将校患者
序(長屋信美)
はじめに(著者)
沖縄に征く
輸送船
那覇の食糧事情
征く先は大東島と宮古島
那覇市灰燼に帰す
悲しき民間の犠牲者
比嘉さん宅へ宿営する
暇なときは食べることだけ
敵台湾空襲に対する我が戦果
沖縄入墨の由来
台湾沖航空戦
陸海軍に勅語を賜う
沖縄の言葉
沖縄陸軍病院へ入院する
地下病棟のシラミ退治
うまい薩摩芋の葉
わが豊部隊の編制要員
B29帝都空襲の報に沈む
南大東島
内地還送となる
駆逐艦の護衛で鹿児島へ
敵潜水艦の襲撃をうける
危険海域悪石島も無事
再び内地の土を踏む
別府浜町病棟
鶴見病棟
B29別府は素通り
比島全域事態重大となる
初作句入選す
松葉杖を買う
すさまじきものは戦争なり
肥えて居る別府のシラミ
贅沢な軍隊料理
少佐殿握り飯持参で帰郷
敵機動部隊いよいよ本土に接近す
大俳句精神をきく
家では粥一杯の耐乏生活
B29百三十機帝都大空襲
大分市に黒煙沖す
天井こわして焼夷弾防ぎ
水際竹槍戦術
ついに沖縄本土へ敵上陸す
将校患者の杖作り
鈴木貫太郎内閣誕生す
郷里川崎市も廃墟となる
B29定期便となる
空襲益々熾烈化す
友軍機の体当たりを見たり
ドイツついに無条件降伏
戦爆連合雲の如し
大名生活とのお別れ近し
大宮御所も炎上す
浴室の謠曲
静岡陸軍病院へ
南京虫の大軍に驚く
宮古島へも八十機
沖縄戦線遂に撤収す
義勇兵制度もできる
兵隊も物物交換
地ならし爆撃に一人十殺引込める
高射砲を飛行機に積む非常手段
防空壕中で死にそこなう
沖縄は天王山に非ずと国民を欺瞞
B29予告爆撃開始
家族、縁者と二週間
敵の仁単(チラシ)「マリアナ時報」を拾う
本土へ初の艦砲射撃
敵の上陸作戦間近し
吉菜収容所に将校患者はただ一人
美弥子の墓前にホオズキを
ヒロシマヘ原子爆弾第一号投下さる
ソ連宣戦布告す
天皇陛下終戦の放送を行う
ポツダム宣言
カイロ宣言
交換外交文書(要旨)
終戦の詔勅
襟章とって刀を隠し、コソコソ帰宅
マックアーサ元師堂々進駐す
米戦艦ミズーリ号上で降伏調印式
廃墟の銀座で所持品を売る