学校制服の文化史
はじめに
第Ⅰ部 描かれた和装と描かれなかった鹿鳴館洋装 一八八〇-一八九〇年代における女子生徒服装:女子学校制服成立前史
第一章 鹿鳴館の夜会における女性の洋装 洋装の政治的背景
一、鹿鳴館の建設と夜会の開催
二、夜会における政府高官夫人の洋装
三、鹿鳴館の終焉と服装の変化 礼服としての洋装と白襟紋付
第二章 宮中における礼服の制度 近代天皇制と女性の服制
一、袿袴の制 一八八四(明治一七)年の婦人服制
二、袿袴の院賞
三、洋服の制 一八八六(明治一九)年の婦人服制
四、洋装に対するお雇い外国人の批判
第三章 女学校における洋装の展開
一、女子師範学校 官立高等師範学校と府県立尋常師範学校
二、官立女学校 東京高等女学校と華族女学校
三、キリスト教主義の女学校 女子学院
第四章 鹿鳴館時代再考
一、鹿鳴館時代の評価
二、束髪の普及
三、服装改良議論の登場 洋服と和服の利点
第Ⅱ部 描かれた袴と描かれなかった改良服 一九〇〇-一九一〇年代における女子生徒服装:女子学校制服の成立
第一章 女子生徒の誕生 女子教育と服装の関係
一、高等女学校の制度化 国家と女性の関係
二、学校衛生と体育の重視 身体と服装の関係
三、女性服装の問題点と改良の要点
第二章 改良服の考案・批判・実践
一、医師、教育家、美術家による改良服の考案
二、改良服に対する批判
三、各女学校における服装改良の実践
第三章 女子学校制服の成立 規則・一元化への取り組み
一、堕落女学生 徽章の制定
二、服装の華美と虚栄心 服装規則・制服制定論
三、学校による服装規制
四、文部省の取り組み 服装一定可否の諮問と運動服
第四章 女子学校制服文化の形成
一、袴の普及過程
二、女子学校制服の特徴 同一化と差別化
三、制服に寄せる心情 制服を着る、制服を脱ぐ
第Ⅲ部 描かれた制服と描かれなかった標準服 一九二〇-一九三〇年代における女子生徒服装:女子学校制服の変容
第一章 第一次世界大戦と女子教育
一、戦時下における欧米女性の活躍
二、戦後の女子教育論
三、全国高等女学校長協議会における服装論議
第二章 生活改善運動 文部省主催の各種展覧会と生活改善同盟会の結成
一、生活難への対応
二、文部省の訓令と制服廃止の通牒
三、家事科学博覧会
四、生活改善同盟会の結成と服装改善の方針
第三章 一九二〇年代における服装様式の転換 袴から洋服へ
一、女学校の制服問題 一九一〇年代後半の服装論議
二、東京女子高等師範学校附属高等女学校における一九一九(大正八)年の服装規定 筒袖又は洋服
三、服装様式の転換期:一九一九(大正八)年-一九二〇(大正九)年
四、一九二〇年代における各女学校の洋服化
第四章 一九三〇年代における女子学校制服
一、東京女子高等師範学校附属高等女学校における一九三〇(昭和五)年の服装規定 標準服
二、生徒服装のあり方
三、一九三〇年代における女子生徒服装の画一化
おわりに
あとがき
人名索引
校名索引
事項索引
参考文献一覧
註