス女王との会見
エディンバラへ
第9章 エリザベス女王戴冠式
アームストロング卿の歓待、ビゴットの大スピーチ
再びロンドン滞在
荘厳な戴冠式
ダービー観戦の女王、皇太子を招く
松本大使と朝海公使の所見
「御親電」の交換
第10章 欧米歴訪と皇太子の成長
フランス、スペイン、イタリア、バチカンの旅
ベルギー、オランダ、西ドイツの旅
デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、スイスの旅
ダレス国務長官、三度のスピーチ
元駐日アメリカ大使グルーの歓迎
三谷侍従長、外遊を振り返る
第11章 首脳外交始まる
初の国賓ニクソン副大統領の来日
一九五四年、吉田首相訪英の背景
吉田、歴訪の途に就く
厳しい現実との対話
チャーチル、イーデンとの会見
吉田、訪米へ
第12章 明仁皇太子夫妻の訪米
日米修好一〇〇周年行事、ロックフェラー三世の尽力
訪米を躊躇する宮内庁
アイゼンハワー訪日中止と訪米善後策
明仁皇太子夫妻、アメリカへ
おわりに 日本の外交力の可能性を広げる皇室
明仁皇太子の皇室外交
「慰霊の旅」という外交力
あとがき
主要参考文献